1. 真水はNG?しじみの砂抜きの塩分濃度や時間
しじみを口に入れた瞬間、ジャリっとした感覚を味わったことがある人も多いだろう。砂を気にすることなく美味しくしじみを食べるために、まずは基本的な砂抜き方法を紹介する。一緒に、死んでいるしじみの見分け方もお届けするので、下処理の参考にしてみてほしい。
しじみの基本的な砂抜き方法
- ザルの上に重ならないようにしじみを並べ、バットの上に置く。バットがない場合は、ボウルを使ってもよい。
- しじみが浸かるよう、塩分濃度1~3%程度の水をたっぷりとバットに注ぐ。
- 常温で4時間前後放置すれば、砂抜きの完了だ。
しじみの砂抜きをするには、真水ではなく塩水をたっぷり使い、じっくり時間をかけて行うことが重要だ。また、しじみが吐き出した砂や分泌液などを再び吸い込むのを防止するために、バットにザルを重ねることも覚えておきたいポイント。砂抜きをして水からあげたしじみは、さらに3時間程度寝かせておくと、より旨みがアップするといわれている。
水温が高くなりやすい暑い時期には、冷蔵庫に入れて砂抜きをするのがおすすめだ。比較的水温の低い冬場であれば、一晩かけてじっくり砂抜きをするのもいいだろう。しじみが噴き出す水がバットからはみ出す場合もあるので、新聞紙などをかぶせておくと安心だ。
死んでいるしじみの見分け方
しじみの砂抜きを行う際には、先に死んでるものを取り除いておこう。触っても口をあけたままのものや異臭がするものなどは死んでいる可能性がある。
2. すぐできる!時短のしじみの砂抜き
しじみの砂抜きは、じっくり時間をかけて行うのが基本だが、すぐに食べたい場合などにはお湯を使うといいだろう。しじみの砂抜きを時短で行う方法は以下の通りだ。
- 基本のやり方同様、しじみとしじみが重ならないようザルに並べ、バットに乗せる。
- しじみを並べたバットに、50℃くらいの真水から作ったお湯をひたひたになるまで注ごう。
- あとは10分ほど放置すれば完了だ。
しじみの砂抜きの際に汚れがひどいと感じたら、何度かお湯を入れ替えるといいだろう。また、あまりにもお湯の温度を熱くしすぎると、しじみの旨みが流れ出てしまうので注意したい。
3. 砂抜きしたしじみは冷凍保存がおすすめ
砂抜きをしたしじみはそのまま放置すると傷んでしまうため、冷凍保存するのがおすすめだ。冷凍可能な密閉できる袋に、砂抜きをしたしじみを重ならないよう並べて、袋ごと金属バットに置き、急速冷凍させよう。しじみは、冷凍することでオルニチンやグルタミン酸などの旨み成分がアップするといわれている(※1, 2)。冷凍したしじみは、およそ3ヶ月程度保存が可能だ。
冷凍したしじみを料理に使う場合には、解凍せずに凍ったまま使うのがコツ。すでに砂抜きが完了しているしじみは、凍ったまま使うことで時短調理に活躍するだろう。
4. 砂抜きに失敗したしじみの再利用方法
しじみの砂抜きに失敗してしまった場合には、キッチンペーパーなどで濾して出汁だけを使うという方法もある。しじみは旨みがたっぷり詰まっているため、たとえ砂抜きに失敗したとしても汁物やパスタなどの出汁にすれば十分楽しむことができるだろう。
また、しじみの砂は、貝殻と身の間に詰まっていることが多いため、砂抜きに失敗した場合には、むき身にするのもいいだろう。むき身にしたしじみを塩水でしっかり洗えば、美味しく食べられることもある。
結論
せっかくのしじみの旨みを堪能するために、砂抜きは丁寧に行うのがおすすめだ。基本のやり方をマスターして、しじみの美味しいレシピに活用してみよう。時短できる方法や冷凍保存などを活用すれば、しじみ料理のバリエーションがより増えるはずだ。砂抜きや保存方法など、どれも簡単なのでトライしてみてほしい。
(参考文献)
※2出典:食と容器 50巻3号 140-146ページ
http://kangiken.net/backnumber/0903bknum.pdf
http://kangiken.net/backnumber/0903bknum.pdf
この記事もCheck!