1. カレー発祥の地、インド
カレーの原型となる複数のスパイスを調合したものは9世紀にはインドにあったと考えられている。いまもそうだが、インドにはカレー粉というものがなく、複数のスパイスを調合してカレーライスを作る。そして、インドのカレーには、とろみがついていない。米作りの盛んな南部では、細長く粘り気の少ないお米、北部ではチャパティというパンと一緒に食べられている。インドというとナンにカレーというイメージがあるが、ナンを焼くためのタンドールオーブンを持っている一般家庭は少ないため、チャパティを主食として食べるのが一般的だ。
インドは広大な土地面積で、いろんな宗教の信徒がいる。主にヒンドゥー教の信徒が多く、イスラム教やキリスト教、仏教、ジャイナ教など多数の宗派があり、ヒンドゥー教では牛肉、イスラム教では豚肉が食べられない。また、ジャイナ教は完全な菜食主義である。従って、宗教によって食べることが出来る食材が異なり、それに合わせたスパイスも違っている。さらにカースト制度のなごりがあるため、カレーに使える具材が限られる場合もある。一般にカーストが高いほど、食べられない食べ物が増えるという。そのためほうれん草などの野菜カレーやタラのカレー、鶏肉のカレー、豆を使ったカレーやヨーグルトのカレーなど種類は多彩だ。
インドは広大な土地面積で、いろんな宗教の信徒がいる。主にヒンドゥー教の信徒が多く、イスラム教やキリスト教、仏教、ジャイナ教など多数の宗派があり、ヒンドゥー教では牛肉、イスラム教では豚肉が食べられない。また、ジャイナ教は完全な菜食主義である。従って、宗教によって食べることが出来る食材が異なり、それに合わせたスパイスも違っている。さらにカースト制度のなごりがあるため、カレーに使える具材が限られる場合もある。一般にカーストが高いほど、食べられない食べ物が増えるという。そのためほうれん草などの野菜カレーやタラのカレー、鶏肉のカレー、豆を使ったカレーやヨーグルトのカレーなど種類は多彩だ。
2. インドからイギリスに伝わったカレー
インドの地方や宗教によってカレーの具材やスパイスは異なるが、共通しているのは、ルーにとろみがなくサラッとしているということだ。やがてインドのカレーは、東南アジア各国やイギリスへと広まっていく。シンガポールやタイなどのカレーの起源はインドのカレーであるが、日本のカレーは別のルートで伝わったと考えられている。
インドのカレーは、1772年にイギリスに伝わったと言われている。当時、インドはイギリスの植民地であったのだが、ベンガル地方の総督をしていたイギリス人、ウォーレン・ヘイスティングスという人物がカレーをイギリスに伝えたと言われている。イギリスに伝来したのは、ガラムマサラなどのスパイスを調合したペーストだったのだが、19世紀にはカレー粉がC&B社によって作られた。このカレー粉に小麦粉でとろみがつけられるようになったのである。肉は主に鶏肉が使われ、レンズ豆やひよこ豆などの豆類が入っている。これがいわゆる「欧風カレー」と呼ばれるものだ。
インドのカレーは、1772年にイギリスに伝わったと言われている。当時、インドはイギリスの植民地であったのだが、ベンガル地方の総督をしていたイギリス人、ウォーレン・ヘイスティングスという人物がカレーをイギリスに伝えたと言われている。イギリスに伝来したのは、ガラムマサラなどのスパイスを調合したペーストだったのだが、19世紀にはカレー粉がC&B社によって作られた。このカレー粉に小麦粉でとろみがつけられるようになったのである。肉は主に鶏肉が使われ、レンズ豆やひよこ豆などの豆類が入っている。これがいわゆる「欧風カレー」と呼ばれるものだ。
3. 西洋文明とともに日本にもカレーが伝来
日本にカレーが伝わってきたのは、明治になってから。アメリカやヨーロッパの文化が伝わってきた時に、イギリスから入ってきた。当時の料理書「西洋料理指南」にカレーの作り方が記されている。具材は、カエルの肉や和ネギと書かれているのも驚きだ。また、チャツネというインドのものを使うとよいということも記されている。さらに、明治5年に出版された「西洋料理通」という書物には、牛肉や鶏肉、和ネギ、りんごが材料に含まれている。いずれのレシピでもカレー粉を使用し、小麦粉でとろみをつける。そして、これらの料理書が出版されたのと時を同じくして、日本では肉食が解禁される。信じられないかもしれないが、明治5年まで日本では、殺生禁断令が敷かれていたのだ。675年、天武天皇の時代から仏教の教えに基づき、肉食が禁止されたという。もっとも、中世以降は武士や貴族などは、狩猟を楽しみ、肉を食べていたそうだ。彦根井伊家は、味噌漬けにした肉を、養生のための薬と称して将軍家に献上していたという記録がある。カレーは、日本各地に広まっていくが、北海道ではタコやイカ、福井県ではほっき貝、熊本県では馬肉のカレーというように、ご当地の食材を使ったカレーが食べられていたという。現代のカレーのようにじゃがいもや玉ねぎ、人参が入れられるようになったのは、北海道で野菜が盛んに生産されるようになってからだという。
結論
イギリスから伝わってきた「欧風カレー」が原点になっている日本のカレー。ココナッツミルクを使ったタイカレーや北海道発祥のスープカレーなど、今やさまざまな形に進化し、いろんなカレー作りにチャレンジしたい。