1. からすみ作りに欠かせない下処理
からすみはボラの卵巣からできているので、まずは雌のボラを手に入れることが必要になってくる。ボラの産卵期は10~1月からであり、その時期に出回ることが多い。しかし、市場に出回る数が少ないため、高級食材として扱われている。
もし、この時期に釣りを行う人はお腹に膨らみのあるボラを釣りあげたら手に入れることができる可能性が高い。
もし、この時期に釣りを行う人はお腹に膨らみのあるボラを釣りあげたら手に入れることができる可能性が高い。
血抜き作業は丁寧に
最初に、ボラの腹を裂いて、卵巣を取り出す。サッと水洗いをしてから、汚れのついている不要な膜を取り除く。そして、完成品に生臭さを残さないために、血抜きを行う必要がある。基本的には中央に走っている太い血管を取り除けば大丈夫だ。取り除くのが難しい場合、ピンセットや針などで、血管に穴をあけて血を抜き出すだけでも問題ない。細い血管には針を刺す。
膜が破れてバラバラになってしまわないように、優しく丁寧に作業することがポイントである。
膜が破れてバラバラになってしまわないように、優しく丁寧に作業することがポイントである。
2. からすみのできあがりは塩漬けにかかっている
血抜き作業をしたボラの卵巣はひとまず、氷水に丸1日漬け込むことが大事だ。可能であれば、途中で数回水を変えることがおすすめである。この作業を行うことで、卵巣から血がしっかりと抜かれて臭みのないからすみを作ることができるのである。
卵巣が綺麗になったら、水から取り出して水気を充分にきる。
卵巣が綺麗になったら、水から取り出して水気を充分にきる。
ミネラル豊富な塩を使う
ポイントは食塩ではなく、ミネラルが豊富に含まれており、雑味がある塩を使用することである。卵巣を1日氷水に漬け込んだら、たっぷりの塩を卵巣全体にコーティングする。コーティングした卵巣を容器に入れて、冷蔵庫で約1週間保管する。
途中1日1回確認して、水が出ていれば水を捨て、表面が見えなくなるように塩を足す作業を繰り返し行なう。1週間経つと、水分がほぼ抜けてカチコチになっているだろう。
途中1日1回確認して、水が出ていれば水を捨て、表面が見えなくなるように塩を足す作業を繰り返し行なう。1週間経つと、水分がほぼ抜けてカチコチになっているだろう。
塩抜き作業も大事
塩漬け後に行うのが塩抜き作業である。まずは表面の塩をサッと洗い流す。しっかりと全体が浸かる容器に冷水と塩を入れる。この時の塩の量は舐めて少ししょっぱいと感じるくらいである。その中に、丸1日漬け込む。途中数回水を入れ替える。
塩水を使用するのは、塩分が抜けやすくなるためである。真水を使用すると表面の塩ばかり溶け出てしまい、傷む原因になるので注意しよう。
塩水を使用するのは、塩分が抜けやすくなるためである。真水を使用すると表面の塩ばかり溶け出てしまい、傷む原因になるので注意しよう。
3. からすみの仕上げは天日干しで
塩抜きを行い、触った時に真ん中の芯が1/3くらいになったら、塩水から取り出し、次は日本酒に漬け込む。もし、日本酒がない場合には、焼酎や白ワインを使用しても大丈夫である。冷蔵庫で保存しながら、途中で数回上下を入れ替えながら、約1週間漬け込む。
最後の仕上げ天日干し
酒での漬け込みまでが終わったら、最後に乾燥させる作業である。初日は受け皿と板を用意して、その上に卵巣を置く。そして、上に重しを置き、1日乾燥させる。翌日、干しネットなどを使用して天日干しをする。日没後には部屋の中に取り込み、重しをして冷蔵庫で保管する。この作業を繰り返し、約2週間かけて乾燥させる。雨が降っている場合は、日中でも冷蔵庫で乾燥させる。
しっかりと乾燥したらからすみのできあがりだ。
しっかりと乾燥したらからすみのできあがりだ。
結論
少し手間はかかるが、自宅でも手作りできるからすみ。高級食材でありなかなか手を出すことができないからすみでも、手作りすることで安く手に入れることができる。ボラの卵巣もどこでも手に入るものではないが手に入った時にはぜひ挑戦してみてはどうだろうか。