1. ピーチメルバとは?
この夏、再びトレンド入りするのでは?と目されているピーチメルバは、実在する歌姫に捧げられたデザートとしても知られる存在。ときは20世紀初頭、オーストラリア生まれのソプラノ歌手が大きな人気を集めていた。彼女の名前はネリー・メルバ。各国の大都市で公演を行なっていた彼女がロンドンに赴いたときのこと。彼女はロンドンの超有名ホテルに宿泊をする。そのホテルの総料理長であったオーギュスト・エスコフィエは、彼女が主演していた舞台の名場面を切り取り、ひとつのデザートに仕上げた。そして、そのデザートに彼女の名前を冠した。これこそピーチメルバの始まりだと言われている。
ピーチメルバの正体
桃のコンポートにアイスクリームを乗せて、甘酸っぱいフランボワーズソースをかけたものが現在知られるピーチメルバの基本形だ。誕生当時は飴細工や氷細工で作られたトッピングがあったものとされている。
オーギュスト・エスコフィエについて
ピーチメルバの生みの親であるオーギュスト・エスコフィエは、その名が歴史に残る有名シェフのひとりとして知られている。生まれはニース郊外で、修行ののち、名だたるホテルの料理長を歴任した。今では定番となったコース料理を考案したのもこの人物だと言われている。50歳代を超えてから出版した著書は、今でも料理の基礎として愛されている。
2. ピーチメルバの基礎知識
ピーチメルバの材料は、桃とアイスクリーム、ラズベリーソースである。桃はコンポートにする。コンポートとは、シロップ煮のことで、ジャムやコンフィチュールと違い、フルーツの形状、味わいを生かすところが特徴。ワインを使って風味よく仕上げることも多い。
桃の切り方とコンポート
桃は柔らかく、繊細なので、形を崩さず切るのは意外に難しいもの。桃は産毛を優しくなでるようにして洗い、皮付きのまま中央のタネに向かって切り込みを入れる。このとき、割れ目にそってナイフを入れるとよい。最後に、桃をねじるようにして半分にする。タネはスプーンで取り除き、皮付きのまま、砂糖、水、バニラビーンズなどを入れた鍋で煮る。余裕があれば、ラズベリーソースとアイスクリームも手作りするとよいが、市販品を使って気軽に楽しむのもあり。
3. ピーチメルバを自己流アレンジ
ピーチメルバはとてもクラシックなレシピであり、デザートである。ただ、シンプルなので自己流でさまざまアレンジをすることができる。
パンケーキのピーチメルバ風
まず、おすすめしたいのは、パンケーキやクレープを焼いて、ピーチメルバ風にアレンジするもの。見た目にも美しく、ゴージャスになるので、ちょっとしたお祝いなどにも向いている。
ピーチメルバ風パフェ
ここ数年、スイーツ界ではパフェが熱い。そんなトレンド同士の組み合わせ、ピーチメルバ×パフェも注目度大。食感が楽しめるようグラスにはグラノーラなどを入れ、アイスクリームを重ねて、コンポート、ラズベリーソースを。コンポートだけでなく、グラスもよく冷やしておくと夏にぴったりのスイーツになる。
結論
ピーチメルバは、桃を使ったクラシックなデザートレシピ。歌姫に捧げたデザートというバックグラウンドは、覚えておくと会話のネタにも使うことができる。定番レシピはもちろん、パフェやパンケーキにアレンジすれば、よりトレンド感を味わうことができる。桃が美味しいこの時期限定のスイーツを楽しみたい。