1. 栗きんとんの「きんとん」の意味
栗きんとんには大きく分けて2種類あり、漢字で書くと「栗金団」と「栗金飩」に分けられる。おせちに入っているのは前者で、金団には金の団子や金の布団といった意味がある。おせちに使われる栗きんとんの多くには「くちなしの実」が使われているため、色鮮やかに仕上がっているのが特徴。
一方で後者の栗きんとんは、加熱して柔らかくした栗と砂糖のみで作られるシンプルな和菓子を指す。主に岐阜県で食べられている和菓子で、上品な甘みと栗本来の味や香りが楽しめる。おせちに使われる栗きんとんには栗と一緒にさつまいもが使われているが、和菓子の栗きんとんにはさつまいもは使われていない。同じ名前でも、使う材料や製法が全く異なるのだ。
2. おせちに栗きんとんを入れる意味
おせちに栗きんとんを入れるのは、金色に輝く姿が縁起がよいとされているから。栗きんとんの「金団(きんとん)」に込められた意味ももちろんだが、見た目の美しさも関係している。金運アップを願って金色の食べものを年の始めに食べたり、「勝ち栗」という言葉があるように勝負運を高める縁起物として食べられていたのが始まりのようだ。
1年の始まりに食べる正月料理やおせちだからこそ、縁起物を集めてその年の幸せを祝う風習がある。栗きんとんには金運と勝負運、2つの運気上昇を願う意味が込められているのだ。
3. 栗きんとんの意味を英語で説明するには
栗きんとんは日本の食べ物だが、英語でなんというか知っているだろうか。栗はマロンだと思われがちだが、じつはマロンは英語ではなくフランス語。
栗を英語でいうと「chestnut(チェスナッツ)」。栗きんとんを英語でいいたいときは、スイートポテトに栗の砂糖漬けを入れたものというように説明するとよい。「candied chestnut with sweet potatoes」などと説明し、さらに金色であることや正月料理だと付け足すとより分かりやすいだろう。ちなみに、おせちのことは英語で「New Year's dishes」や、「Japanese New Year Food」などというと伝わりやすい。
日本の伝統的な料理で、新年に食べると伝えれば分かるだろう。海外でも年越しのイベントは多く行われているため、日本の伝統的な行事や食べ物もぜひ知ってもらおう。
4. 栗きんとん以外のおせちの縁起物の意味
おせちに入れる料理の中には、栗きんとん以外にも縁起のよいものがたくさんある。ここでは、代表的なおせち料理とその意味を紹介しよう。
伊達巻
伊達巻の形は巻物を模して作られていて、学力の向上などを意味する。勉強や習い事、仕事の運気アップを願って作られたとされている。
れんこん
れんこんは穴がたくさんあいた形から、先を見通す力を付ける意味が込められている。また、仏様の住む極楽浄土にある植物といわれているため、汚れがないという意味もあるのだ。
かまぼこ
かまぼこは紅白でセットにされていることが多く、初日の出をイメージしている。また赤は魔除け、白は神聖を意味するともいわれている。
黒豆
黒豆はわざとしわが付くように煮て、しわがたくさんできるまで長生きするように長寿を願って食べられていた。また、まめに仕事をこなすといった意味もある。
数の子
数の子は子宝を願って食べられていた。1つの房にたくさんの卵が付いているため、子宝に恵まれるといった意味があるのだ。
結論
栗きんとんはおせち料理でよく見かけるが、じつは和菓子の栗きんとんもあるとは驚きだ。金色の美しい見た目から縁起がよいとされている栗きんとんは、甘くて美味しく子どもから大人まで大人気。おせち料理はもちろん、おやつやつまみにもピッタリなのでぜひ手作りして食べてみてほしい。