1. アワビの種類

世界に80種ほどの仲間があるとされるアワビは、ミミガイ科の巻き貝。そのうち日本で馴染みのあるものは、クロアワビ、エゾアワビ、マダカアワビ、メガイアワビなど。古来、食感や風味を楽しむ食材として珍重され、伊勢神宮の神饌でもある。天然ものは年々希少になり、価格もうなぎ登りに高騰。ますます庶民には手が届かない存在になってきている。
■クロアワビ(黒鮑)
生で食して最も美味といわれるアワビの代表格。殻も身も青みかかっていて、身はしまってコリコリしている。長さ約20cm程になる殻はやや細く、足裏は緑がかった黒色。活発で這って動くのが速い。天然ものは近年さらに獲れなくなり希少になってきている。
■エゾアワビ(蝦夷鮑)
クロアワビの寒冷地方型。殻の凹凸が強く5~6年もので殻長約8~11cmに。味はクロアワビに匹敵し、養殖も各地で進んでいる。
■マダカアワビ(眼高鮑)
最も大きくなるアワビで、殻長25cm、1kgを超える。肉は比較的柔らかく、蒸し煮にすると驚くほど美味だが、今や入手困難な幻の貝に。
■メガイアワビ(め貝鮑)
昔はクロアワビが雄で、メガイアワビが雌だと考えられていたことからこの名に。殻はなだらかで殻長20cm程。身はやや黄色味かかっていて、蒸しアワビ、煮アワビ、酒蒸しにすると柔らかくて美味しい。
■トコブシ(常節)
アワビと形がよく似た殻長7~8cm止まりの小型の貝。殻のまま煮物や酒蒸しにされる。北海道に多く分布するが、現在は代用として台湾産のフクトコブシが多く出回る。
2. アワビの特産地&旬

アワビは産地や種類によって、旬の時期が異なってくる。クロアワビやメガイアワビ、メダカアワビは産卵期の晩秋には禁漁となるので、6月からの夏が旬とされる。また、エゾアワビの産卵期は夏から秋にかけて。11月~1月に漁が行われて、冬が旬とされている。
主な産地は、岩手、宮城、北海道、千葉、長崎など。内陸での養殖技術もすすんでいる。養殖もののアワビは一般的に緑色の殻になり、殻の表面もつるりとしている。また、天然・養殖ともに輸入ものも増え、オーストラリア、韓国、中国、チリ、アフリカ産なども多い。
主な産地は、岩手、宮城、北海道、千葉、長崎など。内陸での養殖技術もすすんでいる。養殖もののアワビは一般的に緑色の殻になり、殻の表面もつるりとしている。また、天然・養殖ともに輸入ものも増え、オーストラリア、韓国、中国、チリ、アフリカ産なども多い。
3. アワビの選び方&食べ方

天然ものは高級品なので、入手できる機会はあまりないかもしれないが、もし選ぶ機会があるなら、殻の厚さで肉厚かどうか判断して選びたい。また、口が開いたものは死んでいる可能性が高いので、しっかり閉じたものがいいだろう。
自宅で食すときは、塩による下処理が必要になってくる。まずはたっぷりの塩をアワビの身に振る。タワシなどでぬめりや汚れを取り、下ろし金の柄やヘラなどで貝柱を殻から離す。さらに肝を取り外し、塩を洗い流し、水気をふき取る。
この下処理後は、刺し身でも、バターソテーや網焼きなど好みの調理法で美味しくいただこう。肝は茹でて添えても、醤油などに溶いても美味しい。また、旬の夏ならではの調理法「水貝」にする場合は、下処理の段階で、塩でしっかり身を揉み、中まで固くするのが美味しくなるコツ。固くしまったアワビを小さく切り、氷水に浮かせておき、二杯酢に浸して食せば、得もいわれぬ至福の境地に。コリコリと噛めば噛むほどにわき出る奥深い滋味はアワビならではだ。
自宅で食すときは、塩による下処理が必要になってくる。まずはたっぷりの塩をアワビの身に振る。タワシなどでぬめりや汚れを取り、下ろし金の柄やヘラなどで貝柱を殻から離す。さらに肝を取り外し、塩を洗い流し、水気をふき取る。
この下処理後は、刺し身でも、バターソテーや網焼きなど好みの調理法で美味しくいただこう。肝は茹でて添えても、醤油などに溶いても美味しい。また、旬の夏ならではの調理法「水貝」にする場合は、下処理の段階で、塩でしっかり身を揉み、中まで固くするのが美味しくなるコツ。固くしまったアワビを小さく切り、氷水に浮かせておき、二杯酢に浸して食せば、得もいわれぬ至福の境地に。コリコリと噛めば噛むほどにわき出る奥深い滋味はアワビならではだ。
結論
なかなか食す機会がない高級貝のアワビだが、国内はもとより世界で養殖がすすんでいるという。今後、身近な存在になるのか気になるところだが、海からあがったばかりの天然ものを、活きのいい状態で存分に食してみたい。そんな願望はやっぱり捨てがたい。