目次
1. ミョウバンとはそもそも何か?

ミョウバンとは、正式名称を「硫酸アルミニウムカリウム」という食品添加物(指定添加物)の一種である。主な用途は膨張剤、製造溶剤であり、一般的にはアク抜きや煮崩れ防止などの目的で使われることが多い。(※1)ちなみに、指定添加物とは食品安全委員会が添加物の安全性と有効性を確認し、厚生労働大臣が「食品に使用しても良い」と指定している食品添加物のことを指す。(※2)
2. ウニに使われるミョウバンの目的

ミョウバンにはさまざまな役割があるが、ウニにミョウバンが使われる理由はウニの形状を保つためである。水揚げされたウニは空気をたくさん吸うため、身崩れや変色といったデメリットが起こりやすい。そこで、ミョウバン1%程度を溶かした海水に浸けることでこれらのデメリットを防いでいるのだ。特に遠方に出荷する際には、この「ミョウバン水に浸す」という工程は欠かせない。
3. ウニの味が悪くなってしまう理由

ミョウバンが使われているウニは、使われていないウニに比べると「苦い」「臭い」などといわれることが少なくない。しかし、ウニの苦味の原因はミョウバンだけではないという。ここではそんなミョウバンの味が悪くなってしまう理由について確認しておこう。
1.ミョウバンによる苦味が影響している
ミョウバンにはウニの見た目を良くする役割があるが、ミョウバンが多く使われると特有の苦味や臭いの原因となる。一般的には、少量のミョウバンを使っていること、短時間だけ浸していることからミョウバンによる影響は少ないとされている。しかし、ミョウバンを過度に使っている場合は味や香りに影響が出る。また、ミョウバンには収れん作用もあるため、身が硬くなってしまうという。
2.ウニ本来の苦味が強くなっている
ウニの苦味の原因は、ウニの状態が関係していることも少なくない。旬のウニは栄養成分が多くて甘みが強いが、旬を過ぎるとその栄養成分が減ってしまう。その代わりに普段食用としているウニの生殖細胞が増えるのだが、これが苦味や身崩れなどに繋がる可能性があるのだ。美味しいウニを楽しみたいなら旬の時期を狙ったり、産地を選んだりするのがポイントになるだろう。
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4. ウニのミョウバンの苦味を和らげる方法

少しでもミョウバンの苦味や臭いを和らげたいなら、「塩」を活用するのがおすすめだ。例えば、海水と同じくらいの濃度(3%程度)の塩水に浸したり、塩を振りかけたりすることでミョウバンの苦味や臭いを抑えられるという。以下でウニのミョウバンの苦味を和らげる方法・手順を確認しよう。
1.ウニを塩水に浸す
1.塩分濃度3%程度の塩水を作る
2.塩水にウニを10分程度浸けておく
3.優しくザルに取り上げて水気を切る
2.塩水にウニを10分程度浸けておく
3.優しくザルに取り上げて水気を切る
2.ウニに塩を振る(塩ウニ)
1.キッチンペーパーにウニを並べる
2.ウニに塩をまんべんなく振りかける
3.ラップをかけて15分以上冷蔵庫に置く
4.キッチンペーパーで優しく水気を拭き取る
2.ウニに塩をまんべんなく振りかける
3.ラップをかけて15分以上冷蔵庫に置く
4.キッチンペーパーで優しく水気を拭き取る
5. ミョウバン不使用のウニを選ぶのも良い

ウニ本来の味わいを楽しみたいなら、ミョウバン不使用のウニを購入するのも良いだろう。一般的なスーパーで売られているウニにはミョウバンが使われていることが多いが、中には「塩水ウニ」のようにミョウバン不使用のものもある。また、ECモールなどで「ミョウバン不使用の生ウニ」が多く販売されている。もし興味があったら、これらのウニを探してみるのも良いだろう。
結論
水揚げされたウニは身崩れや変色が起きやすいため、これらを防ぐためにはミョウバンを添加する必要がある。しかし、ミョウバンを添加することでウニが苦くなってしまう。もしウニのミョウバンが気になるなら、塩水に浸けたり塩をふりかけたりしてみると良いだろう。
(参考文献)
- ※1:厚生労働省「硫酸アルミニウムカリウムと硫酸アルミニウムアンモニウムの用途の解説」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/aluminium/youto.html - ※2:厚生労働省「食品添加物」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html
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