1. ル・レクチェとは?

ル・レクチェとは
ル・レクチェとはフランスで生まれた西洋梨の一種である。数ある西洋梨の中でも、とくに栽培が困難である。原産国のフランスでも生産量は少なく希少価値が高い。そのことから「幻の洋梨」と呼ばれている。限られた数しか市場に出回っていないので、「ル・レクチェ」を知らない人は多いだろう。ちなみに、ル・レクチェとう名前は17世紀のフランスの果樹園芸家であるレクチェ氏にちなんで命名された。
ル・レクチェの生産地
原産国であるフランスでは現在ほとんど栽培されていなく、輸入品はない。国内では新潟県で生産されている。新潟県の夏は短く、冬は寒くて風が強い気候が長く続くところが、フランスと似ていることから、ル・レクチェ生産に適している。
ル・レクチェの収穫時期
ル・レクチェは10月下旬~11月にかけて収穫される。収穫後、約1ヶ月追熟させたのち、市場に出回る。食べごろの旬の時期は11月下旬~12月と短い期間である。
2. ル・レクチェの特徴

ラ・フランス以外の西洋梨を食べたことがあるだろうか?同じ西洋梨でも、品種によって味や舌ざわり、香りに違いがある。
ル・レクチェの味と舌ざわり
きめ細かい果肉で、ざらつきがなくなめらかな舌触り。酸味が少なく、糖度は16度以上で濃厚な甘みが特徴である。果汁も多く、ジューシーである。
見た目
ラ・フランスのように黒い斑点がない。果皮は収穫時はグリーンだが、追熟の工程で徐々にブライトイエローに変化する。市場に出回るころにはブライトイエローとなっていることが多い。
香り
香りは芳醇で甘く濃厚である。ラ・フランスを含むほかの西洋梨と比べても、一層甘く上品な香りである。
3. ル・レクチェの食べごろと保存方法

西洋梨の代表品種、ラ・フランスの完熟の見分け方の難しさと比べて、ル・レクチェの完熟のサインは非常に分かりやすく果皮の色と香りで知らせてくれる。
食べごろのサイン
甘い芳醇な香りが強くなり、果皮がブライトイエローに変化したら食べごろのサインである。さらに、指で触れて柔らかいと感じたら食べごろだ。食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れておくと美味しく食べられる。
保存方法
新聞紙に包み、涼しい場所に保存する。完熟後はすぐに食べることが最良であるが、食べきれない場合はラップにくるむかビニール袋に包み冷蔵庫で保存する。ル・レクチェは完熟したら一気に腐敗が進むためなるべく早く食べきることがおすすめだ。
冷凍保存
冷凍保存する場合は、好みの大きさに切りしっかりラップをして凍らせる。食べるときは半解凍で食べるとシャーベットのような舌ざわりで美味しい。完全に解凍してしまうと水分が出て水っぽくなるので注意が必要だ。冷凍でも風味や味を損ねないためにも1~2週間で食べきることがおすすめである。
結論
ル・レクチェは非常にデリケートで傷みやすいことから市販での購入が難しい。一般的には贈答用として取り扱われることが多く、デパートや通信販売で購入されることが多い。値段はほかの西洋梨と比べても張るが、幻の洋梨といわれるだけあり品格のある果物だ。機会があったら購入し、見た目、味、香りを楽しんでみてはいかがだろうか。