目次
- 1. パンの消費期限はいつまで?
- 2. 消費期限切れのパンは食べられる?
- 3. 消費期限切れで食べられないパンの見分け方
- 4. 冷蔵庫や冷凍保存したパンの消費期限
- 5. パンの消費期限を延ばす冷凍方法
- 1.カリフォルニア・レーズン協会「カリフォルニア・レーズンの特性」 https://www.raisins-jp.org/business/aboutraisin/characteristic.html
- 2.一般社団法人 日本パン工業会「期限等表示マニュアル」
- https://www.pankougyokai.or.jp/reliability/reliability_top.html
- https://www.pankougyokai.or.jp/pdf/indimanual.pdf
1. パンの消費期限はいつまで?

パンは、購入場所によって消費期限が記載されていないことがある。コンビニのパンなどは消費期限が長いイメージがあるが、実際はどうなのだろうか。
ここでは、パンの種類や購入場所別でパンの消費期限をみていきたい。
食パンの消費期限
朝食の定番でもある食パンの消費期限は2~3日。これは未開封の状態での期限なので、開封後は消費期限にかかわらず早めに食べきってしまおう。
パン屋のパンの消費期限
街角のパン屋などで購入したパンは、市販のパンのように袋詰めされていないので消費期限は短くなり、パンの種類によっては消費期限が変わるものもある。
フランスパンなどのシンプルなパンは比較的長持ちだ。それでも3日以内には食べきるようにしよう。カスタードクリームやソーセージなどの具材が入った調理パンは、翌日中には食べきろう。ただし生クリームや生の果物が使われている場合は傷みやすいので、当日中に食べること。また、調理パンのなかでもレーズンパンは例外で、2日ほど消費期限が長くなる。レーズンが防腐性、抗菌性を持っているためだ(※1)。
コンビニのパンの消費期限
コンビニに並んでいるパンは、常温のもので2~5日、冷蔵のものでは当日や翌日の消費期限が多い。
常温でも消費期限が長いパンには保存料が多いのではと思う人もいるだろう。じつは、徹底管理された工場で作られるパンは人の手に触れられることなく袋詰めされるので、腐敗の原因がなく、消費期限が長くなるのである。
大手パンメーカーのひとつである山崎製パンでは、食パンをとりあげ、保存料や、長持ちさせることを目的とした食品添加物は使っていないことを公式HPに明記している。
2. 消費期限切れのパンは食べられる?

消費期限内に食べきれなかったパンは、期限が過ぎた時点ですぐに食べられなくなってしまうのだろうか。
ここでは、消費期限と間違われやすい賞味期限との違いからみていこう。
消費期限と賞味期限の違い
消費期限は、購入時の袋や容器に入った状態で保存されていた場合に「安全に食べられる期限」を指す。これは、室温などの保存方法も守って保存されていることが前提である。
一方で、賞味期限は「美味しく食べられる期限」を指す。これも購入時の袋などに入った状態で、保存方法も守られていることが前提となっている。
いずれも期限が過ぎると安全性や美味しさが保障されないため、基本的には食べない方がよいだろう。
数日消費期限が切れても食べられるパンもある
消費期限は、最大の日持ち日数よりも短めに設定されているといわれている。食べてもお腹が痛くなることはないかもしれないが、基本的には消費期限が切れたら食べないということを覚えておこう。
また、パンの種類によっては1日でも過ぎたら食べない方がよいものもある。調理パンは傷みやすいため、当日中に食べきってしまおう。パンの種類にかかわらず食べてはいけないのが、消費期限から1週間過ぎてしまったもの。衛生面での危険性が非常に高いので絶対に食べてはいけない(※2)。フランスパンなど、比較的長持ちするシンプルなパンは3日、あるいは5日程度過ぎても見た目や臭いが問題なければ食べられると思うかもしれない。しかし、安全性は保障されないため、自己判断・自己責任ということになる。
賞味期限が記載されるパンもある
パンの中には、消費期限ではなく、賞味期限が表示されているものもある。これは、比較的傷みにくいパンに記載されていることが多い。代表的なものに、ロングライフパンと呼ばれるものがある。ロングライフパンは、その名の通り賞味期限が長いパンで、「パネトーネ種」と呼ばれる自然酵母が使われている。この酵母を使うと、パンの保水性と静菌性が高まるため賞味期限が長くなるというわけだ。
消費期限でなく賞味期限が記載されるのは、劣化(傷み)の進行がゆるやかで、衛生面での危険性が少ないとされているからだ。しかし、品質が保証される期限の目安を表示する必要があるため、賞味期限が記載されている。
3. 消費期限切れで食べられないパンの見分け方

消費期限が切れたパンに気づかず食べてしまうと、身体に悪影響が出ることもある。ここでは消費期限切れで食べられないパンの見分け方をまとめているので、参考にしてほしい。
見分け方は3つあり、まずは見た目。カビが生えている場合は分かりやすいだろう。色が変わっている場合も食べるのを避けよう。
次に、においも判断のポイントである。すっぱいにおいやいつもと違うにおいがしたら、食べるのを控えよう。
そして、消費期限が切れても見た目やにおいが変わらず、味だけがいつもと異なる場合もある。すっぱかったり苦みを感じたりした場合はすぐに食べるのをやめ、パンを処分しよう。
4. 冷蔵庫や冷凍保存したパンの消費期限

少しでもパンを長く保存するために、冷蔵庫や冷凍庫にパンを入れておく人も多いだろう。その場合のパンの美味しさや食べきるまでの期限は変わるのだろうか。
冷蔵保存したパンは美味しくない
食品の保存でまず思いつくのが冷蔵保存だが、冷蔵庫で保存したパンは味や風味を損なってしまうので美味しくない。カビの発生を遅らせることはできるが、パンの主原料である小麦粉に含まれるデンプンの老化がすすみ、味が落ちてしまうためである。
それでも冷蔵保存したい場合は、安全性が保障されている消費期限内に食べきるようにしよう。
冷凍保存のパンの消費期限は?
冷蔵保存よりおすすめなのが、冷凍保存である。冷凍庫内の温度であればカビの発生を抑えられるだけでなく、デンプンの老化を遅らせることもできるからだ。冷凍庫では0℃以下になることで、デンプンの老化がゆるやかになる。逆に0~4℃くらいの温度帯ではデンプンの老化が進んでしまう。これが、冷蔵保存ではパンの味が落ちてしまう原因である。
また、冷凍保存に向くパンと向かないパンもあるので押さえておこう。冷凍保存に向いているのは、水分が少ないパン。食パンやフランスパン、ベーグルなどが挙げられる。一方、野菜やフルーツが入っているパンは水分が多く含まれるので冷凍保存には向かない。生クリームやマヨネーズが入っているパンも同様だ。これらのパンは、解凍した際に水分が出てきてしまい、美味しさが損なわれてしまう。
冷凍保存したパンの消費期限は明確ではなく、1か月程度であれば美味しく食べられるとされている。ただし、消費期限ではないので、冷凍保存した場合もなるべく早く食べきる方がよいだろう。
5. パンの消費期限を延ばす冷凍方法

パンを冷凍保存すると消費期限を延ばせるが、少し工夫するだけで解凍したときも美味しく保存することができる。パンによっては解凍後の温め方も異なるので、ポイントをおさえておこう。
パンを冷凍するコツ
パンを冷凍する際のコツは2つ。1つ目は、なるべく早く凍結させることである。まずはカットするなどして小分けにしよう。食パンなどはあらかじめ食べるサイズにカットしておくと凍結も早く、解凍後もそのまま食べられるので効率的だ。
2つ目は、密閉することである。小分けにしたパンはそれぞれラップで包み、冷凍保存袋に入れて保存しよう。このとき、空気もしっかり抜いてから封をするのが大切である。
なお、冷凍保存はパンの消費期限内に行おう。
冷凍したパンの解凍方法
解凍方法は簡単で、自然解凍したあとにオーブントースターで加熱するだけ。トーストの場合はトースターを予熱しておくと焼きムラなく仕上げることができる。フランスパンなどは焼く前に霧吹きで水分を含ませておくと、固くなりすぎない。
冷凍したパンの消費期限は明確ではないが、美味しく食べられるとされている1か月を目安に食べきるようにしよう。
結論
パンは消費期限が切れてしまっても食べられる場合もあるが、安全性が保障されないため、基本的には食べてはいけない。パンを購入したら、できるだけ消費期限内に食べるようにし、食べきれない場合は期限内に冷凍保存して安全に、そして美味しくいただこう。
(参考文献)
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