1. 唐揚げ基礎知識

唐揚げは、江戸時代初期に中国から伝来したと言われている。ただ、当時は豆腐を揚げたもののことを指していたようだ。その唐揚げが現在の鶏の唐揚げに変化したのは、昭和に入ってから。まずは、外食メニューとして人気を博すことになる。
家庭料理への転換
戦後の日本は、苦しい食糧難。そんななか、国の政策の一つに養鶏場の増設があった。それまでの地鶏ではなく、いわゆるブロイラー種が持ち込まれ、盛んに養鶏された結果、鶏肉の値段がだんだんと下がり、家庭料理に取り入れやすくなったのだ。ここから唐揚げ文化は家庭にも浸透していく。
ご当地唐揚げ
戦後、養鶏場が多くあった場所にご当地唐揚げが多く存在する。大分県の北部、中津市は特に有名。市内には60店舗以上の唐揚げ専門店がひしめいている。また、北海道では唐揚げのことをザンギと呼ぶなど、地域ごとに異なる発展をした。
2. 部位別の唐揚げ下味講座

モモ肉はたまり醤油
唐揚げの王道といえば、やっぱり鶏のモモ肉。モモ肉は脂質が多く、肉質も柔らか。そんなモモ肉の下味におすすめしたいのが、たまり醤油。このたまり醤油のコクこそ、奥深い味わいへと導く要。あとは酒。生姜やにんにくを加えたい場合は、焦げやすいので、絞り汁かすりおろしが正解。最後に、ごま油でコーティングをしておくとさらにいい。衣はカリッと仕上がる片栗粉がマスト。
胸肉はマヨネーズ
淡白な胸肉は、リーズナブルな部位なので家庭の味方。ただ脂が少なく、パサパサしがちなので、苦手と言う人もいるかもしれない。そんな胸肉も工夫をすれば、ぐんと美味しい唐揚げに変身させることができる。決め手になるのはマヨネーズ。マヨネーズには、酸が含まれており、この酸が肉質を柔らかくしてくれるそう。隠し味程度の醤油と酒を加えて、よくもみこもう。衣はもっちり仕上がる小麦粉を片栗粉に配合するのがおすすめ。
ささみは炭酸水
高タンパク、低カロリーでダイエットをする人からも人気の高いささみ。こちらも胸肉同様、パサパサしてしまうケースが。唐揚げとは一味異なるが、ささみはフリッターにするのがおすすめ。筋をとりのぞき、一口大に切ったささみに、塩コショウをたっぷり振っておく。こちらは衣がポイントで、小麦粉2:片栗粉3の割合で混ぜた粉に炭酸水、またはビールを大胆に加えて混ぜる。大さじ2:大さじ3の割合であれば、50mlほど。よく混ぜた衣にささみをくぐらせて、揚げれば、外はサクサク、中はふわふわのささみフリッターの完成。
3. もっと美味しく仕上げるには

油と温度
唐揚げは、油がたっぷりないと揚げられないと思っている人もいるかもしれないが、実はそんなことはない。フライパンの底から、2〜3cmあれば、十分。温度は、170℃くらいが基本。生焼けが心配な場合は、油が冷たいうちから肉を入れてしまうのも一つの手。
カリッとには二度揚げ
よりカリカリに仕上げたい場合は、二度揚げがおすすめ。二度揚げは、一度揚がった唐揚げをもう一度、高温の油に入れて、表面の水分をさらに抜く方法。油がかなり熱くなるので、注意しながら行おう。
結論
唐揚げは、部位ごとに下味にこだわることで、さらに美味しく食べることができる。老若男女、みんなが大好きな唐揚げ。ぜひ、試行錯誤して、自分の味を見つけて欲しい。