1. 七草粥の歴史とは
七草粥とは春の七草を使った粥で1月7日に食べる習わしがある。七草の種類は時代や地域によっても異なるようだが、いつの時代でも年が明けたら豊作を祈願したり、家族の健康を願いながら粥を食す文化は変わらずに引き継がれている。
この七草粥は中国から伝わったといわれている。昔の中国では新しい年になると、元旦から6日までに獣畜をあてはめて占いを行う風習があった。元旦に鶏、2日は犬、3日は羊など、それぞれの日に該当する獣畜を大切に扱った。また、7日は人として占いをしていた。7日を人日の節句としているのはここから由来したといわれる。
中国ではこの占いのほかに、7日に「七種菜羹」と呼ばれる温かい汁物を食べながらその年の無病息災を願う風習があった。この風習は平安時代に日本にも伝わったといわれており、日本にも昔から存在していた年の初めに若菜の芽を摘む「若菜摘み」と「七種菜羹」が合わせられ、七草粥が生まれたとされている。その後、江戸時代以降に日本の行事として広まったとされる。
2. 七草粥は作り方の違いで味が変わる?
七草粥のベースの粥は精進料理の一つで、仏典では気力を増すと言い伝えられている。禅宗では粥を食べると身体によいことがあり、禅寺では朝食に粥を食べる習慣があるようだ。
粥は浸水の有無や水の温度、米から炊くか、炊いた飯から作るかによって食感や風味も変わるようだ。たとえば、米を湯で炊き始めると外側の米粒に火が通り、中心まで水分が入りにくいのででんぷんの溶け出しが少なくサラサラした粥になる。
粥は浸水の有無や水の温度、米から炊くか、炊いた飯から作るかによって食感や風味も変わるようだ。たとえば、米を湯で炊き始めると外側の米粒に火が通り、中心まで水分が入りにくいのででんぷんの溶け出しが少なくサラサラした粥になる。
米を一晩浸水し、水から炊いた粥
米の甘みが増し、ふんわりとふっくらした粥ができあがる。米粒にほどよい弾力があり、病気など体調不良のときにはぴったりだ。
米を一晩浸水し、湯から炊いた粥
舌触りがサラサラした粥になる。長時間吸水させたが、熱湯を使ったため中心部まで水分が入らなかった可能性がある。
ごはんを使い、湯から作った粥
重湯が濃厚ではあるが、一度炊いたごはんを粥にするのには、米から炊いたときと同じくらい時間がかかる。
3. 七草粥のおすすめテイクアウトなどを紹介
粥餐庁(かゆさんちん)
株式会社グリーンハウスフーズが展開している粥と麺の店である粥餐庁は、2021年1月7日の日程に合わせて店舗での粥メニューやテイクアウト、レトルトの粥を販売する。無病息災を願った本格的な中華粥になっている。
店で楽しめるできたての七草粥は、「ほっくり大根と七草のおかゆ」。粥餐庁では、自家製スープを使用して炊き上げる本格的な粥が楽しめる。玄米を使っているため、食物繊維やビタミンB1が豊富で、干し貝柱や昆布、生姜などをきかせた旨みたっぷりの粥が特徴だ。
スープストックトーキョー
1999年に女性が1人でも入れる店をコンセプトに創業された。現在では離乳食やベジタリアンメニューなども開発をしている。化学調味料や保存料などを使わず素材本来の味を生かしたスープにこだわっている。定番のメニューもあれば年に数日しか販売しないスープまでさまざまだ。
今年は1月7日の1日限定で「瀬戸内産真鯛の七草粥」を提供する。瀬戸内海でとれた真鯛の身をほぐし、骨で出汁をとった香ばしく香りのよい粥に仕上がっている。七草は三浦半島の最南端の生産者から取り寄せ、青々とした綺麗な七草を使用している。テイクアウトも可能になっている。
結論
七草が食べられるようになった歴史は古く、人々の願いや想いが込められている日本独特の魅力的な文化だ。子どもや若者などにも親しみやすいテイクアウトなどのサービスを通して食べる機会が増えると、文化の継承にも繋がりそうだ。
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