- ※1 東京都福祉保健局 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kabi/kabidoqa.html
- ※2 農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/kabidoku/#result
- ※3 株式会社食環境衛生研究所 https://www.shokukanken.com/column/foods/002300.html#q5
- ※4 東京都福祉保健局東京都市場衛生検査所 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/itiba/seika/kujyoujireiseika/kabocha.html
1. かぼちゃにカビ!取り除けば食べられる?
かぼちゃに生えてしまったカビは取り除けば食べられる、と考える人も多いだろう。しかし、かぼちゃのカビには危険性がある。ここでは、カビの生えたかぼちゃを食べることの危険性や、食べてしまったときの対応について解説していく。
カビの生えたかぼちゃは食べない方がよい
表面や切り口にカビが生えているかぼちゃは基本的に食べないほうがよい。カビによって生み出されるカビ毒は見た目だけでは分からない。カビそのものは加熱によって死滅するが、カビ毒は比較的熱に強く、十分に処理できないこともある。そのため一度カビに汚染されると、かぼちゃからカビ毒を完全に取り除くのは難しく、微量のカビ毒を摂取してしまう可能性があるのだ。(※1、2、3)
かぼちゃのわたや種にあるカビでも危険
かぼちゃのわたや種の部分は、ほかの部分に比べてカビの生えるスピードが早い。たとえ種の部分のみで実にカビが生えていなくても、カビ菌が内部にまで食い込んでいる可能性がある。とくに小さい子どもや高齢者など、抵抗力が弱い人は体調を崩す可能性もあるので、実にカビがなくても食べるのは控えよう。
2. かぼちゃのカビの見分け方
かぼちゃのカビには、白色・緑色・黒色の3種類がある。ここでは、それぞれのカビの見分け方や危険性について紹介していく。
かぼちゃの白いカビ
かぼちゃの白いカビは、糸状でふわふわとした形状をしている。白いカビがある場合、食べないほうがよいだろう。一方、かぼちゃの切り口や表面に現れる白くカサカサしたものは、かぼちゃに含まれる「でんぷん」が固まったものである。白いカビと間違えやすいが、でんぷんは食べても問題ない。
かぼちゃの緑のカビ
かぼちゃの緑のカビは、かぼちゃの皮の色と似ているため判断がつきにくい。カビと皮の色を間違えないように注意しよう。また白いカビが発生したまま放置しておくと、緑のカビになるので注意が必要だ。
かぼちゃの黒いカビ
かぼちゃの黒いカビは、見た目通りの黒カビである。お風呂場などに発生するカビと同じ色をしたカビである。
3. カビはないのにカビ臭いかぼちゃは食べられる?
かぼちゃ自体にカビは生えていないのに、カビ臭い場合がある。これはクリスタル現象(※4)と呼ばれ、かぼちゃに含まれるでんぷん質や糖質が気温の影響で白く結晶化する生理現象だ。クリスタル現象(※4)はカビではないため食べても身体に影響はないが、苦味を感じやすくなりかぼちゃの味も落ちるため、食べるのには適していない。
4. かぼちゃをカビさせず保存するコツ
正しい保存方法でかぼちゃを保管すれば、カビを生やさずに日持ちさせることが可能だ。ここでは、かぼちゃをまるごと保存するときと、カットしたときの保存方法と注意点を紹介していく。
まるごとのかぼちゃの場合
かぼちゃをまるごと保存する場合、土がついていたらキレイに水洗いし、しっかり水気を拭き取ろう。夏場はかぼちゃをまるごと新聞紙で包んで冷蔵庫で保存、そのほかの時期は風通しがよく涼しい場所で保存する。かぼちゃに傷があるとそこから傷む恐れがあるため、傷つけないように気をつけよう。
カットしたかぼちゃの場合
カットしたかぼちゃを保存する場合、まず、カビが発生しやすい種やわたをスプーンなどでしっかり取り除こう。カットしたかぼちゃは断面から水分が抜けていくため、全体をラップでしっかり包むことが大切だ。その後、保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存する。カットしたかぼちゃはまるごと保存するときよりも傷みやすいため、早めに食べきろう。
結論
カビの生えてしまったかぼちゃは、基本的には食べないほうが無難だ。しかし、かぼちゃの表面に現れる白いデンプンの固まりや、クリスタル現象によるものなど、カビとの判別が難しいケースもある。また生のかぼちゃは上手に保存するとカビも生えず日持ちするので、参考にして美味しくかぼちゃを食べてほしい。
(参考文献)
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