1. 揚げ物で一番大切なのは油の温度調節

料理の中でもとくに、難易度が高いと思われがちなのが揚げ物だ。レシピ通りに作っているはずなのに衣がベタッと張り付き、食感よくカラッと揚がらないといった経験をした方も多いのではないだろうか?油の温度は低すぎても高すぎてもいけない。食材に合った温度で揚げることが成功の秘訣だ。
油の温度が大切な理由
揚げ物とは、衣に含まれる水分を短時間で加熱して蒸発させ、カリッとした食感に変える調理法である。その衣には多くの水分が含まれているわけだが、水の沸点は100℃であり、沸点を超えると水蒸気となって蒸発する。油は容易に100℃以上の高温となるため、これを利用して衣や食材の水分を飛ばしながら加熱するのだ。
一例だがコロッケは170~180℃で2~3分、唐揚げは同じ温度幅で5~6分、野菜の天ぷらは150~160℃(時間は食材による)、とんかつは170℃で5〜6分など、食材により適した温度や時間が異なる。温度管理を誤ると水分が残ってベタッとするなどして、失敗してしまう。揚げ物を美味しく仕上げるためには、油の温度管理(もちろん時間も)が大切なのである。
一例だがコロッケは170~180℃で2~3分、唐揚げは同じ温度幅で5~6分、野菜の天ぷらは150~160℃(時間は食材による)、とんかつは170℃で5〜6分など、食材により適した温度や時間が異なる。温度管理を誤ると水分が残ってベタッとするなどして、失敗してしまう。揚げ物を美味しく仕上げるためには、油の温度管理(もちろん時間も)が大切なのである。
2. 油の温度を簡単に知る方法

食材によりやや異なるが、一般的に揚げ物に適した油の温度は「150~190℃」とされている。揚げ物を成功させるには、食材に合った油の温度を知ることが大切だ。ここでは「高温」「中温」「低温」に分けて、油の温度を簡単に見極める方法を紹介しよう。
低温(150~160℃)
- 菜箸を油の中に入れると、箸の先から細かい泡が静かに上がってくる
- 衣を入れるといったん鍋の底まで沈み、その後ゆっくり浮かんでくる
油の温度が低いときは、こうした状態になる。時間にすると、中火にかけて2〜3分ほどが目安だ。根菜類や冷凍食品など、素材の中まで火をじっくり通したいときは低温で揚げよう。
中温(160~180℃)
- 菜箸を油の中に入れると、低温のときよりもやや大きめの泡が上がってくる
- 衣を入れるとある程度までは沈むものの、鍋底までは至らずに浮かんでくる
油の温度が中温のときは、こうした状態になる。油がユラユラと動きはじめてから1〜2分ほどが目安だ。中温は唐揚げやトンカツ、魚のフライなど衣を焦がさずに中までしっかり火を通すのに適した温度なので覚えておこう。
高温(180~190℃)
- 菜箸を油の中に入れると、たくさんの泡が勢いよくブクブクと出てくる
- 衣を入れると、途中まで沈むもののすぐに浮かび上がり色づく
油の温度が高温のときはこのような状態になる。油がユラユラ揺れ始めて2〜3分ほどが目安だ。高温は、揚げ物をカラッと仕上げるための二度揚げや、キレイなきつね色に仕上げたいときなどに適している。
3. 油の温度管理には「温度計」がおすすめ

油の温度を知る方法については先述した通りだが、温度計を使うとより確実にコントロールできる。ひとつ備えておいても損はないはずだ。
200℃くらいまで測れるもを選ぶ
温度計にはアナログタイプやデジタルタイプがある。自分が見やすいものを選ぼう。重視したいのは計測可能な温度だ。たとえば50℃までしか測れないものや、300℃まで測れるものといったように開きがある。ご家庭で揚げ物をする際に使うなら、200℃くらいまで測れる温度計を用意しよう。
揚げ物専用の温度計もおすすめ
鍋の縁に固定すると先端が油の中に浸かるため、常に温度を把握できる。これなら油の温度管理がしやすく、失敗することも少なくなるだろう。
食材に触りすぎないことも上手に仕上げるコツ
なんとなく気になって、菜箸で動かしてしまうことはないだろうか?だがあまり動かしすぎると衣が剥がれやすくなるため、少なくとも1分程度はじっと辛抱しよう。油の温度と同じように、食材に触りすぎないことも、揚げ物を上手に仕上げるコツなので最後にお伝えしておく。
結論
衣がベタッと張り付いたり中身が半生だったりする場合、原因のほとんどは油の温度と思ってよい。温度計があればベストだが、紹介したように菜箸や衣を使って簡単に見分けることもできる。食材に合った油の温度を覚えて、ぜひ美味しい揚げ物を作ってほしい。