1. カブリ・アリエジョワの特徴

カブリ・アリエジョワは山羊のミルクから作られるウォッシュタイプのチーズである。伝統的なフレッシュチーズ「モン・ドール」と同じ方法で製造される夏限定の味だ。もっとも特徴的なのはエセピアというモミの木の樹皮で巻いて熟成される点で、木の香ばしい香りがチーズにもしっかり移っている。販売される際にもモミの木の木箱に入れて出荷されるため、届いた瞬間から森の香りを感じることができる。フランス語でカブリは仔山羊、アリエジョワはピレネー山脈付近のアリエージュ県を指す。
味や香り
・木の香りが漂う独特の風味
山羊のミルクを使っていることもあり、香りは本家モン・ドールよりもやや強めである。ウォッシュタイプ特有の香りは好みが分かれるが、その中にもモミの木の香ばしさが感じられる。
・山羊乳チーズらしからぬ味と食感
山羊乳製のチーズにはもろもろとした食感のものが多いが、カブリ・アリエジョワは、皮を破ると中からとろとろのチーズが流れ出す。その様子はさながらホワイトソースのようだ。また、山羊乳チーズというとクセのある味わいが特徴だが、カブリ・アリエジョワは山羊乳チーズが苦手な人でも食べやすい。ほんのりと甘いミルクの香りの中にも山羊乳らしいさわやかな酸味が感じられ、すっきりとした後味となる。
モン・ドール
モン・ドールとは、フランスとスイスの国境付近で作られる伝統的なチーズである。牛のミルクから作られるウォッシュタイプのモン・ドールはカブリ・アリエジョワと同じくモミの木を巻いて熟成される。近年、日本でも秋頃からクリスマスシーズンにかけてよく出回るようになり、人気が出ている。濃厚でコクのある味わいは、秋から春にかけての季節限定で、毎年この時期を楽しみにしているファンが世界中にいる。
2. カブリ・アリエジョワの産地や食べごろ

主な産地
カブリ・アリエジョワはその名が指すとおり、フランスのミディ=ピレネー圏にあるアリエージュ県で作られている。ミディ=ピレネー圏ではカブリ・アリエジョワのほかに、世界3大ブルーチーズのひとつである「ロックフォール」や小ぶりな山羊乳製の「ロカマドゥール」など、さまざまなチーズが作られている。
食べごろ
本家モン・ドールは毎年夏頃から春にかけて販売されるのに対し、山羊のミルクで作るカブリ・アリエジョワが販売されるのは春先から夏にかけてである。このことからカブリ・アリエジョワは「夏のモン・ドール」とも呼ばれる。また、十分に熟成させてから日本に持ち込まれるカブリ・アリエジョワは、購入後はすぐに食べるのがよいだろう。ウォッシュタイプも山羊乳タイプも熟成が進むにつれて香りやクセが強まるので、時間が経過するほど食べづらくなる。店頭で複数から選ぶ場合は、製造日にも注目しよう。
3. カブリ・アリエジョワの食べ方

通常、円形のチーズはホールケーキのように切り分けることが多いが、カブリ・アリエジョワは中がとろとろのため、箱に入れたまま上の皮だけをナイフで切り取り、中身をスプーンですくって食べるのがよい。そのままで食べてもいいが、塩味が強いため、ちぎったパンやスティック野菜をディップして食べるのがおすすめだ。
相性のよいワイン
味の強いカブリ・アリエジョワに合わせるなら、コクのある赤ワインか、または果物のさわやかさが感じられるフルーティーな赤ワインがよいだろう。軽いものだとカブリ・アリエジョワの味に負けてしまうので、しっかりと味のあるものを選ぶとよい。
結論
ウォッシュタイプの山羊乳チーズ、カブリ・アリエジョワについて紹介した。同じ製造方法で作られているとはいえ、カブリ・アリエジョワは山羊乳を使っているだけあって、モン・ドールとはまったく異なる味わいである。すっきりとしたさわやかな風味は本家モン・ドールには決して出せない味だ。季節限定の希少なチーズを、ぜひ一度試してみてはいかがだろうか。
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