1. 部屋干しの臭いの原因は雑菌

部屋干しした洗濯物に嫌な臭いがついてしまったという経験をしたことがある人も多いだろう。部屋干しした洗濯物がくさくなる一番の原因は雑菌である。天日干しと違って、部屋干しは雑菌が繁殖する条件が整いやすいのだ。雑菌が繁殖しやすい環境と雑菌の繁殖を防ぐ方法について見ていこう。
雑菌が繁殖しやすい環境
洗濯物が湿った状態が長続きすると雑菌が繁殖しやすい。とくに「室温が15℃以上」「湿度が50%以上」「人の皮脂や汗などの汚れが落ちていない」といった条件がそろうと雑菌が活性化する。増殖した雑菌から発生した臭いが生乾き臭となり、洗濯物に残りやすくなるというわけだ。また、洗濯しても落とし切れなかった汗や皮脂の汚れも雑菌が繁殖する原因となる。
洗濯物は溜めずにその日のうちに洗うことが大切
洗濯物をまとめて洗う人も多いだろう。しかし、洗濯物を溜め込んでしまうと汚れが落ちにくくなり、雑菌が繁殖しやすくなってしまう。そればかりか、汚れていないほかの衣服にも雑菌が付着してしまうこともあるので注意が必要だ。とくに、肌に直に触れる肌着などは汗や皮脂が染み込んでいるため、その日のうちに洗ってしまおう。
2. 部屋干しの臭いの取り方

衣服についた部屋干しの臭いは、乾燥させても取ることができない。部屋干し臭が残る服を着ると自分自身も気になるし、周りの人を不快な気持ちにさせる恐れもある。では、嫌な部屋干しの臭い取るにはどうすればよいのだろうか。具体的な対策法をご紹介しよう。
酸素系漂白剤を使う
酸素系漂白剤を使うと多くの雑菌が死滅するため、雑菌による嫌な臭いを除去することができる。最近販売されている部屋干し用洗剤にも、部屋干し臭を防ぐ目的で含まれていることが多い。
部屋干しの臭いを取る時は、40~50℃程度のお湯に溶かした酸素系漂白剤に、約30分つけ置きしてから洗うとよい。この際に気をつけたいのが色移りだ。色柄物は避けるか、色柄物でも安心して使用できる酸素系漂白剤を選ぶようにしよう。
部屋干しの臭いを取る時は、40~50℃程度のお湯に溶かした酸素系漂白剤に、約30分つけ置きしてから洗うとよい。この際に気をつけたいのが色移りだ。色柄物は避けるか、色柄物でも安心して使用できる酸素系漂白剤を選ぶようにしよう。
熱湯消毒で雑菌を除去
熱湯による煮沸消毒は、雑菌の除去方法として広く知られる方法だ。洗った後に臭いがする洗濯物を熱湯につけ置きすれば、多くの雑菌は死滅する。お湯の中に5分程度放置したら、あとは脱水にかけるだけ。火傷をしないように注意しよう。
消臭スプレーは効果あり?
部屋干しの臭いが取れると謳っている消臭スプレーがあるが、本当に臭いは取れるのだろうか。結論からいうと、部屋干しの臭いを一時的に除去することが可能である。しかし、臭いの元となる雑菌を除去することはできないため、すぐに部屋干し独特の臭いが戻ってくる。消臭スプレーでは、部屋干し臭を完全に取ることはできないというわけだ。
3. 冬は部屋干しのベストシーズン

冬は気温も低く洗濯物が乾きにくいため、部屋干しする人も多いだろう。冬は乾燥しやすいので、湿気が多い夏よりも部屋干しに向いている季節といえる。では、冬に部屋干しをするメリットについて確認していこう。
室内のほうが外よりも暖かい
冬は暖房が常時運転させている家庭も多く、温度が高いほうが洗濯物も早く乾く。外で干すよりも暖房のきいた部屋で部屋干しする方が断然乾くのは早い。
室内の湿度が上がる
冬は室内でも湿度が上がりにくいが、部屋干しした洗濯物は加湿器代わりにもなる。洗濯物が乾くだけでなく、肌の乾燥や風邪の予防もできて一石二鳥だ。
花粉やウイルスの付着を防げる
部屋干しすると、外に蔓延する花粉やウイルスが洗濯物に付着するのを防ぐことができる。とくに冬はインフルエンザなどの感染症が流行しやすいので、部屋干しをするだけでリスクを低くすることができるのはありがたい。冬の部屋干しのメリットの1つといえるだろう。
4. 部屋干しの臭いを防止するためにしておきたいこと

部屋干しの臭いを取る方法について先に説明したが、臭いがつかないのであればそれに越したことはないだろう。実はコツさえつかめば、部屋干しの臭いを防ぐことができる。洗う時と干す時のポイントを押さえ、嫌な臭いをしっかり予防しよう。
洗濯時に気をつけること
部屋干し臭を防ぐために、洗濯時に注意したいポイントは次の通り。
- 洗濯槽から嫌な臭いがしないか確認する(定期的に洗濯槽クリーナーで掃除しよう)
- 洗濯洗剤は除菌・抗菌効果があるものか確認する
- 除菌・抗菌効果のある柔軟剤を使う
- 洗濯物の量は多くないか確認する(量が多いと汚れが落ちにくい)
- お風呂の残り湯はすすぎには利用せず、洗いの際にのみ利用する
このようなポイントに気をつけることで、部屋干しの臭いを防ぐことが可能だ。ちょっとした気遣いで洗濯物の仕上がりが変わり、衣服を気持ちよく着ることができるので、ぜひ参考にしてほしい。
干す時に気をつけたいこと
干す際に最も気をつけたいポイントは、干す場所である。風通しのよい場所に干し、できるだけ早く乾かすことが重要だ。最近では、浴室に「浴室乾燥」という機能がついていることも多いので、利用できる人はこの機能を活用するのもよいだろう。また、冬には暖房、夏には扇風機を使うと、乾燥時間を短縮することができる。
結論
一度ついてしまうと完全に落とすのに苦労する部屋干しの臭い。とくに、数日分をまとめて洗濯する家庭では、すべての洗濯物に部屋干しの臭いが発生することとなる。部屋干しの臭いを除去するのは大変なので、できれば洗濯前に予防できるようにしておきたい。いつも快適な衣服で過ごすためにも、部屋干しの際には注意が必要だということを覚えておこう。