1. タコの基本情報をおさらい

タコ(蛸)とは、タコ目に分類される軟体動物の総称のこと。世界には200種類のタコが生息するとされ、日本近海だけで50種類のタコが確認されているという。しかし、食用とされるのは基本的にマダコ科に分類されるタコであり、マダコ科にはマダコ、ミズダコ、イイダコ、ヤナギダコ、テナガダコなどが存在する。大小さまざまで、世界最大のミズダコは全長9m以上に達することもある。
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2. 基本となる「マダコ」って何?

マダコとはタコ目マダコ科に分類されているタコのことで、日本でタコというとこの「マダコ」を指すことが多い。全長60cm程度、体重3.5kg程度であり、鮮魚・茹でダコ・珍味などとして重宝されている。また、大西洋、インド洋、地中海など世界中の海に生息しており、日本では長崎県、神奈川県、兵庫県、岡山県、福島県などが主な産地。通年流通しているが、5~8月頃が旬となっている。
主なブランドマダコの種類と旬の時期(※1)
・佐島の地ダコ:産地は神奈川県、旬は5~8月
・明石ダコ:産地は兵庫県、旬は6~8月
・三原やっさタコ:産地は広島県、旬は6~8月
・松山沖のマダコ:産地は愛媛県、旬は6~9月
・魚庭のマダコ:産地は大阪府、旬は6~10月
・明石ダコ:産地は兵庫県、旬は6~8月
・三原やっさタコ:産地は広島県、旬は6~8月
・松山沖のマダコ:産地は愛媛県、旬は6~9月
・魚庭のマダコ:産地は大阪府、旬は6~10月
3. マダコ以外の食用タコの種類

日本で食用とされているタコにはマダコ以外にミズダコ、イイダコ、ヤナギダコ、テナガダコ、ワモンダコなどがある。ここではそれぞれのタコの特徴などを紹介する。
その1.ミズダコ
ミズダコは、全長3m程度、体重30kg程度になる「オオダコ」の別名を持つ世界最大のタコ。マダコよりも水分が多く柔らかい食感が特徴で、このことから「ミズダコ」という名前が付いた。日本では北海道から中部地方以北までに生息しており、北海道、青森県、福島県などが主な産地となっている。マダコの漁獲量の減少に伴い、見直されているという。
その2.イイダコ
イイダコはマダコと似ている体型をしていて、全長30cm前後の小型なタコ。卵を持つメスのイイダコを煮ると、卵が飯粒(ご飯つぶ)のようになることから「イイダコ」という名前が付いた。旬はメスが産卵期を迎える春頃とされており、オスよりもメスのほうが高値で取引されている。北海道南部から九州地方まで生息しており、瀬戸内海や三河湾などが主な産地として知られている。
その3.ヤナギダコ
ヤナギダコは、全長120cm程度、体重4kg程度になる中型のタコ。名前はヤナギムシカレイが生息する水深200mにいることから名付けられたという。皮膚は柔らかいが、ミズダコよりはやや硬めとなっている。通常は鮮魚よりも茹でダコや酢ダコとして流通することが多い。北海道以南から本州中部まで生息しており、北海道、福島県、岩手県などが主な産地となっている。
その4.テナガダコ
テナガダコは、非常に長い腕を持つ全長70cm程度のタコ。名前の由来はその長い手であり、胴体の5倍程度の長さとなっている。日本ではあまり知名度は高くなかったが、韓国料理の人気とともに知名度が高まっている。韓国料理では刺身や炒め物などとして使われることが多い。北海道から九州地方、朝鮮半島沿岸まで幅広く生息しており、日本では瀬戸内海で多く水揚げされているそうだ。
その5.ワモンダコ
ワモンダコは、全長100~120cm程度の中型のタコで白っぽい見た目をしている。本州ではあまり見かけないが、沖縄県では一般的なタコとなっている。茹でると小豆色に仕上がり、程よい甘みやうま味を楽しむことができる。目のすぐ下に眼状模様があることから「ワモンダコ」と名付けられた。
4. タコに関するよくある質問

ここまで、タコの種類について解説してきた。しかしまだ「タコの名前の由来は何なのか」や「タコにはどんな栄養成分が含まれるのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、タコ全般に関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.タコの名前の由来は何なのか?
タコは漢字で「多股(たこ)」と書き、「足が多い」という意味があるといわれている。また、タコを表す漢字には「蛸」もあり、こちらには「海に棲むクモ」という意味があるそうだ。マダコの「真(マ)」には、「もっとも一般的な~」といった意味が含まれている。
Q2.タコにはどんな栄養成分が含まれる?
マダコは、炭水化物や脂質が少なく低カロリーでありながら、たんぱく質を多く含んでいる。また、ビタミンE・ビタミンB群・カリウム・亜鉛・タウリンなどの栄養素や栄養成分も含んでいる。タウリンはアミノ酸の一種であり、一般的には肝臓の働きを高めるといわれている(※2)。
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結論
日本でタコというと一般的には「マダコ」を指すことが多い。しかし、食用のタコにはマダコ以外にもミズダコ、イイダコ、ヤナギダコ、テナガダコ、ワモンダコなどさまざまな種類が存在する。スーパーなどでタコを購入する際は、何の種類のタコかをチェックしてみるのもよいだろう。
(参考文献)
- ※:環境省「タコ[せとうちネット]」
https://www.env.go.jp/water/heisa/heisa_net/setouchiNet/seto/setonaikai/clm10.html - ※1:プライドフィッシュ 公式サイト「トップページ」
https://www.pride-fish.jp/ - ※2:農林水産省「タウリンとはどのような栄養素ですか。また、体によいとのことですが、働きを教えてください。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1803/02.html
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