1. オメガ3系脂肪酸とは

脂質はタンパク質、炭水化物と並んで身体に必要な三大栄養素の1つに数えられる存在。肥満などと結びつけがちであるが、適量の脂質は身体を健やかに保つために欠かすことのできないものである。
身体に必要な脂質
脂質といっても、身体にいい効果をもたらすものとそうでないものが存在する。まず、栄養面で身体に摂り入れなくてはならない脂質が存在する。これが必須脂肪酸である。これらは体内生成することができないが、不足すると体内機能に弊害がもたらされるので食品から、バランスよく摂取したい。
2つの必須脂肪酸
必須脂肪酸は、大きく分けると2種類。1つがオメガ3系脂肪酸、もう1つがオメガ6系脂肪酸である。現代人の食生活を見てみると後者は多くの人が摂取基準を満たしている。やや過剰摂取が懸念されるほどである。対して前者のオメガ3系脂肪酸は、不足しがちと言われている。我々が普段からよく使うオリーブオイルやコーン油、大豆油、ごま油などは、オメガ6系脂肪酸の含有量が多いものなのだ。
2. オメガ3系脂肪酸とオイルの関係

植物オイルは必須脂肪酸の重要な供給源である。油もの、脂っこいなどあまり良いイメージを持たれることがないが、実は身体には欠かすことのできない存在なのだ。前述の通り、我々に不足しがちなのはオメガ3系脂肪酸である。これをより多く含むのがあまにオイルである。
あまにオイルとは
スーパーフードとしても注目されているあまに。漢字では亜麻仁と書き、亜麻という植物の種子のことを指す言葉である。ちなみにこの亜麻は洋服やキッチンクロスなどによく使われるリネンの生みの親でもある。亜麻の茎の繊維から作られることが多い。亜麻と人間の歴史は古く、太古からその恩恵を受けてきたと考えられている。
えごまオイル
もうひとつオメガ3系脂肪酸をより多く含む油がえごまオイルである。えごまは韓国料理などに使われることも多いシソ科の植物で大葉によく似ている。この種子から絞られたオイルがえごまオイルである。えごまオイルは平安時代から江戸時代中期頃まで、提灯や塗装などの用途で利用されてきた。
3. オメガ3系脂肪酸が豊富なオイルの摂取方法

あまにオイルとえごまオイルの味
オメガ3系脂肪酸を多く含むあまにオイルとえごまオイルは、どちらも透明。においは独特な香りがあり、苦味を感じるものもある。あまにオイルはとろりとして滑らかだが、えごまオイルはすっきりとした印象である。栄養価的にはあまり変わらないので、好みの方をチョイスするのが良いだろう。
加熱なしが基本
あまにオイル、えごまオイルともに熱に弱く、酸化しやすいため、生でそのまま食べることが重要だ。また小さめの瓶を購入してなるべく早く食べきる工夫も忘れてはならない。サラダのドレッシングにするのはもちろん、そのままティースプーンで食べるといった方法もある。
選ぶポイント
えごま、あまにの原産地がはっきりとしており低温圧搾=コールドプレスで絞られているものを選ぶことが重要。また酸化しやすいので遮光瓶に入っていることも必須である。
結論
普段使いしているオイルのほとんどはオメガ6系脂肪酸を多く含むものなので、オメガ3脂肪酸は意識して摂り入れる必要がある。ただ、オイルであることに変わりはないので、摂りすぎには注意が必要だ。推奨されている量を守り、毎日の食事で上手に摂り入れると良いだろう。