1. ダルバートの正体とは

ネパールとは
インドとチベット自治区に隣接するネパール連邦民主共和国。多民族国家なので言葉も暮らしぶりも宗教もさまざま。登山好きな人であれば、ヒマラヤ登山のスタート地点としても知られているかもしれない。国土のほとんどが険しい山や丘陵で、生活環境はとても厳しい。
ダルバートとは
公用語であるネパール語で、ダルは豆、バートは米飯を意味する言葉で、その名の通り、豆を煮たものとごはんがセットになった、いわばワンプレート定食のようなもの。ネパールのポピュラーな家庭料理で、豆煮とごはん以外に漬物や副菜が添えられる。ネパールでは、遅めの朝ごはんと夜ごはんには、ほとんどダルバートを食べるといっても過言ではない。
インド料理との違い
日本にはインド・ネパール料理と名乗る店が多いこともあり、インド料理とネパール料理が同じものと考えられているが、本来は異なるものである。総じて語られるのは、インド料理よりもネパール料理のほうがより、マイルドであること。さらにごはんや野菜をたくさん食べるところも特徴だ。家では、肉を食べることは少なく、タンパク質源の主は豆。レストランのダルバートには、チキン、魚、ヤギ、羊、ヤクの肉を使ったカレーが加えられることも多い。
2. ダルバートの楽しみ方

ダルバートの全容
ダルバートのメインになる豆の煮物は、塩味で辛味はなし。豆の種類もムング豆やレンズ豆、ひよこ豆などさまざま。さらさらとしていて、スープのようでもある。米は基本的にインディカ米だ。付け合わせの漬物は、アチャールと呼ばれているが、その種類はさまざま。漬物風のものから、ペースト、サラダのようなものもある。
副菜的な位置付けにあるのは、タルカリ。野菜を使ったおかずのことでアチャール同様、スパイスが効いた味わいになっていることが多い。さらにサーグと呼ばれる青菜の炒め物や和え物、場合によってはこれに肉や魚のカレーが加えられる。ネパールでは、食事を作りおく文化はあまりないので、その日に作ったものを盛り合わせるのが定番。結果、日替わりで異なる味わいを楽しむことになる。
美味しい食べ方
基本の食べ方は、混ぜながら食べること。まずはダルをバートにかけて食べ、アチャールやタルカリ、サーグやカレーなどのおかずを合わせながら、味に変化をもたせて食べる。現地の人は、手で食べる場合も多い。ダルバートは、現地の店では肉以外はおかわりが自由という場所も多い。
3. まだまだある!注目のネパール料理

モモ
ネパールには、遅めの朝と夜ごはんの間に軽食を食べる文化がある。この軽食のことをカジャと呼ぶが、その定番とも呼べるのがモモ。チベットの食文化に影響を受けたもので、水餃子や小籠包に近い。皮の中に肉が詰められており、これを茹でたり、蒸したりしたものだ。
チョウメン
こちらもカジャに食べる定番。ネパール版の焼きそばで、スパイシーな味付けで食がすすむ。ガラムマサラやターメリック、チリパウダーなどがポイントで、ベースはトマトケチャップやトマトを使うことが多いらしい。肉や野菜が入っている。
結論
ネパールの定食、ダルバートは、今年日本で話題になりそうな料理のひとつ。バターチキンに代表される北インド料理より優しい味付けで、あっさりとしているため、日本人にも食べやすい。ネパール料理専門店だけでなく、インド・ネパール料理店で供されることも多いので、近所で食べられる店がないか調べてみるのもいいだろう。
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