- 四方弁の故障:10,000〜170,000円程度
- 冷媒ガス漏れ:11,000〜167,000円程度
- 制御基板の故障:10,000〜50,000円程度
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1. エアコンの暖房がつかないときの確認事項と対処方法
エアコンの暖房がつかないのは、ちょっとしたことが原因かもしれない。まずは「故障」と決めつけず次の点を冷静になって確認してみよう。
霜取り運転中ではないか?
霜取り運転のため、暖房が一時的に停止しているのではないだろうか?外気温が低くなると、空気中の水分が凍って室外機に霜がつく。その霜を取るための機能なので、霜が取れたら通常通り作動する。10分ほどかかることもあるので、しばらく待ってから再度試してみよう。
電源プラグが抜けていないか?
電源プラグが抜けている、しっかり差し込まれていないといったうっかりミスの場合もある。まずは電源プラグを確認しよう。問題なければ、エアコンのブレーカーが落ちていないかも確認してみよう。
リモコンの電池切れではないか?
リモコンの電池が切れているとエアコンに信号が届かない。エアコンとリモコンの間に障害物があったり、受信部に強い光が当たったりした場合も信号が届きにくくなる。
冷房・除湿・送風になっていないか?
当然ながら冷房・除湿・送風だと暖房はきかない。リモコン表示が暖房でも、エアコン本体が切り替わっていないケースもあるので、いったん電源を切ってから再度試すなどしよう。
設定温度が低すぎるのではないか?
たとえば暖房を23℃に設定しており、室内がその温度に達していれば、それ以上暖かい風は出てこない。設定温度を上げてみて、暖かい空気が出てくるかどうかも確認してみよう。
フィルターが汚れているだけではないか?
フィルターが汚れていると空気が取り込まれにくくなり、風量が弱い・つかないと感じることがある。フィルターをお手入れして様子を見てみよう。
室外機の凍結・周辺に障害物はないか?
室外機周囲に雪が積もっている、排水ホースが凍っているなどして動かなくなっていないか、障害物でうまく給排気できていない状態ではないか、なども確認しよう。
2. 冷房はつくのに暖房がつかない?業者を呼んだほうがよいケース
冷房はつくのに暖房はつかない場合で、なおかつ上述した確認事項のいずれにも当てはまらなければ、以下のような原因が考えられる。速やかに業者を呼ぶのがおすすめだ。
四方弁の故障
冷房はつくのに暖房がつかない場合、四方弁の故障が考えられる。四方弁は圧縮機で送った冷媒ガスの流れを変える部品で、冷房と暖房を切り替える役割がある。四方弁が動かなくなると、冷房から暖房への切り替えができなくなるため、暖房だけがつかなくなってしまうというわけだ。
エアコンのブレーカーを落とし、10秒ほど待ってから再度入れると直ることもあるので、試してみるのもよいだろう。ただし直ったとしても一時的で、すぐに再発するリスクがある。四方弁の故障は業者に相談しよう。
冷媒ガス漏れ
エアコンの配管内に充填されている冷媒ガスには、冷房時は熱を排出し、暖房時は熱を取り込むという役割がある。冷媒ガスが漏れると熱を交換できなくなり、エアコン自体が機能を果たせなくなってしまう。とりわけ暖房はその症状が顕著である。設置業者やエアコン専門業者などを呼んで点検・修理を依頼しよう。
制御基板の故障
冷房はつくけど暖房がつかないという場合、ほかに考えられるのが制御基板の故障である。素人では確認しづらいため、ここまで説明してきた原因・症状のどれにも当てはまらないときは、制御基板の故障を疑って業者に点検・修理を依頼しよう。
3. エアコンを修理した場合の費用は?
エアコンの修理を業者に依頼した場合、その費用はいくらくらいかかるのだろうか。もちろんメーカーや機種、年式や修理箇所などによって大きく変わるが、修理すべきか買い替えるかを判断するためにも、ある程度の目安は知っておいたほうがよいだろう。
故障箇所と修理費用の目安
ざっくりで申し訳ないが、メーカーや機種などによって本当にピンキリなのである。またパーツ代や出張費なども含まれるが、現状次第では新たなパーツ交換などが必要になることも。上記の範囲をイメージしておき、「◯円以上になるなら買い替える」といった基準を決めておくのがおすすめだ。
エアコン修理費用はこちらでの解説!
修理よりも買い替えがお得なケースも
4. 暖房が使えない間の寒さ対策
暖房がつかないときに、寒さをしのぐための方法を知っておくことも大切だ。修理を待つ間などは、次のような対策を講じて寒さを乗り切ろう。
室内の断熱性を高める
遮熱カーテンを取り付ける、窓用の断熱シートを貼る、換気口を閉めるなど、できるだけ室内の温度が下がらなくなるように工夫しよう。思い切って床暖房にリフォームする手もある。
床暖房っていくら?
石油ストーブ・オイルヒーター・ホットカーペットなどを使う
ほかの暖房器具を活用するのももちろん効果的だ。灯油代や電気代などがかかってしまうが、近年の寒さは我慢して乗り越えるべきものではない。健康を損なわないためにも、暖房器具があればぜひ使おう。
気になる暖房器具の電気代は...?
少しでも暖かい風が出るならサーキュレーターで循環させる
幸いエアコンから少しでも暖かい(温い)風が出ているということであれば、ルーバーを下に向けてサーキュレーターで室内に暖気を循環させるとよい。
サーキュレーターの賢い使い方はこちら
湿度を上げる・暖かい蒸気を取り込む
ご家庭の広さや構造によっては無理だが、暖かい蒸気を居室内に取り込む方法もある。浴槽に熱々のお湯をはり、換気扇を止めて扉も開けっ放しにしておくなどしてみよう。
もちろん厚着をすることも効果的
ヒートテックのような肌着を身につける、重ね着をする、はんてんを羽織るなど体が冷えないように厚着をするのもおすすめだ。
5. 暖房がつかないエアコンは、保証期間内でなければ買い替えをおすすめする
エアコンの暖房だけがつかない原因はさまざまだが、数万円もかけて修理するくらいなら買い替えをおすすめする。もちろん、メーカー保証や延長保証の期間内で無償修理または数千円程度で修理可能というなら別だが、保証も切れておりかつ7年も8年も使用しているエアコンであればなおさら、買い替えたほうがよいだろう。
省エネ性が向上しているため電気代が抑えられる上、機能も充実している。内部クリーンなどの洗浄機能も性能が向上しているし、仮に修理したとしてもまた1〜2年で別の場所が故障すればさらなる修理代がかかる。その瞬間の出費は痛いが、冷静に考えれば選択肢は「買い替え」だ。
結論
「エアコンの冷房はつくのに暖房がつかない」という場合、四方弁の故障が疑われる。自分では直せないので速やかにメーカーや専門業者を呼ぼう。「冷房はつくかわからない(試していない)が、とにかく暖房がつかない」という場合は、それ以外のケースも参考にしていただきたい。あまりに修理費用が高くなるのであれば、省エネ性に優れた最新機種に思い切って買い替えるのもひとつの手だ。
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