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生姜の栄養成分と効果・効能を紹介!実は加熱調理がおすすめ?

生姜の栄養成分と効果・効能を紹介!実は加熱調理がおすすめ?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2021年11月21日

薬味やガリとして食べられている生姜に、どのような栄養が含まれているか知っているだろうか。身体をあたためる食材だと知っている人は多いだろう。本記事では、生姜に含まれる栄養素や成分と、それらによる効能について詳しく紹介していこう。

  

1. 生姜の種類

新鮮な生姜
生姜は品種が多く、それぞれ収穫時期や特徴にも違いがあるのだ。まずは代表的な種類を紹介しよう。一般的に流通しているのは、辛みと香りが強く主に薬味として使用される根生姜である。10月中旬から12月にかけて収穫したあと、土がついている状態で約2ヶ月間の低温貯蔵を経て、年中販売されている。表皮の飴色は、乾燥から身を守るための酵素の働きによるもので、表皮の色が強まるほど辛み成分や栄養成分も高まるのだ。7月下旬から8月にかけて収穫される新生姜は、若い根生姜のことである。白い肉質や繊維質の少なさが特徴で、生姜特有の辛みは控えめだ。シャキシャキとした食感があり香りもさわやかなため、千切りやスライスなど主材料として使用するのがよい。茎のつけ根が赤い葉生姜は、5月から9月頃が旬だ。そのままの状態で甘酢漬けや味噌をつけて食べるのが一般的である。生姜は栄養があり、身体によい食べ物というイメージを持つ人も多いだろう。どのように身体によいのか、含まれる栄養についてみていこう。

2. 生姜の栄養

生姜とジンジャー ティー
それでは、生姜に含まれている主な栄養について紹介しよう。

食物繊維(※1)(※6)

水溶性と不溶性に大別される食物繊維は、多糖類の仲間であるが消化されないため、エネルギー源にはならず低カロリーである。水溶性食物繊維は水に溶けやすく、溶けるとゼリー状になる。小腸での栄養素の吸収速度をゆるやかにするほか、食後の血糖値上昇を抑える効果のある栄養素だ。水に溶けにくい性質の不溶性食物繊維は、水分を吸収することで便の容積を増やす効果がある。どちらの食物繊維も、善玉菌を増やし腸内環境の改善に役立つ栄養素だ。生姜の根茎100gあたりには、2.1gの食物繊維が含まれている。そのうち、0.2gは水溶性、1.9gは不溶性だ。

カリウム(※2)(※6)

成人の体内に約200g含まれているカリウムは、ナトリウム(※4)と相互作用しながら神経伝達や、心臓・筋肉機能の調節など重要な役割を担っている。また、細胞の浸透圧や水分の維持にも欠かせない栄養素だ。生姜の根茎100gあたりには、270mgのカリウムが含まれている。

ショウガオール・ジンゲロール・ジンゲロン(※3)(※5)

生姜特有の辛みにはショウガオール・ジンゲロール・ジンゲロンという3つの成分が含まれており、それらが身体によい効果を与えるのだ。生の生姜に多く含まれているジンゲロールには、血行促進や殺菌作用、抗酸化作用などのほか、免疫機能を活性化させる効果を持つ成分である。このジンゲロールは、乾燥や加熱によりショウガオールとジンゲロンを生成するのだ。ショウガオールには身体をあたためる働きがあり、新陳代謝を活発にする。それは、ジンゲロールよりも強い血行促進の作用があるからだ。ジンゲロンは、抗菌性に優れている。

3. 生姜の栄養の効能

生姜の粉と生姜
次に、生姜に含まれる栄養成分がもたらす効能を紹介しよう。

便通がよくなる

生姜特有の栄養素であるジンゲロールには、胃の内容物排出を早めることができ、ガスの膨張を和らげる効果がある。つまり、消化促進の作用で便秘や腸内ガスの緩和につながるのだ。さらに、生姜には食物繊維が含まれており、不溶性食物繊維(※1)には便の容積を増やす働きがあるので、便が増えて大腸が刺激されることで排便がスムーズになるのだ。さらには、有害物質を吸着させながら便と一緒に排出する作用があり、腸をキレイにすることが可能である。

血圧を下げる

生姜に含まれている栄養素のカリウムには、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制する働きがあるのだ。それにより尿中へのナトリウムの排泄が促され、血圧を下げる効果を発揮する。

発汗を促し、体温を維持する

辛み成分となるショウガオールには、血行促進作用で身体をあたためるほか、新陳代謝を活発にする効果がある反面、発汗作用はないため体温を維持することができる。(※6)ジンゲロールがもたらす作用のひとつに発汗作用があるので、加熱や乾燥した生姜を食べることにより発汗の促しと体温の維持が可能である。(※6)また、生の生姜には解熱や殺菌効果があるので、(※7)風邪のひき始めや高熱の際にはすりおろしや甘酢漬けなどの状態で食べると効果的である。冷え性の場合には、加熱や乾燥でショウガオールが増えた状態の生姜を食べて体温をあげるとよい。

食欲増進作用

生姜の香り成分でもあるシネオール(※6)という精油には、唾液の分泌を促す働きがあるため、食欲を増進させることができるのだ。

吐き気を緩和する

ジンゲロールがもたらす消化促進作用により、消化管に対する働きとして吐き気や胃もたれ、嘔吐に効果的である。

4. 生姜は調理すると栄養は変わる?

すりおろした生姜
生姜を調理することで、含まれている栄養がどのように変化するのか紹介しよう。

加熱調理

紹介してきたように、加熱することでジンゲロールがジンゲロンやショウガオールに変化し、栄養素の効能にも変化があるのだ。まずショウガオールは生の生姜には含まれていないため、血行促進作用や代謝をあげる効果をもたらすには、ショウガオールが生成される加熱調理がおすすめである。ショウガオールは100度以上の熱で破壊されてしまうので、茹でる調理や熱湯で生姜湯をつくる際などには温度管理に注意しよう。ジンゲロンは柑橘系の香り成分であり、免疫力アップや発汗作用をもたらす。加熱調理をすることで、身体を内側からあたためる働きの栄養素が増えるというイメージが適しているだろう。

すりおろし

生の生姜に含まれているジンゲロールは、空気に触れることで減少してしまう栄養素だ。すりおろしたことによる効能の変化はないが、なるべく空気に触れないよう食べる直前にすりおろすことをおすすめする。チューブタイプの生姜は、加工してから添加物を使用し保存性を高めているため、生姜の効能を最大限得るには生の生姜をすりおろすのがよいだろう。

酢漬け

お酢に含まれる主成分には細菌の増殖を防ぐ効果があるため、保存性を高めることができ、疲労回復も期待できる。(※8)それに加え、生姜に含まれる吐き気の緩和作用に伴い、お酢に含まれるクエン酸(※9)が胃酸の分泌を促すことで消化吸収の手助けをしてくれる。そのため、胃の調子を改善することができるのだ。また、カリウムと水溶性食物繊維には水に溶けやすいという性質があるため、酢漬けにすることでそれらがお酢に溶け出してしまう。(※1)(※10)可能であれば漬けた酢ごと食べるのがいいだろう。

5. 生姜の料理への効果

サバの煮付け
生姜に含まれる栄養素は身体に効能をもたらすだけでなく、料理に使用すると、食材に対してもさまざまな効果を発揮するのだ。

肉を柔らかくする

生の生姜に含まれている酵素(※11)という栄養素の働きにより、肉を柔らかくすることができるので、下ごしらえに使用するのがおすすめである。ただし、チューブタイプの生姜は加熱処理されているため酵素の働きがなくなっている。肉を柔らかくするには生の生姜を使おう。

くさみを消す

生魚を刺身やたたきで食べるときや、魚を煮付けるときなどに生の生姜を添えるのは、生姜に含まれる独特の辛みやさわやかな香り成分の働きで、魚やレバーなどのくさみを消してくれる効果があるからだ。身体に栄養を取り入れるだけでなく、料理に使用することでワンランク上の仕上がりになるだろう。

結論

生姜の食べ方によって、身体をあたためる作用と解熱作用があるため、体温管理を行うことが可能である。免疫力や代謝アップなど、生姜は身体にとってメリットの多い食材だといえるだろう。栄養や効能を知識として身につけ、生姜を美味しく健康的に取り入れていこう。
(参考文献)
(※1,※2,※4, ※11)公益財団法人長寿科学振興財団
(※3)水の都脳神経外科病院 臨床栄養部
(※5)日本クリニック株式会社
(※6)飯塚病院 栄養部
(※7, ※8)農林水産省
(※9)健栄製薬株式会社
(※10)東邦大学 栄養部
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  • 更新日:

    2021年11月21日

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