目次
- 変色を防げる(アク抜き)
- 食感を保てる
1. れんこんの下ごしらえ

れんこんをより美味しく食べるには、下ごしらえが重要である。洗う・皮を剥く・酢水につけるという、3つの作業が基本の下ごしらえだ。それぞれのコツを詳しく見ていこう。
れんこんをよく洗う
れんこんは、表面だけでなく穴(空洞)の部分に泥汚れが残りやすい。ボウルなどに水を張り、れんこんを入れてふりながら洗おう。また、濡らしたキッチンペーパーを穴に差し込むようにしてふき取ると、汚れが落ちやすい。
れんこんの皮を剥く
れんこんの皮は食べられるが、汚れや硬さ、舌ざわりが気になる場合は取り除いておこう。皮を剥くと、味がしみやすくなるというメリットもある。ピーラーをれんこんに当て、カーブに沿わせながら縦方向に薄く剥くとよい。
酢水につける
れんこんを切ったあと、速やかに酢水につけることで次の2つの効果が得られる。
れんこんを酢につけると、より白さやシャキシャキとした食感を保つことができる。
変色を防ぐには
カットした後に柿をうすい食塩水に通すと、変色を防げるのでおすすめだ。
れんこんが変色する理由
れんこんには、ポリフェノールの一種であるタンニンが含まれている。タンニンは空気に触れると酸化し褐変するため、れんこんの切り口が黒っぽく変色するのだ。(※)
そのため、切ったれんこんを水や酢水につけると、酸化しにくくなり変色を防げるのである。
2. れんこんの切り方

れんこんの代表的な7種類の切り方を紹介していく。それぞれの切り方と相性のよい料理も併せてチェックし、使い分けよう。れんこんは繊維質で硬いため、切ろうとすると割れてしまうこともある。切りにくい場合は、れんこんをまるごと電子レンジで1分~1分半ほど加熱するとよい。切りやすく、皮も剥きやすくなる。
輪切り
れんこんを横に寝かせ、端から好みの厚さに切っていく。れんこんの穴があいた形状を生かしたい場合におすすめだ。1cm幅ほどの厚切りにしたものは、れんこんソテーや天ぷらなどに向く。2mm幅ほどの薄切りにすると、サラダや酢れんこん、れんこんチップスなどに使いやすい。ひき肉などで作ったタネを2枚の輪切りれんこんではさむ「はさみ揚げ」や「はさみ焼き」にもおすすめの切り方である。
半月切り
縦半分に切ったれんこんを、切り口を下にして端から好みの厚さに切っていく。輪切りと同様に、料理に合わせて厚切りと薄切りを使い分けるとよい。厚切りはソテー、天ぷら、煮物などに向く。薄切りはサラダや酢れんこんなどにおすすめだ。きんぴらにする場合は、厚めでも薄めでもよい。
いちょう切り
れんこんを縦4等分に切り、それぞれ好みの厚さに切る。半月になるよう組み合わせて切るとスムーズだ。小さくカットする切り方のため、厚めでも一口で食べられる。煮物やきんぴらなどにすると、弁当のおかずにも使いやすい。薄切りにしたものはきんぴらのほか、サラダや酢れんこんに向く。
乱切り
れんこんを縦半分に切り、切り口を下にして斜めに包丁を入れる。れんこんを手前に90°ずつ回しながら、同じ角度で斜めに包丁を入れて繰り返し切っていく。切ったれんこんの形は不揃いだが、大きさは同じくらいになる。筑前煮などの煮物や煮しめなどにおすすめの切り方だ。
縦切り
れんこんを棒状にする切り方で、よりしっかりとした歯ごたえや食感を楽しむことができる。好みの長さに切ったれんこんを、縦に端から好みの幅になるよう切っていく。板状に切ったものを寝かせ、同じ幅で棒状になるよう縦に切ろう。食感を生かした炒め煮におすすめだ。
花れんこん
輪切りにしたれんこんを使った飾り切りで、菊の花のような形が美しい。れんこんは1cm幅の輪切りにしておく。穴と穴の間の外周部分に、包丁でV字に切り込みを入れながら切り抜いていく。切り込みの大きさをできるだけ揃えるとよい。さらに、V字に切り抜いた部分の角が丸くなるよう、包丁で削いで形を整えれば完成だ。
慣れてきたら、先に花の形にしてから輪切りにすると、より手早く大量の花れんこんを作れる。煮物や酢れんこんなどに使うと、料理が華やかに仕上がる。
矢羽根
れんこんの穴の部分を切ってできた凹凸を模様にして、矢羽根に見立てた飾り切りである。片側がやや厚めの斜め切りにし、両端の丸みを少し切り落とす。縦半分に切り、それぞれの切り口をうえに向けて合わせると矢羽根のような形になる。甘酢漬けや煮物などに適しており、正月や5月の節句などお祝い事の料理に用いられる。
3. れんこんは切り方によって食感が変わる?

れんこんの切り方を変えると、見た目だけでなく食感が変わる。輪切りや半月切りなど横に切る切り方は、れんこんの繊維を断ち切るためホクホクとしたやわらかい食感に仕上がる。一方、縦切りは繊維に沿って切るため、繊維が長く残りシャキシャキとした食感やしっかりとした歯ごたえを楽しめる切り方だ。乱切りは、どちらの特徴も兼ね備えている切り方といえるだろう。
アク抜きのやり方でも食感は変わる
下ごしらえとして、切ったれんこんを酢水につけてアクを抜く方法を紹介したが、酢を使わず水に浸ける方法もある。酢水につけるとシャキシャキとした食感になるが、水につけるとホクホクとしたやわらかめの食感になる。そのため、用途に合わせて使い分けるのがおすすめだ。
れんこんをサラダやきんぴらにする場合は、薄切りにしたものを酢水につけるとよい。煮物などに使う場合は、厚切りにしたものを水につける方法がよいだろう。
結論
れんこんにはさまざまな切り方があり、同じ食材でも切り方によって見た目や食感がかなり変わる。同じ炒め煮でも、繊維質ならではの歯ごたえを楽しみたい場合は縦切りに、やわらかく仕上げたい場合は繊維を断ち切る輪切りや半月切りにするとよい。切り方だけでなくアク抜きの仕方でも違いが出るため、用途に合わせて使い分けよう。
(参考文献)
※出典:公益財団法人東京都医療保健協会 練馬総合病院「れんこんの話」
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