目次
- ※1文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂) 脂肪酸成分表編 第2章第1表(データ)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html - ※2不飽和脂肪酸 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html - ※3 日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html - ※4 日本人の食事摂取基準 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html - ※5 「イミダゾールジペプチド配合飲料の 日常的な作業のなかで疲労を自覚している 健常者に対する継続摂取による有用性」:Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療)vol. 37 no. 3 2009
http://160.193.203.7/fatigue/topics/pdf/cbexdr_yuuyou.pdf
1. サバで痩せた?ダイエットに人気な理由とは

ダイエットに効果的だといわれているサバ。その理由について解説しよう。
DHAとEPAのダイエット効果
サバがダイエットに効果的だといわれている理由は、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれている(※1)からだ。DHAとEPAとは、魚の油に含まれる成分で、人間が生きるうえでなくてはならない必須脂肪酸だが、体内では生成されないため食事から摂取する必要がある。DHAやEPAを摂取すると血圧や、悪玉コレステロールを低下させる働きがあり、動脈硬化を防ぐ効果があるのだ。(※2)また、DHAなどには交換神経に働きかけ、脂肪燃焼を活発にさせる効果が期待できるため、ダイエットに最適な食材だといえるだろう。生のサバよりもサバの水煮缶のほうがDHAとEPAの含有量が多いため、積極的に摂取したい。
サバは低糖質
さらに、サバは糖質が少ないことからもダイエット向きの食材であるといえるだろう。サバの塩焼きに含まれる糖質量は100gあたり0.4g(※3)と低いため、糖質制限に向いている食材だといえるだろう。サバの水煮缶100gのうち糖質の含有量は0.2g、味噌煮の場合は6.6g(※3)と、調味料の分だけ少し多くなる。低糖質にするなら水煮缶をチョイスすることをおすすめしたい。サバを使ったレシピには竜田揚げや味噌煮などさまざまなものがあるが、低糖質にこだわるなら合わせる食材や調味料にも注意しておきたいところだ。
サバは高タンパク
そんなサバだが、タンパク質が豊富に含まれている魚であることも大きな特徴だ。サバの水煮缶には100g中20.9g、サバの味噌煮缶には16.3gものタンパク質が含まれている。(※3)厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準によると、一日のタンパク質の必要摂取量は成人男性で60g程度(※4)であるため、一缶で一日の摂取量の約1/3のタンパク質が摂取できる。タンパク質は糖質などに比べて、脂肪になりにくい性質があるため、ダイエット向きといえるだろう。また、筋肉量が増えることで基礎代謝アップが期待できるのだ。
イミダゾールペプチドの疲労回復効果
イミダゾールペプチドは、渡り鳥や回遊魚の筋肉に含まれる成分だ。強力な抗酸化作用があり、疲労回復や運動パフォーマンスの低下を改善する(※5)。サバと合わせて摂取することで体内の疲労物質を除去し、疲労回復の手助けをしてくれる。イミダゾールペプチドは運動能力の改善に役立つ可能性も期待できるため、運動メインのダイエット中であれば日ごろから意識して摂りたい成分だ。
2. サバでダイエットする5つのポイント

サバを食べてダイエットする時に意識したい5つのポイントを紹介しよう。
1:サバは缶詰がおすすめ
ダイエットのために摂取するなら、生のサバより手軽に摂れて栄養素も多いサバ缶をおすすめしたい。サバ缶には、生のサバよりもDHAやEPAなどの栄養素が豊富に含まれている。汁ごと調理に使うこともできるため、サバの豊富な栄養素を余すことなく摂取できるのだ。手軽に食べられ、安く手に入るのもうれしいポイント。大目にストックしておけばつまみに食べたり、アレンジして夕食の一品として出したりと何かと便利な食材である。
2:サバ缶は味噌煮ではなく水煮を選ぶ
サバ缶には味噌煮缶など味の付いたものや、水煮缶などがあるが、ダイエット中に食べるなら水煮缶をチョイスするのが鉄則だ。糖質だけでなく、カロリーにも違いがある。サバの水煮缶100gのカロリーは174kcal。味噌煮缶だと210kcalだ(※3)。水煮缶には塩味の付いたものや減塩、無塩のタイプもある。塩分を摂りすぎると、むくみの原因になることもあるため、ダイエット中はできるだけ減塩を意識したほうがいいだろう。産地にこだわったものやサバの形状が異なるものなど、さまざまな種類のサバ缶が各メーカーから販売されているので、好みの味のものを見つけるのも楽しい。
3:サバ缶の煮汁も使う
サバ缶の煮汁には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれている。それらを無駄なく摂取するためにも汁ごと調理に使うようにしよう。料理の出汁代わりに使ったり、炊き込みごはんに加えたりするのもいい。魚の生臭さが気になる人は生姜や酒などを加えて臭みを消すようにしよう。
4:栄養バランスに気を付ける
サバ缶は低糖質で栄養も豊富だが、だからといってサバ缶ばかりを食べてしまっては意味がない。カロリーや塩分が過多になってしまう可能性もあるので1日1缶を目安に食べるようにしよう。ビタミンDが100gあたり11.0μg(※3)と豊富でビタミンB群、ビタミンEなども含まれていてバランスのいい食材ではあるが、組み合わせる食材にも気を遣いたい。サバ缶だけでは摂れない、食物繊維などが含まれる野菜も一緒に食べることを意識しよう。
5:サバを食べるタイミング
そんな栄養豊富な食材であるサバだが、いつ食べるのが一番効果的なのかと思う人もいるだろう。サバの味噌煮缶を食べるなら朝がおすすめだ。カロリーが高く、エネルギーとして身体に蓄えられる量が多いからである。サバの水煮缶であれば味噌煮缶ほどタイミングを気にしなくてもいいが、できれば夜の遅い時間には食べないようにしよう。夜に摂取した糖質や脂質は、寝ている間に内臓脂肪として身体に蓄えられてしまうからである。夜に食べる場合は時間帯に気を付けて食べるようにしよう。
3. ダイエット中でもサバを食べ過ぎるのはNG

サバはダイエット向きの食材ではあるが、もちろん食べ過ぎてはいけない。低糖質な魚ではあるが、カロリーや脂質は決して少なくはない。食べ過ぎてしまっては逆に太ってしまうこともある。さらに、DHAとEPAの過剰摂取にもなりかねないため、1日3食すべてをサバに置き換えるような食生活はしないようにしよう。サバ缶であれば目安は1日1缶だ。
4. サバを使ったおすすめダイエット料理

いくらサバがダイエット向きの食材であるといっても、毎日同じ食材を食べていれば飽きてしまうもの。そのまま食べても美味しいサバだが、ここではダイエットにおすすめのサバ料理をいくつか紹介しよう。
サバの味噌汁
鍋に玉ねぎや長ねぎなど好みの野菜をカットしたものと、水、サバの水煮缶を汁ごと入れて加熱する。サバの汁が出汁代わりになるので、出汁を取る必要はなく手軽に作ることができる。汁の栄養素も逃さず摂取できる、おすすめの食べ方だ。じゃがいも、にんじんなどの野菜やきのこ類とも相性がいい。いろんな具材を組み合わせて好みの味を見つけてほしい。食卓に取り入れやすくボリュームもあるためダイエットにおすすめの食べ方だ。
サバ缶カレー
意外に思えるかもしれないが、サバとカレーは相性バツグン。こちらも缶詰の煮汁をまるごとカレーに入れられる。サバの臭いが気になる場合は、生姜を加えるのがポイントだ。ほろっと崩れるサバの身にルーが絡み、美味しく食べられる。肉を使うよりカロリーがグッと抑えられるため、ダイエットにぴったりだ。
サバのトマト煮
こちらもサバ缶の汁ごと使える煮込み料理のレシピだ。鍋にオリーブオイルを入れて熱し、トマト水煮缶とサバ缶を入れて煮込むだけの簡単なメニューだ。洋風のトマト煮込みは旨みたっぷり。食べごたえがありダイエット向きのレシピだ。トマトに含まれるリコピンは脂溶性なので、サバ缶の油と一緒に摂ると効率がよく、食べ合わせのいい一品だ。チーズやスパイスを加えるアレンジもいい。
結論
今回はサバ缶を使ったダイエットレシピや、サバがダイエットに向いている理由などについて詳しく解説した。普段サバを食べなれていない人も、缶詰を使えば手軽にサバを食卓に取り入れられる。ぜひ参考にしてみてほしい。
(参考文献)
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