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【管理栄養士監修】はっさくの主な栄養成分と効能|栄養図鑑

【管理栄養士監修】はっさくの主な栄養成分と効能|栄養図鑑

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 小林里穂(こばやしりほ)

鉛筆アイコン 2021年3月 8日

普段何気なく食べているはっさくだが、意外と栄養が多く含まれていることを知っているだろうか。一般的によく食べられる果肉部分だけでなく、皮にも栄養が多く含まれている。ここでは、はっさくにどんな栄養素が含まれているのか、ほかの柑橘類と比較してみるとどうなのかといった疑問に答えていく。

  

1. はっさくがもつ主な栄養分と効能は?

まずは、はっさくに含まれる代表的な栄養成分と効能について紹介する。

栄養成分1.ビタミンC

はっさく100g当たりにビタミンCは40mg含まれている(※1)。ビタミンCは細胞が酸化するのを防いだり、植物性食品に含まれる鉄の吸収を促進したりする働きをもつ(※2)。

栄養成分2.カリウム

はっさく100g当たりにカリウムは180mg含まれている(※1)。カリウムはミネラルの一種で、ナトリウムを排出する働きをもつため、塩分の摂りすぎが気になる人にはぜひ摂ってほしい栄養成分だ(※3)。

栄養成分3.葉酸

はっさく100g当たりに葉酸は16μg含まれている(※1)。ビタミンCやカリウムと比べるとマイナーな栄養成分だが、赤血球の形成やDNAの合成にかかわる重要な栄養素だ。また、妊娠中は胎児の育成に欠かすことのできない栄養素であるため、多めに摂ることが推奨されている(※4)。

2. はっさくの栄養分は皮にもたっぷり!

野菜や果物は実と皮の間に栄養成分が多く含まれている、という話を聞いたことはないだろうか。はっさくは皮とじょうのう(果肉を覆っている薄い皮)をむいて食べるのが一般的だが、実は皮にも栄養成分が多く含まれており捨てるのはもったいない。ここでは、栄養成分がたっぷりの皮のおすすめの食べ方を紹介する。

皮は加工して食べる!

はっさくの皮は、そのままでは食べることはできない。その理由が皮の厚みだ。ほかの柑橘類と比べ、はっさくの皮は厚く硬いため生の状態では食べられない。しかし、細く切って加熱すると食べやすくなる。ピールにしたり、ジャムにしたりして食べるのがおすすめだ。ピールは皮を千切りにして砂糖水で煮るだけで作れる。果肉も一緒に食べたい場合はジャムにしよう。千切りにした皮と果肉に砂糖を加えて煮詰めれば、美味しいはっさくジャムが作れる。

3. 栄養価の高いはっさく!でも食べ方には注意して

さまざまな栄養成分が含まれているはっさくだが、注意すべき点がある。特定の人にとっては身体に悪影響を及ぼす可能性があるからだ。

薬との飲み合わせに注意!

はっさくにはフラノクマリン類という栄養成分が含まれている。フラノクマリン類は薬に相互作用を及ぼす可能性があり、飲み合わせに注意が必要とされる栄養素だ(※5)。すべての薬に影響を及ぼすわけではないが、はっさくと薬を一緒に摂取すると薬の効果が出すぎたり、逆に薬の効果が出にくくなったりといった弊害が出る可能性がある。そのため、はっさくと一緒に摂ってもよい薬かどうか確認してから、はっさくを食べるようにしよう。

カロリーの摂りすぎに注意!

はっさく100g当たりのカロリーは45kcalだ(※1)。低く感じるかもしれないが、はっさく1個当たり(約400g)のカロリーは180kcalだ。2個食べると360kcal、3個食べると540kcalにもなってしまうため、1日に食べる量には注意が必要だ。

4. はっさくのもつ栄養成分は妊婦におすすめ?

妊娠中は胎児のために、普段よりも多くの栄養素をバランスよく摂ることが重要となる。栄養素を多く摂ると聞くと野菜をイメージしてしまうが、実ははっさくは妊娠中におすすめの食べ物だ。ここでは、はっさくのメリットについて紹介する。

メリット1.葉酸が含まれている

妊娠中に欠かすことのできない栄養成分である葉酸が、はっさくには含まれている。いちご100g当たりに90μgも葉酸が含まれているのに対し、はっさく100g当たりには16μgしか含まれていない(※1)ので、あまり意味がないように思うかもしれない。しかし、はっさく特有のさわやかな香りと甘酸っぱさはつわりでも食べやすいため、要チェックだ。

メリット2.妊婦におすすめの栄養成分が含まれている

はっさくに含まれるビタミンCには植物由来の鉄の吸収を促進する働きがある(※2)ため、貧血になりやすい妊娠中にはおすすめだ。また、カリウムは体内の余分なナトリウムを排出してくれる(※3)ため、むくみ解消に繋がる。

5. はっさくの栄養分を他の柑橘類と比較

ここまで、はっさくに含まれる栄養成分を紹介してきたが、最後にほかの柑橘類と栄養価を比較してみよう。柑橘類は種類が多く、そのすべてと比較するのは大変なため、ここではいよかんとうんしゅうみかんと比較する(※1)。

比較1.エネルギー

100g当たりで比較すると45~46kcalでほぼ変わらない。ただし、うんしゅうみかんとはっさくでは大きさがまったく異なるため、1個単位で比べるとエネルギー量は変わるので注意が必要だ。

比較2.ビタミンC

柑橘類に含まれている栄養素といえばビタミンCだろう。それぞれの含有量は以下の通りとなり、意外にも100g当たりで比較すると、はっさくがもっとも多い結果となった。
はっさく(100g) 40mg
うんしゅうみかん(100g) 32mg
いよかん(100g) 35mg

比較3.カリウム

カリウムの含有量は以下の通りで、いずれもカリウムを多く含んでいる。しかし、うんしゅうみかんと比べると、はっさくやいよかんのほうが100g当たり30~40mg多く含まれている。
はっさく(100g) 180mg
うんしゅうみかん(100g) 150mg
いよかん(100g) 190mg

結論

はっさくにはビタミンCやカリウム、葉酸といった栄養成分が多く含まれている。果肉だけでなく、外側の皮にも栄養成分が詰まっているためせっかくなら余すところなく食べたい。皮だけを砂糖水で煮てピールにしたり、果肉と一緒にジャムにするとまるごと食べることができる。ただし、飲み合わせが悪い薬もあったりカロリーの摂りすぎになったりとデメリットがあることも把握しておこう。
(参考文献)
(※1)文部科学省「日本標準食品成分表2015年版 果実類」
(※2)厚生労働省「eJIM ビタミンC」
(※3)厚生労働省「e-ヘルスネット カリウム」
(※4)厚生労働省「e-ヘルスネット 葉酸とサプリメント 
神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
(※5)地方独立行政法人大阪府立成人病センター
「グレープフルーツ以外にも注意したい食材」
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  • 更新日:

    2021年3月 8日

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