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【穴子】の栄養を徹底解説!うなぎとの違いや豊富な栄養素とは?

【穴子】の栄養を徹底解説!うなぎとの違いや豊富な栄養素とは?

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年4月12日

寿司ネタや天ぷら、かば焼きなどさまざまな食べ方を楽しめる穴子は、あっさりとした風味が特徴だ。うなぎよりも淡泊で食べやすいが、栄養面については詳しく知らない人も多いのではないだろうか。そこで本記事では、穴子の栄養について解説していく。

  

1. 穴子の栄養:EPAやDHAが豊富

穴子にはさまざまな栄養素が含まれているが、青魚に多い不飽和脂肪酸のEPAやDHAが豊富であることをまずはおさえておこう。

穴子に含まれるEPA、DHAはどのくらい?

穴子(生)の可食部100g当たりには、7.61gの脂肪酸が含まれている。このうち、飽和脂肪酸が2.26gであるのに対し、穴子には不飽和脂肪酸が5.35gと比較的多い。不飽和脂肪酸はさらに一価(3.70g)と多価(1.65g)に分けられ、多価不飽和脂肪酸はn-3系(1.42g)とn-6系(0.21g)で成り立つ。
EPA(イコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、いずれもn-3系多価不飽和脂肪酸に分類される。穴子100g当たりには、EPAが560mg、DHAが550mgと比較的多く含まれている(※1)。

EPAやDHAを摂取するメリットとは?

穴子に含まれる栄養素のなかでもEPAやDHAには、動脈硬化や血栓を防ぐ、血圧を下げる、LDLコレステロールを減らすという作用があるといわれている(※2)。EPAやDHAは、n-3系多価不飽和脂肪酸の一つであるα-リノレン酸が体内に取り込まれることで作り出される。
しかし、α-リノレン酸自体は体内で合成できないため、食品から摂取する必要のある必須脂肪酸だ。そのため、α-リノレン酸とともにEPAやDHAも食品から摂取し、血圧やLDLコレステロールを平常に保つことが望ましいのである。

2. 穴子の主要栄養素

次に、穴子の基本的な栄養について見ていこう。主要栄養素とも呼ばれる、炭水化物、脂質、たんぱく質の三大栄養素は、穴子にどのくらい含まれているのだろうか。

穴子はたんぱく質が豊富

生の穴子100g当たりに含まれる三大栄養素は、炭水化物0g、脂質9.3g、たんぱく質17.3gとなっている(※3)。ただし、穴子を生で食べることはほとんどないだろう。蒸し穴子にすると水分が減少し、栄養分が凝縮するためやや数値が変わる。炭水化物0g、脂質12.7g、 たんぱく質17.6gとなる(※4)。生と蒸したものを比較しても、たんぱく質が豊富な食材であることが明確だ。また、炭水化物が0gということから、糖質が気になる人も食べやすいといえるだろう。

うなぎよりも低カロリー低脂質

穴子はうなぎよりもあっさりとした風味が特徴だが、栄養に関しても違いがある。炭水化物とたんぱく質の差は微量だが、大きく異なるのがカロリーと脂質だ。100g当たりの穴子(生)のカロリーは146kcal(※3)、蒸したものは173kcal(※4)である。それに対し、うなぎ(生)は228kcal(※5)、白焼きが287kcal(※6)と高い。このカロリーの差に影響しているのが脂質で、うなぎ(生)19.3g、白焼き25.8gと穴子の約2倍なのだ(※3、※4、※5、※6)。
うなぎは濃厚な味わいが魅力的だが、カロリーや脂質にこれほど穴子と差があることは、あまり知られていないかもしれない。

3. 穴子の栄養素:ビタミン類とミネラル

穴子には三大栄養素のほか、ビタミンやミネラルなどの栄養素も含まれている。生の穴子100g当たりにはビタミンAが500µg含まれるほか、ビタミンD、E、C、B群も微量ながら含有している。ミネラルに関してもさまざまなものが含まれ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどが比較的多い(※3)。

ナトリウムとカリウムはうなぎより多い

ビタミンやミネラルに関しては、うなぎと比較した場合ほとんどの栄養素でうなぎのほうが高い数値となっている。しかし、ミネラルのうちナトリウムとカリウムに関しては、穴子のほうが多い。100g当たりのうなぎ(生)に含まれるナトリウムが74mgであるのに対し、穴子のナトリウムは150mgと約2倍だ。また、カリウムはうなぎが230mg、穴子が370mgである(※3、5)。
ナトリウムに関しては不足よりも過剰摂取に注意すべき栄養素だが、カリウムはナトリウムの排出を促す作用をもち、塩分過多を調整してくれる。さらに、細胞内液の浸透圧の調整や筋肉の収縮、神経の興奮性などにも関わる栄養素だ。カリウムは体内の調整機構により過剰な状態になることは稀なため、穴子を適度に食べて摂取するとよいだろう(※7)。

結論

穴子は淡泊な味からも想像できるように、脂質やカロリーが低く、さらに糖質オフ食材である。しかし、たんぱく質はうなぎと同程度に高く、EPAやDHA、ビタミンやミネラル類といった摂取が推奨される栄養素も含まれていることがわかった。リーズナブルで栄養面も優れている穴子を、ぜひ食卓に取り入れよう。
(参考文献)
※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」魚介類/あなご/生
脂肪酸成分表編
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

※2 厚生労働省(e-ヘルスネット)「不飽和脂肪酸」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html

※3 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」魚介類/あなご/生
一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

※4 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」魚介類/あなご/蒸し
一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

※5 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」魚介類/うなぎ/養殖、生
一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

※6 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」魚介類/うなぎ/白焼き
一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

※7 厚生労働省(e-ヘルスネット)「カリウム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
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  • 更新日:

    2021年4月12日

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