1. キウイの保存方法は成熟度で変わる!
キウイは、木に実を付けたままでは完熟しない果物の1つだ。そのため、収穫した時点では、果実は硬く酸味も強いので、そのまま食べることはできない。追熟によって、甘くなるようにする必要がある。そのため、キウイには追熟を促す働きがあるエチレン剤が散布される。エチレンとは、りんごやバナナ、アボカドなどの植物が発する成長ホルモンのこと。エチレンは酵素の働きを促して、デンプンをブドウ糖にまで分解して甘みを高める働きがある。ただし、店頭に並ぶまでに熟れ過ぎると商品にならないので、産地ではやや硬さの残る未熟な状態で、早めに出荷されることが多い。
キウイの熟成度の確認方法
キウイは熟成しても見た目が変わらないため、一見分かりにくい。キウイの熟成度を知りたいなら、触って確認するのが確実だ。触る場所はキウイの軸の部分、つまりキウイの両端だ。両端部分を挟んで持つと、芯の部分の硬さを確認できる。両端を押したときに軽く指が沈んだら熟している証拠だ。もし、酸味が残っているキウイのほうが好みであれば、熟す一歩手前で食べるようにしよう。
キウイの追熟はどうすれば進む?
追熟は気温が15℃を超えると進み始める。15~20℃くらいの温度であれば、未熟なキウイは常温で1週間くらいすると食べごろになる。やや熟れたキウイならば、少し早めに3~4日で食べるとよい。反対に、寒くなって15℃より低くなると、追熟は進みにくくなる。甘みがなかなか強くならないというデメリットもあるが、賞味期限が長くなるというメリットもある。未熟なキウイは常温で約1ヶ月、やや熟れたキウイでも1週間はもつ。ただし、この目安も購入時の熟し加減によって違ってくる。
キウイの追熟を早める方法
早く食べたいのに、硬めのキウイしか売っていなかったというときは、りんごやバナナをキウイと一緒に保存しよう。りんごやバナナはエチレンという成分を発するのだが、エチレンはキウイの追熟を早める効果がある。キウイだけで置いておくよりエチレンを発するりんごやバナナと置くほうが早く完熟させることができる。
2. キウイの常温保存方法
果物は冷蔵庫で保存しなくてはならないと思いがちだが、キウイの場合は必ずしも冷蔵保存する必要はない。むしろ、熟していないキウイを追熟させるためには常温保存を選んだほうがよい。ただし、常温保存をするときのポイントをおさえておかないと追熟がうまくできなかったり、傷んだりする可能性がある。ここでは常温保存をする際のポイントを紹介する。
キウイはそのまま放置してはいけない!
購入してきたキウイは1個ずつ新聞紙またはキッチンペーパーで包む。スーパーで購入するとキウイがまとめてビニール袋に入っていることもあるが、一度取り出し、新聞紙などで1個ずつ包んでからビニール袋にまとめるようにしよう。少しの手間でキウイがより日持ちしやすくなる。
日光が当たらないところを選ぶ
常温保存で勘違いされがちなのが、保存場所だ。常温だったらどこでもよいというわけではない。キウイの場合は直射日光が当たらないところ、かつ風通しのよいところを選ぼう。
3. 追熟を早めるキウイの保存方法
常温保存でもキウイを追熟させることはできるが、時間がかかる、冬など寒い時期は追熟しにくいというデメリットがある。そんなときはりんごやバナナから出るエチレンを活用しよう。
一緒に袋に入れるのがポイント!
キウイのそばにりんごやバナナを置いておくだけでは追熟は進まない。なぜなら空気中にエチレンが広がってしまうからだ。エチレンが空気中に拡散しないよう、キウイとりんご、バナナは同じ袋に入れよう。袋は一般的なビニール袋でよい。ただし、ビニール袋の口をしっかりと結んでしまうとキウイが呼吸できなくなってしまうため、軽く結ぶまたは穴をあけるなど工夫が必要だ。
保管場所は常温保存と一緒
りんごやバナナを一緒に袋に入れて追熟させる場合も常温保存でよい。そのときは、直射日光が当たらず、風通しのよいところを選ぼう。ちなみに、風通しのよい場所と聞くとクーラーの近くでもよいのではないかと思いがちだが、クーラーの風が直接当たるとよくないのでクーラーの近くは避けるようにしよう。
4. キウイの冷蔵保存方法
キウイは温帯から亜熱帯にかけての地域で育つ。とはいえ、25℃を超える夏場になると、暑くて傷みやすくなるので、冷蔵庫で保存しよう。また、季節を問わず、完熟したものは傷む前に冷蔵庫に移しておくとよい。
冷蔵庫での保存方法
冷蔵庫で保存するからといって特別なことをする必要はない。基本は常温保存のときと同じやり方でよい。新聞紙やキッチンペーパーでキウイを1個ずつ包んでから冷蔵庫に入れる。冷蔵庫内は乾燥しているが、新聞紙などで包むことで乾燥からキウイを守ることもできる。ちなみに、大きな冷蔵庫だと野菜室やチルド室などいろいろあるが、野菜室にしまうのがおすすめだ。
冷蔵保存の注意点
キウイの追熟を促してくれるエチレンだが、実はキウイ自身からもエチレンは放出されている。そのため、ほかの野菜や果物が影響を受けることもある。そのため、キウイを冷蔵庫に入れる場合はしっかりと袋の口を結ぶようにしよう。また、常温保存のときはキウイの呼吸のために袋に穴をあけるが、冷蔵保存の場合はエチレンの放出を防ぐため穴をあけないほうがよい。併せて、キウイの低温障害にも注意したい。
保存期間
25℃を超える夏場になると、暑くて傷みやすくなるので、冷蔵庫で保存しよう。未熟なものであれば1~2ヶ月、やや熟れたものでも1週間ほどもつ。また、季節を問わず、完熟したものは傷む前に冷蔵庫に移しておくとよい。この場合も1週間ほどもつが、かなり柔らかくなっていたら、なるべく早めに食べきろう。
5. カットしたキウイの保存方法
キウイをカット後に残してしまった場合は、空気に触れる部分が酸化し傷みやすくなるので、切り口をラップでぴっちりと包み、さらに保存容器かファスナー付き保存袋で保管を。熟したキウイを残すと、発酵が進みアルコール臭も出てしまうので、翌日には食べきることをお忘れなく。
6. キウイの冷凍保存方法
キウイを冷凍すると、解凍後はみずみずしい食感が損なわれてしまう。だが、そのまま、または半解凍の状態で、シャーベット感覚で食べることができる。普段食べるのと同じく、皮をむかずに半分にカットすれば、スプーンですくって食べることができる。くし形や輪切りにカットしてフォークで刺して食べるのもいい。
冷凍保存方法
キウイはまるごと冷凍することができる。購入してきたキウイを水洗いし、しっかりと水気を取る。1個ずつラップをしたら密閉できる袋に入れる。袋をしめる際は空気が入らないようにするのがポイントだ。そのまま冷凍庫に入れれば冷凍保存は完了だ。
カットして冷凍する方法も
細かく角切りにカットして冷凍するという手もある。アイスクリームやヨーグルトのトッピングに使いやすく、サイダーやジンジャーエールに入れるのもおすすめだ。いずれの形でも、まずラップを敷いた金属製のトレイに並べ、上からラップで覆い急速冷凍させ、完全に凍ったらファスナー付き保存袋へ入れて保存しよう。冷凍庫で約1ヶ月保存できるので、キウイを多めに入手して、ほぼ同時に完熟したというときは、まとめて冷凍しておくとよいだろう。また、カットしたキウイは冷蔵保存だとあまり日持ちしないため、すぐに食べきれない場合は早めに冷凍保存に切り替えるのがおすすめだ。
保存期間
冷凍の場合、キウイは約1ヶ月保存することができる。まるごと保存してもカットして保存しても保存期間は同じく1ヶ月なので、解凍したキウイをどうやって食べるかによって冷凍の仕方を変えるとよいだろう。
解凍方法と使い方
冷凍したキウイは解凍すると、元のような食感がなくなってしまう。だが、冷凍しておくと、皮をむく手間が省け、いつでもすぐにジュースやスムージー、シェイク、ジェラートなどに使えて重宝する。また、冷凍したキウイをざく切りにして、水、砂糖、レモン汁、ミントの葉と一緒に煮ると、さわやかな風味のソースができあがる。アイスクリームやヨーグルトはもちろん、レアチーズケーキやムース、ババロア、杏仁豆腐などにもぴったりだ。
7. ドライフルーツにして保存する方法も
保存というと、常温と冷蔵、冷凍の3つが定番だが、果物ならばドライフルーツにするのもおすすめだ。最近よく目にするキウイのドライフルーツだが、手作りならではの味わいを楽しむことができる。ここでは、キウイをドライフルーツにする方法を紹介する。
ドライにする方法
作るのが難しいと思いがちなドライフルーツもオーブンを使えば簡単に作れる。まず、キウイは皮をむき、5mmほどの厚さにスライスする。クッキングシートを敷いた天板に並べ、グラニュー糖をふりかける。そのまま100℃に予熱しておいたオーブンで約1時間焼けば完成だ。よりしっかりと乾燥させたいならひっくり返して、さらに30分加熱しよう。
保存期間
しっかりと水気を切ることができていれば、半年~1年ほど保存することができる。ただし、ドライにする工程が不十分だとカビが生えてしまうこともあるので、手作りドライフルーツは早めに食べきるのがおすすめだ。
結論
キウイはビタミンCや食物繊維が豊富で、朝食のフルーツとしても人気が高い。世界で最も多く栽培されている緑色のヘイワード種のほか、黄色や赤みがかった緑色の品種などもあり、甘みと酸味のバランスも異なってくる。好みの味を見つけ、追熟法や保存法を目安にして、継続的に食べていきたい。