1. キャベツの白い粉の正体は何?

キャベツに限らず、野菜が葉や果実の表面をブルームで覆うのは、非常にポピュラーな現象だ。このブルームとは、野菜自体の分泌物のことで、日差しや外気、水分調節など、さまざまな要因から、組織を保護する効果があると考えられている。植物には足がなく、植えられた、生えた場所で生涯を過ごすことになる。このため、環境変化や外敵などから、身を守る術が発達したのだ。ブルームはそのひとつといえよう。ブルームは、ぶどうやりんごなどの果実にも起きやすい。そのほかきゅうりやトマト、ブロッコリーなどにも多い。
白い粉と油分
このキャベツの白い粉を洗ってみると水に油分が浮くことがある。これはキャベツのブルームが、ロウ物質であることが原因だ。乾燥したキャベツによく見られるもので、春キャベツよりも夏播きで冬に収穫される冬キャベツに多い。このロウ物質は、キャベツ自体の代謝物で脂肪族炭化水素が主成分と考えられている。
白い塊
キャベツのブルームが、塊になっていることが稀にある。これは雨などで流れたブルームがたまったものと考えられている。
2. キャベツの白い粉は食べられる?

キャベツのブルームはキャベツ自体の成分なので、身体に害のあるものではない。結果食べることができる。ただ、率先して食べるべき栄養があるわけではないので、気になる場合は、洗い流してもOKだ。ロウ化しているので、丁寧になぞるように洗うと取れやすい。
3. 春キャベツと冬キャベツの違い

キャベツは、春採れと冬採れでまるで異なる食感を楽しむことができる。ブルームができやすいとされている冬採れは、夏に種をまき、年末から春前まで収穫、出荷されるもの。対して、春採れは、秋頃に種をまき、4月から初夏まで収穫、出荷されるものだ。ちなみに夏に収穫、栽培されるキャベツは、高原キャベツと呼ばれ、その名の通り、群馬県や長野県の高原で栽培されている。
春キャベツの特徴
ふんわりと柔らかく巻いた春キャベツは、丸みのあるフォルムが特徴。鮮やかな緑色でみずみずしく、持った時も軽い。暖かい場所で栽培されることが多く、千葉県や神奈川県の三浦半島などが産地として有名である。
冬キャベツの特徴
ぎゅっとしっかり巻かれた冬キャベツは、扁平なフォルムが特徴だ。全体的に色が白っぽく、持った時にずっしりと重い。産地は愛知県や神奈川県の三浦半島が有名。
4. 春キャベツと冬キャベツの食べ分け

甘みの春キャベツ
春キャベツは、とにかく甘みがもち味。生食はもちろん、さっと蒸してもその甘みを存分に味わうことができる。そのままで十分に柔らかいので、火の通しすぎは厳禁だ。
滋味深い冬キャベツ
冬キャベツは、逆に火を通すことでぐっと甘みや旨味が増す。ロールキャベツや塩豚との煮込みなどにもぴったりだ。ゴロンと大ぶりに切って、じっくり煮込むといい。
結論
キャベツは、和洋中、どんな食事にも合う家庭料理に欠かせない存在。そんなキャベツにつく白い粉は、キャベツ自体から出されている代謝物。食べても身体に害はないので、いつも通りの洗い方でももちろん大丈夫。気になる人は、丁寧に手でなぞるように洗うといいだろう。
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