目次
- エネルギー 349kcal
- タンパク質 33.9g
- 脂質 18.8g
- 炭水化物 28.9g
- カリウム 1800mg
- カルシウム 140mg
- 鉄 6.8mg
- ビタミンE 28.8mg
- 食物繊維 20.6g
- 糖質 8.3g
- ※1文部科学省 日本食品標準成分表 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04077_7
- ※2公益財団法人長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/polyphenol.html
- ※3、5~8江崎グリコ株式会社 【栄養成分百科】 https://jp.glico.com
- ※4公益財団法人長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
- ※9厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1a.html - ※10一般財団法人 脳神経疾患研究所 附属総合南東北病院 https://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/201209/soy_isoflavone.html
- ※11日本農芸化学会 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/57/3/57_570302/_pdf
- ※12株式会社マキノ出版 https://kenka2.com/articles/1746
- ※13蒸し豆研究会 https://mushimame-kenkyukai.jp/feature_pro.html
- ※14文部科学省 日本食品標準成分表
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04079_7 - ※15国立健康・栄養研究所 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3633lite.html
- ※16厚生労働省 https://www.cmhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1a.html#q10
1. 黒豆の栄養素と効果効能

黒豆は大豆の品種のひとつで、黒大豆やブドウ豆とも呼ばれている。種皮に含まれているアントシアニンの色素によって皮は黒くなっているが、栄養成分は大豆とほとんど同じである。まずは黒豆に含まれる代表的な栄養素とその効果効能について解説しよう(※1)。
ポリフェノール
黒豆には、ポリフェノールの一種である黒豆アントシアニンが多く含まれている。ポリフェノールが持つ強い抗酸化作用は、活性酸素などの有害な物質を無害な物質に変えるため、美肌効果や目の機能改善、生活習慣病の予防などに効果的である(※1)。
タンパク質
タンパク質は三大栄養素のひとつで、血液や筋肉などを作る主要な成分である(※3)。さらにタンパク質は、酵素やホルモンなどの機能を調節する役割があるため、不足すると免疫機能が低下し、さまざまな病気にかかりやすくなる。黒豆に含まれるタンパク質は良質で、9類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるのが特徴である(※4)。
食物繊維
食物繊維とは、消化酵素では消化することができない成分であり、不溶性と水溶性に分けられる。黒豆には不溶性食物繊維が豊富に含まれており、便の量を増やし便秘を防ぐ効果が期待できる(※5)。
カリウム
黒豆に含まれているカリウムとは、そのほとんどが細胞内液に存在し、細胞外液に存在しているナトリウムとバランスをとりながら細胞を正常に保つ働きがある。近年ではカリウムを摂取することによって、血圧の低下や脳卒中の予防に効果があるといわれている(※6)。
カルシウム
大豆や大豆製品に豊富に含まれているカルシウムは、骨や歯などを構成する栄養素のひとつであり、体重の1~2%の重さが体内に存在している。そのうち99%は骨や歯に蓄えられているが、残りの1%は血液や筋肉などにあり、出血をとめる働きや筋肉運動などに重要な役割を果たしている(※7)。
鉄分
鉄は主に赤血球を作るのに必要な栄養素であり、貧血の予防に効果があるとされている。大豆のような植物性食品に含まれる鉄分は非ヘム鉄と呼ばれ、ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収率がアップする(※8)。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと分子構造が似ているため、植物性エストロゲンとも呼ばれている(※9)。男性の場合、男性ホルモンのテストステロンの一部がエストロゲンである。大豆イソフラボンは、加齢とともに分泌量が減少するエストロゲンの不足を補い、更年期障害によるトラブルを予防する効果がある(※10)。
2. 黒豆の栄養成分表

黒豆は栄養価が高く、身体によい栄養成分を豊富に含んでいる食品である。黒豆には先に紹介した栄養成分のほかに、ビタミンEなども豊富に含まれている。それではここで、黒豆の主な栄養成分(※1)を確認しておこう。
3. いろいろな黒豆の栄養価

黒豆というと、お正月に食べるような甘く煮た黒豆を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、黒豆にはそのほかにもさまざまな調理方法や食べ方があり、それぞれ違った栄養価が期待できる。黒豆のいろいろな楽しみ方をいくつか紹介しよう。
黒豆納豆の栄養価
黒豆納豆には普通の納豆よりもポリフェノールやアントシアニンが多く含まれている(※11)。黒豆納豆は、普通の納豆よりも甘みがあるのが特徴で、粘り気が少ないためネバネバが苦手という人におすすめだ。
黒豆茶の栄養価
黒豆茶には利尿作用があるため、血圧を下げる効果が期待できる。また黒豆に豊富に含まれているアントシアニンは、コレステロールの酸化を防ぎ動脈硬化も予防してくれるので、高血圧やメタボに悩む人におすすめである。煮たあとの黒豆にも身体によい成分が残っているので、そのまま食べるかサラダや煮物などに加えるとよいだろう(※12)。
蒸し黒豆の栄養価
蒸し豆は調理過程で栄養成分が流出しないのが特徴である。黒豆本来の風味も損なわれず、サラダやスープに入れたり、ヨーグルトに加えたりとアレンジも豊富だ。蒸し黒豆の食物繊維がヨーグルトの善玉菌のエサになり、さらに腸内環境を整える力の底上げが期待できる(※13)。
煎り黒豆の栄養価
生の黒豆に比べて、煎り黒豆は栄養価がアップすることがわかっている。また煎り黒豆は調味料を使用しないため、カロリーを抑えることができるのだ(※14)。煎り黒豆は市販品もあるが、家庭のフライパンやオーブンで手軽に作れる。
4. 黒豆は毎日何粒食べる?一日の適量とは

黒豆は栄養価が高いためたくさん摂取しようと考える人もいるだろうが、栄養成分によっては一日の摂取量が制限されている場合もある。食品安全委員会によると、黒豆の代表的な栄養成分である大豆イソフラボンの一日の摂取限度は70~75mg(※15)となっている。丹波の黒豆の場合30gで11mgのイソフラボンを摂取することができるので、210g程度摂るとオーバーすることになる。また子どもや妊婦については、どのくらい大豆イソフラボンを摂取して大丈夫なのか明確にされていないため、日常生活で食べている大豆製品に加えてサプリなどで大豆イソフラボンを摂取することは推奨されていないので注意しよう(※16)。
結論
黒豆は健康や美容によいとされる栄養成分が豊富に含まれているので、お正月のおせち料理だけではなく、日頃から摂取するとよいだろう。一日の摂取目安を頭に入れながら、こまめに取り入れるようにするのがおすすめである。今回紹介した黒豆納豆や黒豆茶などもぜひ一度試してみてほしい。
(参考文献)
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