1. おおまかなパスタの種類

そもそもパスタとは小麦粉をこねて作る、イタリアの麺類の総称だ。この種類というのが大変多く、何と500種類以上もある。まずはおおよその種類を知っておこう。
形状による違い
見た目の分類なら非常に分かりやすい。蕎麦やうどんを食べる日本人にとって親しみやすい長い麺状の物がロングパスタだ。太さ1.6~1.9㎜前後がスパゲッティ、やや細い1.2~1.6㎜になるとスパゲッティーニ、1.0~1.2㎜がヴェルミッチェリ、極細の1㎜がカペリーニと、何と太さでも名称が変化する。その他、太く平べったいきしめんのようなタリアテッレやフェットチーネ、板状のラザーニェ(ラザニア)もロングパスタである。反対に短いものはショートパスタと呼ばれ、有名なマッケローニ(マカロニ)がこれに値する。ペンネやリボン状のファルファッレ、貝状のコンキリエ等もショートパスタだ。
生か乾麺か
日本でも最近生パスタが流行のようだが、生パスタと乾燥パスタの一番の差は加熱の有る無しである。生パスタは出来るだけ熱を加えず小麦本来の風味ともっちりした食感が特徴で、コシも強いのだが日持ちがしない。出来立てを食べるのが基本だ。乾燥パスタは加熱して水分を飛ばすため、もっちりした食感こそないが歯切れがいい。また、何より長期保存できるという利点がある。
2. ソースで変わる組み合わせ

パスタは基本的にソースと組み合わせて調理されるが、スープの具にしたり前菜になったりとイタリアではとにかく利用範囲が広い。
相性の良い組み合わせ
オイルソースの場合、ロングパスタとシンプルに和えることが多いようだ。また、同じミートソースでもスパゲッティに乗せると「ミートソース」、タリアテッレのような平麺に混ぜると「ボロネーゼ」と名称が変化する。定番のトマトソースならロングもショートもよく合い、詰め物をしたパスタも使われる。また、冷製パスタには極細のカペリーニ、サラダ風パスタにはファルファッレ等、王道の組み合わせが決まっているのも特徴である。
調理法でも分類できる
イタリア人のパスタ愛はとどまるところを知らない。形状、加工法だけでなく、調理法でも名称が違う。ラザニアやマカロニグラタンのようなオーブン料理は「パスタ・アル・フォルノ」、スープの具として使われている場合は「パスタ・イン・ブロード」、我々に一番なじみ深いソースと和えた物を「パスタ・アシュッタ」と呼び分ける。
3. 地方によって特徴が違う
イタリアは食に関して非常に保守的で、「このパスタはこう食べるべき」といった伝統が守られていることが多い。このため、30分ほどの隣町に行くだけで違った味のパスタが食べられると言われている。
歴史によって作られた味の差
イタリアの国家地形は細長い。気候が違うため特産物も違い、名物料理に幅が出た。日本で和食というくくりでも、北海道と沖縄が大きく違うのと似ている。また、歴史的にも130年程前までは各地方が都市国家として独立していた為、伝統的食文化が守られたという背景がある。
南北でのパスタの違い
北イタリアは寒冷な酪農地帯だ。このため、煮込み料理や肉、野生動物のジビエを多用し、バターや生クリームを使う。まるで日本の北海道や東北のような食文化である。一方、南イタリアの方が我々の想像するパスタに近く、三方を海に囲まれているため魚介類をメインに使い、バターではなくオリーブオイルを使う。トマトも多様し、北部に比べてさっぱりした味が特徴だ。
結論
同じイタリアでも地方差があり、パスタに関しては厳格なまでの保守的な姿勢を貫いている。自宅でパスタを作る時はぜひ最適なパスタの種類とソースを調べてみよう。まるで日本人が米にこだわり無数の品種改良をしてきたように、パスタの種類や組み合わせも無限大なのだ。
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