目次
1. タカラダニとはどのような害虫なのか?

そもそもタカラダニとはどのような虫なのか?生態なども含めて基本的なところを解説する。
1〜2.7mm程度の赤褐色をした虫
タカラダニは日本各地で見られる1〜2.7mmほどの害虫である。名前からもわかるようにダニの一種だ。壁面やブロック塀などで動いている小さな赤い物体を発見したら、ほぼタカラダニと考えられる。
一般的なダニより大きいため肉眼でも確認できるほか、ほとんどが周囲の色となじまない赤褐色をしており、チョロチョロと動いているため発見しやすい。
生態と特徴
卵から孵化した幼虫は、アブラムシやクモなど節足動物に寄生して体液を吸う。満腹になると離れて地中へと降り立ち、脱皮をして若虫となる。成虫は花粉やコケ、ハダニやカイガラムシを食べる。日当たりがよく乾いた場所に発生するのが特徴だ。
発生時期と発生場所
活発になるのは4〜6月頃で、暑さに強いため7〜8月頃まではよく見られる。この時期にコンクリートの壁面や石壁、屋上やブロック塀、庭に敷いた石などに赤い害虫を見かけたらタカラダニと考えられる。なお花粉を好むため4〜8月はプランター周りに発生することもある。
2. タカラダニの人間への害は?

タカラダニに関して心配になるのが人間への害ではないだろうか?
日本では刺咬例などの害が報告されていない
日本では、タカラダニが人を刺したり噛んだりしたという被害は報告されていない。ストローのような口をエサに差し込んで吸い取る食べ方なので、刺されるリスクは完全に排除できないものの、まず心配ないというのが見解だ。
ただし、アメリカでは同種のダニによる刺咬被害が報告されているようなので、100%安全とは言い切れないと考えておこう。
体液がアレルギーを誘発することも
日本では害が報告されていないとはいえ、それは刺咬例などの話だ。タカラダニを潰すと赤い体液が出るのだが、それが肌に付着した場合、皮膚が荒れたり湿疹がでたりといったアレルギー反応が出るおそれがある。したがって注意はしておいたほうがよいだろう。
知らずに潰してしまったときは水でキレイに洗い流すことだ。また洗濯物や布団などに付着すると赤いシミになるので、駆除するときにも注意が必要である。
3. タカラダニの駆除方法

日本では刺咬例などの害が報告されていないタカラダニだが、大量発生したり家に侵入したりしたときはとにかく不快なので速やかに駆除したい。潰さずに駆除するための方法を3つ紹介しよう。
殺虫剤を吹きかける
タカラダニを素早く駆除するならスプレータイプの殺虫剤を使おう。吹きかけるだけで一定期間発生を予防できる殺虫剤もあるのでそちらを探してみるのもよい。
近すぎると周囲に飛び散るおそれがあるため、やや離れたところから吹きかけるのがポイントだ。死骸を潰すと赤い体液が出るため、潰さないようにホウキで取り除くか掃除機で吸い取って処分しよう。
水をかけて流す
屋外で発生したときはホースやバケツなどで水をかけて流す方法がある。大量発生しているときは、高圧洗浄機を使うと簡単に駆除できるし、エサとなる花粉なども洗い流せる。
室内なら掃除機で吸い込む方法も
室内で見かけたときは掃除機で吸い取ってしまうのもよい。吸い取ったあとのごみは、速やかにポリ袋などに入れて密閉して処分しよう。布類についたタカラダニを駆除したいときも掃除機がおすすめだ。
4. タカラダニの予防と対策

タカラダニの発生を予防する方法と対策もお伝えしておこう。
花粉や苔(コケ)は取り除いておく
予防や対策の基本となるのが、タカラダニのエサとなる花粉や苔は取り除いておくことだ。高圧洗浄機やホースとブラシなどで落としておこう。タカラダニが発生する前の3月に除去し、その後の4〜6月は定期的に掃除をしておくとよい。
苔は高圧洗浄機なら簡単に除去できるが、なければ専用洗剤やお湯が使える。お湯を使う際は火傷に注意しつつ苔にかけ、スポンジやブラシで洗い落とそう。
防水材を塗布しておく
タカラダニはツルツルした壁面には付着しにくい。この欠点を踏まえて、壁などに防水材を塗布しておくことで予防できる可能性がある。エサとなる苔もつきにくくなるので、場合によっては数年など長期間効果が続くケースもある。
壁の汚れや苔を除去したあと、穴やへこんだ部分を補修材で埋める。あとはローラーで防水材を塗れば完了だ。手軽に使える「1液型のウレタン防水剤」がよいだろう。
タカラダニの卵を孵化させないようにするには?
卵の孵化を防止するには、効果が持続するタイプの殺虫剤がおすすめだ。たっぷりの水で孵化する前の卵を流す方法も効果がある。コンクリートの隙間に卵を産むことが多いため、とくに念入りに対策しよう。このとき、コケもしっかりと取り除いておくことが大事だ。
結論
日本ではタカラダニによる刺咬例などが報告されていない。だが体液はアレルギー症状を招くおそれがあるため、見かけても潰さないように気をつけよう。駆除には殺虫剤や水で流すといった方法が有効である。予防や対策とあわせて、ぜひ参考にしていただければ幸いだ。
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