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味噌の種類は奥が深い!地域ごとの特徴や料理に合わせた選び方のコツ

味噌の種類は奥が深い!地域ごとの特徴や料理に合わせた選び方のコツ

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年11月14日

「旅行先で味噌汁を食べ、味の違いに驚いた」そんな経験をお持ちの方もいるかもしれない。味噌は、地域性の高い食品のひとつである。実はその種類には、さまざまな区分けが存在する。今回は日本人の暮らしに欠かすことのできない味噌にフィーチャー。国内だけでなく、アジア諸国の味噌、そして料理に合わせた選び方のコツまで網羅していこう。

  

1. 味噌の種類は「原料」「味」「色」で分類される

味噌
味噌は「原料」「味」「色」と大きく分けて3つの分類がある。
まず原料となる麹の種類によって分類することができる。味の違いは原料の量や割合によって起こるものだ。さらに色の違いは熟成中に起こる化学反応の違いによるものである。ここではこの辺りを詳しく解説していこう。

味噌の原料には何が使われている?

味噌の原料となるのは、畑の肉の異名を持つ大豆、そして塩だ。これに麹を加えたものが主流だが、豆と塩だけで作られる豆味噌も存在する。いずれにしろ大豆を微生物のパワーで発酵熟成したものが味噌である。国内で流通している味噌は、米(麹)を使った米味噌、麦(麹)を使った麦味噌、豆と塩で作った豆味噌、これらいずれかを合わせた調合味噌がある。

味の違いは「食塩量」と「麹歩合」

味噌の味わいは、非常に複雑である。これらは原料の違いによっても大きく変化をするが、原料の配合具合によっても異なる。当然ではあるが食塩量が高ければ高いほど、塩辛い味噌になる。また、麹歩合も味わいを大きく左右する。麹歩合とは大豆に対する米麹や麦麹の割合である。麹の量が多くなればなるほど、甘みが増すといわれている。例えば、白味噌は麹歩合が高いため、甘みが強い。
国内で流通している味噌は、甘味噌、甘口味噌、辛口味噌と大きく3つに分類することができる。

色の違いが生まれる理由

「関西のお雑煮や味噌汁を食べて、白いことに驚いたことがある」「逆に愛知の味噌が黒くてびっくりした」など、ひとくちに味噌といってもその見た目には大きな違いが存在する。
国内で流通している味噌の色の種類は、白味噌、淡色味噌、赤味噌と大きく3つに分類することができる。色の違いは熟成過程で起こる化学反応によって引き起こされる。アミノカルボニル反応(メイラード反応)といい、アミノ酸と糖の反応により褐色色素が生成されるのだ。
熟成期間が長くなればなるほど、色が濃くなるともいわれている。

種類によって栄養成分も変わる?

【米】

  • 甘味噌100g/カロリー206kcal タンパク質:9.7g 塩分相当量6.1g(※1)
  • 淡色辛味噌100g/カロリー182kcal タンパク質12.5g 塩分相当量12.4g(※2)
  • 赤色辛味噌100g/カロリー178kcal タンパク質13.1g 塩分相当量13.0g(※3)

【麦】

  • 麦味噌100g/カロリー184kcal タンパク質9.7g 塩分相当量10.7g(※4)

【豆】

  • 豆味噌100g/カロリー207kcal タンパク質17.2g 塩分相当量10.9g(※5)
日本食品標準成分表2020版(八訂)によると栄養価は上記のようになっている。豆味噌は、米味噌や麦味噌と違い、麹が含まれていない分大豆の含有量が増える、このため、タンパク質が多くなると考えられる。塩分量から見ると米味噌の赤色辛味噌がもっとも多い。
味噌の栄養は、大豆の栄養によるところが大きい。アミノ酸で構成されるタンパク質やイソフラボンなどがその例だ。これに米味噌や麦味噌であれば、麹の栄養素も加わることになる。
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2. 味噌の種類は地域ごとに個性豊か

味噌
味噌は、地域性が非常に高い食品のひとつである。気候や地形、文化など、さまざまな要素が混じり合い、各地で独自の味噌文化が育まれてきた。ここではその詳しい分類を確認していこう。

米味噌

米味噌は、全国でもっとも多く食べられ、親しまれている味噌である。原材料は大豆、塩に米麹が加わる。

【甘味噌/赤】

  • 色:白
  • 産地:東京
  • 代表的な味噌:江戸甘味噌

【甘口味噌/淡色】

  • 色:淡色
  • 産地:静岡、北陸、九州地方
  • 代表的な味噌:越中味噌

【甘口味噌/赤】

  • 色:赤
  • 産地:徳島、そのほか
  • 代表的な味噌:御前甘味噌

【辛口味噌/淡色】

  • 色:淡色
  • 産地:関東甲信越、北陸、そのほか全国に分布
  • 代表的な味噌:信州味噌

【辛口味噌/赤】

  • 色:赤
  • 産地:関東甲信越、東北、北海道、そのほか全国に分布
  • 代表的な味噌:北海道味噌、会津味噌、越後味噌、秋田味噌、佐渡味噌、仙台味噌、加賀味噌

豆味噌

名古屋の味噌カツなどにも使われる黒味噌は、大豆と塩だけのシンプルな味噌である。織田信長も愛したといわれるほど古くから親しまれてきた食材である。
  • 色:黒っぽい
  • 産地:中京地方
  • 代表的な味噌:東海豆味噌

麦味噌

ほんのり甘い味わいが特徴の麦味噌は、大豆と塩、そして麦麹を使った味噌である。

【甘口味噌/辛口味噌】

  • 色:淡色~赤
  • 産地:九州地方、四国地方、関東地方
  • 代表的な味噌:九州麦味噌、瀬戸内麦味噌

白味噌

白味噌は、米味噌の一種である。

【甘味噌/白】

  • 色:白
  • 産地:近畿各府県と広島、山口、香川
  • 代表的な味噌:関西白味噌、讃岐白味噌、府中白味噌

3. 世界中の味噌にも国ごとに特徴がある

味噌
日本だけでなく世界、とくにアジアには多様な味噌が存在する。そもそも日本の味噌も中国がルーツである。そんな中国や韓国では味噌のことを「醤」と呼ぶ。ここでそんな世界の味噌について学んでいこう。

世界の味噌:韓国編

韓国でも醤は暮らしに欠かすことのできない調味料だ。なかでもコチュジャン、テンジャン、カンジャンは基本とされている。

【コチュジャン】

日本でもよく知られる韓国の辛味噌コチュジャンも味噌のひとつである。唐辛子粉、大豆麹、塩、これに穀類などを合わせて作るコチュジャンは、辛さの中に甘み、旨みが感じられる韓国特有の醤である。伝統的な作り方では、オンギと呼ばれる甕の中で熟成される。

【テンジャン】

テンジャンは4~7世紀にあたる三国時代にはすでに誕生していたとされる歴史ある醤である。見た目は日本の味噌に近く茶色で、地域性に富んでいる。ただ、作り方は日本のものとは異なる。韓国の伝統的なテンジャンはまず大豆で豆麹を作る。これに塩水を加えて、発酵させる。過程で固形物と液体に分けられるのだが、このときの液体は次に紹介するカンジャンである。伝統的な作り方の場合、熟成はハンアリと呼ばれる甕で行われる。

【カンジャン】

カンジャンは、醤といっても液体である。日本の醤油に近い感覚で、テンジャンを作る過程で誕生したものだとされている。韓国料理の要ともいえる万能調味料である。

世界の味噌:中国編

日本の味噌は、古代中国で誕生したとされる醤と豉がルーツである。日本やアジア諸国の食文化のルーツをたどると中国に行き着くことも多い。そんな中国では多彩な醤が発展してきた。国土が広いこともあり、地域によって特徴的な醤が誕生した。なかでも豆板醤、甜麺醤、芝麻醤、豆醤は基本である。ここから派生したXO醤もいまではよく知られる存在だ。

【豆板醤】

四川料理に欠かすことのできない辛味噌豆板醤。蒸したそら豆が原料で、これに麹や塩漬け唐辛子を合わせ発酵させる。辛みの中に旨みがある味わいが特徴だ。

【甜麺醤】

中国を代表する甘味噌で、北京ダックのタレに使われている黒っぽい醤のことである。小麦粉に米麹を加えて発酵させる独自の製法が、独特の艶ととろみを生み出す。

【芝麻醤】

日本の練りごまとよく似た見た目の芝麻醤は、香ばしく煎ったごまにごま油を合わせて作られたものだ。まろやかな味わいが特徴で、ごまだけで作られるものもある。

【豆鼓醤】

黒豆を発酵させた豆醤に調味料を加えた醤のこと。豆醤とは異なり、より使いやすくアレンジされたものである。

【XO醤】

香港の有名ホテルペニンシュラで誕生したとされているXO醤は、旨みの宝庫。干しエビ、干し貝柱、金華ハム、生姜、唐辛子、にんにく、オイルなどを合わせたもので、お土産としても有名である。

4. 味噌の種類に合わせて美味しく!この料理はどれがベスト?

味噌
味噌は、毎日の料理にも欠かせない存在である。とくに味噌が味のベースになる牛すじ煮込み、なめろう、ちゃんちゃん焼きには、どんな味噌を使うのがいいのだろう?その正解例を探っていく。

牛すじ煮込み

牛すじ煮込みは、牛のすじを煮込んだ屋台飯がルーツである。各地で愛されているため、味付けに使う味噌も地域性が顕著に現れる。
例えば牛すじ煮込みのなかでも有名な「どて煮」は、愛知県で愛されているグルメのひとつ。使われる味噌は中京地域で愛されている豆味噌や豆味噌に米味噌や出汁を加えた赤出汁だ。
しかし、牛すじ煮込みは米味噌や麦味噌で味付けすることもできるため、一概にどの味噌がいいとはいえないだろう。

なめろう

なめろうは、房総半島の郷土料理のひとつである。新鮮な鯵などの刺身を薬味や味噌と叩いたもので、ルーツは漁師料理ともいわれている。
本場のなめろうには、千葉県で一般的に使われている米味噌を使うことが多い。しかし、これにも厳格な決まりがあるわけではないので、好みの味噌を使ってチャレンジしてみてもいいだろう。

ちゃんちゃん焼き

ちゃんちゃん焼きは、北海道の石狩地方のソウルフードだ。現地で秋から冬に獲れる鮭を旬の野菜と蒸し焼きにする料理で、味わいの決め手となるのが味噌だ。
本場のちゃんちゃん焼きは、北海道で愛される米味噌が使われることが多い。しかし、こちらも厳格な決まりがあるわけではないので、好みの味噌を使ってチャレンジしてみてもいいだろう。

結論

味噌は大豆を加工した発酵食品である。原料、味、色の3つで種類が分けられ、それぞれ地域性が高い。味噌を使った料理は、それぞれ郷土料理であることも多く、そのあたりにも古くから愛されてきたことがうかがえる。さまざまな種類の味噌を集めて、毎日の料理に変化をつけるのも面白いかもしれない。
(参考文献)
※1出典:文部科学省 食品成分データベース「調味料及び香辛料類/<調味料類>/(みそ類)/米みそ/甘みそ」
※2出典:文部科学省 食品成分データベース「調味料及び香辛料類/<調味料類>/(みそ類)/米みそ/淡色辛みそ」
※3出典:文部科学省 食品成分データベース「 調味料及び香辛料類/<調味料類>/(みそ類)/米みそ/赤色辛みそ」
※4出典:文部科学省 食品成分データベース「 調味料及び香辛料類/<調味料類>/(みそ類)/麦みそ」
※5出典:文部科学省 食品成分データベース「調味料及び香辛料類/<調味料類>/(みそ類)/豆みそ」
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  • 更新日:

    2021年11月14日

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