目次
- 1. 熱湯で雑草を駆除できるというのは本当か?
- 2. 熱湯で雑草対策をするメリット・デメリット(リスク)
- 3. 熱湯で雑草を駆除するときの注意点
- 4. 重曹を使った雑草対策はどうか?
- 5. 塩を使った雑草対策はどうか?
- 6. 一般家庭におすすめの雑草対策は結局どれか?
- 7. 雑草対策には熱湯よりも有効な方法を
- お湯を沸かすだけなので費用を抑えられる
- 薬剤を使用しないため土壌にやさしい
- 薬剤を使用しないため小さな子どもやペットがいても安心
- 広範囲になると非常に効率が悪い
- やけどのリスクがある
- 根まで枯死させるのが難しい(すぐに再発するおそれがある)
- 土壌の微生物を殺してしまうおそれがある
- ほかの植物に悪影響を及ぼすことがある
- 防草剤を撒く
- 防草シートを敷く
- 砂利やレンガを敷く
- バークチップ(ウッドチップ)を撒く
- コンクリートを敷設する など
1. 熱湯で雑草を駆除できるというのは本当か?

「雑草の駆除に熱湯が効果的」といった情報を見かけることがあるが、実際のところどうなのだろうか?そもそもなぜ熱湯で雑草を駆除できるのだろうか?
雑草に熱湯をかけるとどうなる?
熱湯を使った雑草対策の原理は単純だ。「熱で枯死させる」というものである。バーナーで焼くのと違い燃え移る、燃え広がるといったリスクがない上、薬剤を使用しないため環境にも優しいとされている。
熱湯が有効な場面とそうでない場面がある
熱湯を使った雑草駆除には、有効な場面と不向きな場面がある。具体的には「インターロッキングブロック」「コンクリート」「レンガのすき間」など、手で引き抜きにくい場所に生えている雑草に対して有効と考えられている。
一方、広範囲に生えている雑草に対しては効率が悪く、賢い方法とは言いがたい。近くで植物や野菜などを育てている場所も避けたほうがよいだろう。
2. 熱湯で雑草対策をするメリット・デメリット(リスク)

熱湯を使った雑草駆除にはメリットもデメリット(リスク)もある。双方を正しく理解した上で判断することが大切だ。
熱湯を使った雑草駆除のメリット
お湯を沸かすだけなので、かかるコストといえば水道代とガス代(電気代)程度だ。薬剤を使う場合や業者に依頼する場合と比べればコストを大幅に抑えられる。また除草剤といった薬剤を使用しないことから、土壌にもやさしい方法といえる。
熱湯によるやけどには注意する必要があるが、それさえ気をつければペットや子どもがいるご家庭でも安心だろう。
熱湯を使った雑草駆除のデメリット
一度に沸かせるお湯の量には限界がある。ごく一部など狭小地であれば一度で済むかもしれないが、そうでなければ何度も「お湯を沸かしては運んでかける」といった作業が必要になるため非常に効率が悪い。広範囲の雑草駆除には不向きだろう。
また何度もお湯を沸かして運ぶ、かけるなどすることから、その分やけどを負うリスクも高くなる。うっかり転んでしまえばそれこそ大惨事になりかねない。非常に危険な方法であることも承知しておこう。
そのほか、熱湯では雑草の根っこまで枯死させることが難しい。地中まで熱を伝えるにはそれなりの湯量が必要になるためだ。根が残れば再発する確率も高くなる。こうしたデメリットやリスクを考えると、数本程度の雑草駆除に用いる程度に留めたほうが賢明だろう。
3. 熱湯で雑草を駆除するときの注意点

熱湯を使った雑草対策には一定の効果が期待できることは確かだ。そのため実践してみたいという方もいるだろう。その際の注意点をお伝えしておく。
やけどにはくれぐれも注意すること
繰り返しとなり申し訳ないが、とにかくやけどにだけは気をつけてほしい。炊事用ゴム手袋を着用し、水分が染み込まないゴム製のエプロンや長靴を履くなど、とにかく熱湯対策を十分に講じたうえで作業しよう。
塩分が含まれる熱湯は使用しないこと
食塩などが含まれる熱湯、たとえばインスタント麺の茹で汁などを使うと、塩が土壌に残ってしまうおそれがある。植物が育たなくなるといったリスクがあるため、使わないほうがよい。
熱湯のかけすぎにも注意したほうがよい
熱湯は、雑草のみならず土壌にいる微生物を殺してしまうおそれがある。なかには土壌や植物にとって「いい仕事」をしてくれている微生物もいるため、やりすぎると土壌の質を変えてしまうかもしれない。
とくに植物や野菜を育てようと思っている土壌であれば、熱湯による雑草対策は避けたほうが無難だろう。
4. 重曹を使った雑草対策はどうか?

雑草駆除の方法として重曹が紹介されることもある。こちらは熱湯と比べてどうなのだろうか?
重曹は農業でも「殺菌剤」として使われている
重曹は別名を「炭酸水素ナトリウム」という。実は園芸用の殺菌剤としてその「炭酸水素ナトリウム水溶液」が使われている。したがって重曹は雑草駆除に一定の効果が期待できると考えてよいだろう。
ただしご家庭の雑草対策にはやや不向きである
重曹で雑草駆除をするには、雑草に重曹を吸収させる必要がある。したがってそのまま撒いてもほとんど効果は期待できない。また浸透力も低いことから、重曹水として吹きかけてもやはり効果はほとんどないと考えてよいだろう。
ではどうすればよいのか?雑草をカマで切るなど傷つけた上で、雑草に吸収させるように重曹水を吹きかけていくことになる。つまり非常に手間がかかるということだ。こうしたことからも、ご家庭の雑草駆除には不向きである。
5. 塩を使った雑草対策はどうか?

もうひとつ、雑草駆除の方法として塩が紹介されることもある。こちらはいかがだろうか?
リスクやデメリットが多いためおすすめしない
塩は分解されないため土壌に残り続けるおそれがある。先述のように植物が育たなくなるといったリスクがあるため、塩は控えたほうがよいだろう。大量に撒いた場合、雨で流されて周辺環境に悪影響を及ぼすといったことも想定される。こちらもおすすめはできない。
6. 一般家庭におすすめの雑草対策は結局どれか?

「熱湯」「重曹」「塩」といった雑草駆除の方法を解説してきたが、結局のところ一般的なご家庭の雑草駆除はどの方法がベストなのだろうか?
除草剤の散布や業者による駆除がおすすめ
やはり除草剤がおすすめだ。土壌の改善を目的としたものと、茎葉の処理を目的としたものがある。前者は土中に留まるため、そのあと植物を育てたいときは不向きだ。後者は地上に生えている雑草に効果があるが、根が残ることがあるため継続して草抜きなどは必要だ。
あるいは費用がかかるが、手っ取り早いのが業者にお願いする方法である。今生えている雑草を業者に駆除してもらい、その後、防草剤を撒いて防草シートを敷くなど有効な対策を教えてもらえば効率がよい。
駆除したあとに雑草を生えにくくする方法
キレイに駆除したあとはできる限り再発のリスクを減らしておきたい。たとえばこうした方法があるので検討してみよう。いずれも100%生えてこなくなるわけではないが、大幅に減らせる可能性がある。
なお防草シートや砂利、レンガ、バークチップ、それにコンクリートなどはいずれも庭の景観を一変させる場合がある。また不要になった際に処分するのが大変など、ある程度広さがある場所の雑草対策に用いる際はデメリットが多いことも覚えておこう。
7. 雑草対策には熱湯よりも有効な方法を

熱湯を使った雑草駆除はコストがほとんどかからず、薬剤を使わないといった安心感がある。だが再発のリスクがあり、やけどの危険性もあるうえ効率も悪い。メリット・デメリットを比較するとどうしてもデメリットのほうが勝ってしまうだろう。
より効果的な方法をとるなら、まずは今生えている雑草を業者に一掃してもらい、そのあとで有効な雑草対策を講じるといった流れがもっともスムーズではないだろうか。
結論
お伝えしてきたように、熱湯を使った雑草対策にはメリットもあればデメリットもある。注意点とあわせて、きちんと把握したうえでやるかどうかを判断してほしい。とくにやけどには十分気をつけよう。植物や野菜を育てようと思っているエリアには実施しないほうがよいだろう。
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