目次
1. 栗の下処理:事前準備

硬い皮に覆われている栗は、下処理が大きな関門だ。ポイントは事前準備をしっかりと行うこと。まずはその辺りを解説していこう。
穴の空いた栗を取り除く
まず、購入してきた栗はシンクのなかで広げてみよう。穴が空いているものがあったら、取り除くといい。というのも穴あきは、虫食いの可能性が高いのだ。さっと表面を洗うついでに、穴あきを取り除いてしまおう。
水に浸け、一晩おく
次に、水またはぬるま湯に浸ける。これは栗の皮を柔らかくするためだ。水であれば、1時間以上、一晩浸けておいても大丈夫。時短にしたい場合は、40度くらいのぬるま湯に15分ほど浸けよう。
また水に浸けておくのは、虫を追い出す効果もある。市販品ではなく、栗拾いや道の駅などで購入したものは、半日から1日浸けておくといい。
2. 栗の下処理:皮のむき方

次の下処理は、皮をむいていく作業だ。水やぬるま湯に浸けたとて、栗の皮は硬いので注意してむく必要がある。よく切れる包丁またはナイフを用意しておくことが重要だ。皮をむいてから茹でる方法は、栗ご飯や栗の甘露煮など、栗をまるごと茹でるときにおすすめの方法である。
栗の下の皮を切り落とす
まずは、栗のお尻部分を薄めに切り落とす。お尻部分は、皮と薄皮、実がぎゅっとくっついていて皮だけをむくのは難しいので、切り落としてしまうのが正解だ。垂直にストンと切り落とそう。
栗の鬼皮をむく
次に切り口から鬼皮と呼ばれる外の硬い皮をむいていく。包丁でもいいが、手でも簡単にむくことができる。むくというよりは、はがすという方がわかりやすいかもしれない。水やぬるま湯に浸けておけば、ここは簡単にクリアできる。ここでも虫食いがあれば、取り除くこと。
栗の渋皮をむく
鬼皮と呼ばれる硬い皮をむくと次に現れるのは、渋皮だ。これをむくのが最大の難関といえよう。左手でしっかりと栗をもって、切り落とした方から頂上に向けて皮をむいていく。でこぼこになりがちだが、面ごとにむくイメージで、包丁を入れたら一息でむくと比較的、キレイに仕上げることができる。
水に浸けてアクを抜く
むき終わった栗は、たっぷりと水を張ったボウルに入れる。こうするとアクを抑えることができ、色が悪くなりづらい。時間としては10分程が目安だが、栗をむいて皮を片付ける間、浸けておく感覚でOKだ。
鍋に栗を入れ、茹でる
まるごと使う場合は、むいてから茹でるといい。栗ご飯などは、そのまま炊き込めばいいので茹でる必要はない。茹でるときは、塩を加えたたっぷりの水で、弱めの火加減で茹でていく。30~45分で竹串がスッと入れば茹で上がりだ。静かにふつふつとした火加減で茹でると煮崩れが少ない。
3. 栗の下処理:茹でてから皮をむく

実は基本のむき方よりも簡単にむくことができる方法が存在する。それがお湯を使う方法だ。とくにそのまま食べたり、ペースト状にしたりする場合は、こちらの方法がおすすめだ。
栗を茹でる
穴あきの栗を取り除いたら、ざっと表面を洗い、鍋に入れてたっぷりの水を注ぐ。火にかけて、沸騰したら少し火を弱め、5分ほど茹でる。
熱湯に栗を浸す
ザルで湯を切ったら、ボウルに栗を入れて熱湯を注ぎ、そのまま1時間放置する。こうすることで皮が柔らかくなり、より簡単にむきやすくなる。
皮をむく
あとは、基本のむき方同様に鬼皮、渋皮の順番にむいていくだけだ。基本の方法よりもより簡単にむくことができるはず。
4. さらに簡単に栗の下処理を行う方法

栗の鬼皮、そして渋皮を攻略する方法はほかにも存在する。より簡単な、まさに裏技的な方法を解説していこう。
茹でてから冷凍する
栗は茹でてから冷凍するとぐっと皮がむきやすくなる。また栗は冷凍しても味、食感ともに変化しづらい。すぐに食べたいという場合でなければ、この方法もおすすめだ。
事前準備を終えた栗をたっぷりの水で茹で始め、沸騰直前で火を弱め、50分ほど弱火で茹でる。水が減った場合は、差し水をしよう。途中アクが出た場合は、取り除くといい。茹で上がったら、ザルにあげ、よく水気を拭き取り、保存用の袋に入れて冷凍庫へ。3ヶ月ほどは保存が可能だ。むくときは常温で解凍して、皮が柔らかくなったらむき始めてOKだ。しっかりと解凍してからむくと、鬼皮だけでなく、渋皮も一緒にむけることがある。渋皮を残したい場合は、完全に解凍される前にむき始めるといい。
むく方法は基本と同じでもいいが、お尻は切り落とさなくてもむける。やり方としては、お尻の底に包丁の角で切り込みを入れて、そこに包丁を引っ掛けてむいていく。
圧力鍋を使う
圧力鍋も栗の下処理には非常に便利に使える。また、放って置ける時間が長いので、ほかの作業ができるという意味で時短になる。
事前準備を終えた栗を圧力鍋に入れ、水を注ぐ。中火にかけて圧力がかかったら弱火で10分。火を止めて、自然に圧力が抜けるまで待ち、ふたを開ける。しばらく置いて、触れるほどになったら、水気を切って皮をむく。まるごと使うのでなければ半分にカットして、スプーンで実をすくってもいいだろう。
5. 下処理した栗の保存方法

前述の通り、栗は冷凍しても味や食感が変化しづらい。下処理をした栗も同様で、長期保存したい場合は冷凍がおすすめである。その方法を見ていこう。
冷凍保存がおすすめ
茹でた栗は前述したが、鬼皮をむいた栗、鬼皮と渋皮をむいた栗も冷凍保存が可能だ。事前準備をして、いずれかの方法でむいた栗の水気をしっかりと拭き取って、保存袋に入れて冷凍すればOKだ。1ヶ月以内に食べきるのが理想だが、3ヶ月ほどは保存ができそうだ。
結論
栗の下処理は楽とはいえないものの水やお湯に浸けてから行うとぐっと楽になる。栗の使い道によっては、茹でてからむくという選択も可能だ。栗がたくさん手に入った場合は、下処理をしてから冷凍しておくとすぐに使えて便利。これを機会に栗の下処理を覚えて、旬の味を存分に楽しみたい。
この記事もCheck!