- エネルギー:60kcal
- 水分:83.8g
- たんぱく質:13.4g
- コレステロール:360mg
- 脂質:0.8g
- ナトリウム:110mg
- カリウム:390mg
- カルシウム:6mg
- マグネシウム:23mg
- リン:430mg
- 鉄:0.2mg
- 亜鉛:0.7mg
- 銅:0.03mg
- マンガン:0.01mg
- ビタミンD:2.0μg
- ビタミンE(α−トコフェロール):1.8mg
- ビタミンB1:0.24mg
- ビタミンB2:0.13mg
- ナイアシン:1.5mg
- ビタミンB6:0.01mg
- ビタミンB12:3.1μg
- 葉酸:11μg
- パントテン酸:0.68mg
- ビタミンC:2mg
- 食塩相当量:0.3g
- ボウルに水をはり、生白子を優しく洗う
- 生白子を取り出し、ひと口大に切り分ける
- ボウルに塩水をはり、生白子のぬめりを落とす
- 流水で生白子を洗い、水気を切る
- お湯をたっぷり沸かした鍋に白子を少量入れる
- 30〜40秒程度茹でたら、氷水に取って締めれば完成
- ※1:安全なフグを提供しましょう|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000094363.html - ※2:食中毒の発生|東京都
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/12/01/01.html
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1. 白子とは
白子(しらこ)とは主に魚の精巣のことをいう。人間の男性でいうと睾丸で、白子もそれに当たる。精巣はオスの魚からしか取れない上、産卵期にならないと発達しない。しかも1匹から取れる量が少ないなど希少価値が高いことから、一般的には珍味として扱われる。
真子との違いは?
真子(まこ)は魚の卵巣のことで、一般的には白子と対で使われる。食用とされることが多く、とくに有名なのがマダラの卵巣・真鱈子だ。カズノコ、とびこ、すじこ、たらこ、ぶりこ、カラスミ、タイの子なども真子である。焼き物、煮付け、和え物などさまざまな食べ方がある。なお、たらこの唐辛子漬けが明太子である。
地方によって呼び方が異なる
同じ白子でも、地域により雲腸(クモワタ)や菊腸(キクワタ)などと呼ぶこともある。たとえば北海道ではタチ、三陸地方ではキク、京都では雲子(クモコ)などの呼称で親しまれている。
鶏の白子は知る人ぞ知る極・希少部位
余談だが精巣を持つのは魚だけではない。なかでも鶏の白子は知る人ぞ知る食材だ。スーパーで見かける鶏肉は、多くが生後約50日ほどで出荷されたブロイラー(若鶏)。その約3倍の飼育期間を経てようやく、しかも一羽につき2つしか取れないことから希少性が高い食材となっている。
2. 白子の種類
話を魚の白子に戻そう。白子とは精巣の総称でフグ・サケ・タラ・アンコウ・イカなどさまざまな魚から取ることができる。とくに美味とされる白子は以下のとおりだ。
タラの白子
一般的によく食べられているのがタラの白子。焼いたり天ぷらにしたり、鍋に入れたりして食べることも多い。なおマダラの白子は「マコ」、スケソウダラの白子は「スケコ」とも呼ばれている。
サケの白子
サケの旬といえば秋。その時期になると鍋や汁物の具材などとしてよく見かけるのがサケの白子だ。従来価格が安く手に入れやすかったが、近年は漁獲量が減ったことから価格も上昇した。
イカの白子
一般的に出回ることが少ない希少な白子である。高級料亭などに行けば食べられる可能性がある。酒の肴にピッタリなイカの白子は、塩焼きなどのほかポン酢や酢味噌などで食べることも多い。
フグの白子
フグといえば内臓に蓄積される猛毒・テトロドトキシンが有名だろう。だがフグの白子は比較的蓄積されにくい(蓄積しないという意味ではない)ことから、食用に供されることが多い。芳醇な味わいはまさに絶品である。
3. 白子の特徴・魅力とは?
珍味かつ見た目や食感が独特な白子は好き嫌いが分かれるが、白子好きにとっては本当に美味しい食材である。その味わいや食感など、特徴・魅力を解説しよう。
白子の味わい・食感
魚の精巣である白子は見た目がやや特殊である。グロい、精巣と聞くとどこか恥ずかしい、そんなイメージもあるかもしれないが、見た目に反して濃厚なうま味とクリーミーな味わいが特徴。食感はプリプリしておりクセになる人も多い。
とりわけフグやイカなどの白子は高級食材で、非常に美味しいことで知られている。高級料亭などで扱っている場合があるので、機会があればぜひ食べてみよう。
食べ方がいろいろ
プリプリした食感とクリーミーな味わいが特徴の白子は、酢の物、天ぷら、焼き物、鍋料理、汁物などさまざまな方法で美味しく食べられる。とくに白子ポン酢は有名だ。また和食だけでなくソテーやアヒージョなど洋食に使っても美味しい。本当に多くの調理方法で楽しめる食材だ。
4. 白子の栄養価
文部科学省「食品成分データベース」から、マダラの白子の栄養価を紹介しよう。
しらこ(まだら/生)100gあたりの栄養価
高たんぱく
精巣ということでイメージが湧きやすいかもしれないが、そのとおり白子は高たんぱく食材である。それでいて低脂質という点もうれしい。
ビタミンD・E・B群が豊富
白子にはカルシウムの吸収を助けるビタミンD、抗酸化作用を持つビタミンE、エネルギー代謝や赤血球の産生に欠かせないビタミンB群などが豊富に含まれている。
オメガ-3脂肪酸・鉄分
低脂質とはいえ、含まれる油は良質だ。たとえば心血管の健康促進が期待できるオメガ-3脂肪酸や、赤血球の生成・酸素運搬に欠かせない鉄分などが多く含まれている。なお白子の栄養素について詳しくは、以下の記事でも解説している。
白子の栄養を徹底解説!痛風のリスクはある?
5. 白子の下処理
白子をご家庭で食べるのであれば、ぜひとも美味しく、かつ安全に食べるためにも丁寧に下処理をしよう。下処理は魚の種類で異なるが、本稿ではよく食べられるマダラの下処理を紹介する。
白子の下処理の手順
以上が、白子の下処理の基本的な流れである。4の工程まではすべての白子を一気に下処理するが、5・6は少量ずつなので、終わるまで繰り返そう。より詳しい下処理のやり方は、以下の記事で解説している。
白子の下処理を丁寧に解説!
6. 白子の美味しい食べ方・おすすめレシピ3選
前述のとおり、白子は和食・洋食を問わずさまざまな方法で美味しく食べられる。ここではそんな数多くある白子料理の中から、特に人気で美味しい料理を3種類紹介しておこう。
白子ポン酢
白子を使った代表的な料理のひとつ。下処理した白子を小鉢に盛り付けてポン酢をかけたら、小ネギやもみじおろしなどの薬味をのせれば完成。簡単にうま味や食感を楽しめる、もっともおすすめの食べ方である。なお詳しいレシピは以下の記事もご覧いただきたい。
初心者でも簡単に白子ポン酢が作れる!
白子の天ぷら
白子の天ぷらも美味しい食べ方のひとつ。下処理した白子を小麦粉・卵・水で作った衣にくぐらせる。170〜180℃程度に熱した油で衣がカラッとするまで揚げれば完成。サクサク感とフワフワ食感の相性がよく、クセになる。
白子鍋
温かい白子もおすすめだ。昆布だし、味噌味、キムチ味などさまざまな味で楽しめる。作る際は最初に野菜などを煮てから、最後に白子を加えて煮るのがおすすめだ。そうすれば白子の食感を損なわずに美味しく食べられる。マダラなどと一緒に美味しく白子を食べよう。
そのほか、白子のおすすめレシピや美味しい食べ方については以下の記事もぜひご覧いただきたい。
フグやサケの白子の食べ方なども紹介!
7. 白子についてよくある質問
白子について解説してきたが、おさらいの意味と、本編で触れられなかった情報なども含めてQ&A形式でまとめた。ぜひこちらも参考にしてほしい。
白子とは?どの部位のこと?
白子とはおもに魚の精巣を指す。フグ・サケ・タラ・アンコウ・イカなどさまざまな魚から取れるが、とくに美味しいとされているのがタラ・サケ・イカ・フグである。
白子の味わいや特徴は?
濃厚なうま味とクリーミーな味わいが特徴で、食感はプリプリしている。とくにフグやイカの白子は非常に美味で、希少性が高いことから高級食材として扱われている。
白子の下処理における注意点は?
柔らかい食材なので丁寧に取り扱おう。また鍋に一気に入れるとお湯の温度も一気に下がってしまうので、少しずつ下処理をしていくのがよい。
フグの白子には毒がない?
市販のフグの白子は「ふぐ調理師免許」を持つ管理者のもと加工されているため、安全に食べられる。しかし釣り人に譲ってもらうなどしたフグには、重篤な食中毒のリスクがある。自分で勝手に捌いたり、食べたりすることは絶対に避けよう。
ネット上では「フグの白子にはテトロドトキシンが含まれていない」という情報も見られるが、フグの白子の喫食にともなう食中毒は毎年発生している。釣りなどでフグを手に入れたときは、必ず「ふぐ調理師免許」を持つ人またはお店で捌いてもらうように。(※1)(※2)
白子は1日何グラムまで食べていい?
1日100gまでにしよう。100gでも約300mgのプリン体が含まれている。プリン体といえば痛風の原因にもなる成分だ。日本痛風・核酸代謝学会の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」によれば、プリン体の摂取目安は1日400mgである。
結論
魚の精巣である白子は、濃厚なうま味とクリーミーな味わいが特徴の珍味だ。1匹から取れる量が少ないためやや高級だが、マダラの白子などはスーパーなどでも手に入れやすい。白子を見つけたらぜひ白子ポン酢や天ぷら、白子鍋などにして食べてみよう。
(参考文献)
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