1. ビーフシチューは食材の選び方で大きく変わる
ビーフシチューの食材といえば、牛肉・トマト・玉ねぎ・じゃがいもがポピュラーだろう。ここでは、これら食材の選び方をひとつずつ解説していこう。
国産牛か外国産牛か?好みとカロリーで選ぶ
肉の旨味は脂によく出るほか、ビーフシチューは煮込み料理でもあることから、脂が比較的多めの牛肉を選ぶのがよいだろう。牛肉の脂は、和牛・国産牛・外国産牛の順に多い傾向にある。ただ、脂が多ければ多いほどカロリーは高くなるので、カロリーを少しでも低くしたいのであれば、脂が少ない外国産の牛肉をおすすめする。
使うトマトは生?缶?ケチャップ?
トマトは生だとかなり時間をかけて煮込まなくてはいけないため、トマト缶がおすすめだ。ホールタイプとカットタイプであれば、前者が煮込み料理には最適。なお、トマトジュースやケチャップを使用するケースもあるが、これらは味付けされているため、糖質や塩分の摂りすぎには気をつけてほしい。
ビーフシチュー向きの玉ねぎは「黄玉ねぎ」
黄玉ねぎとは、ごく一般的な玉ねぎのことだが、加熱により甘みが強くなるため、煮込み料理にぴったりだ。黄玉ねぎをもとにして作られた小さな玉ねぎ「ペコロス」を丸ごと入れても豪華だろう。
崩れにくいメークインがビーフシチューにはおすすめ
ビーフシチューなどの煮込み料理には、煮崩れしにくいものを選ぶのが基本である。煮崩れしやすい男爵やキタアカリは不向き。メークインを選ぼう。
2. 徹底した下ごしらえがビーフシチューの完成度を上げる
ビーフシチューを作り始める前に、肉と一部の野菜には下ごしらえをしておこう。これを怠ると味に深みが出ず、物足りない仕上がりとなってしまうのだ。
牛肉は赤ワインと香辛料に漬け込む
牛肉は食べやすいサイズに切った後、漬け汁に漬け込む。これにより肉がやわらかくなるほか、味や香りがしみ込み、ルーの味に負けない旨味たっぷりの牛肉に仕上がる。漬け汁は赤ワイン・塩・コショウを基本として、風味付けのにんにくやローリエなどを加えてもよい。より肉を柔らかくするために、キウイフルーツを潰して加える方法もある。
漬け込む時間は最低でも1時間。時間に余裕があれば、一晩かけよう。漬け込んだ牛肉は、フライパンで表面を加熱し、焼き色をつけよう。これは、肉の旨味を逃がさないために行う下ごしらえだ。
漬け込む時間は最低でも1時間。時間に余裕があれば、一晩かけよう。漬け込んだ牛肉は、フライパンで表面を加熱し、焼き色をつけよう。これは、肉の旨味を逃がさないために行う下ごしらえだ。
味が入りやすくなる野菜の下茹で
にんじんやじゃがいも、彩りにいんげんやブロッコリーを入れるのであれば、これらは下茹でしておこう。下茹でによって味がしみ込みやすくなるほか、野菜の色がより鮮やかに出るといったメリットがある。にんじんとじゃがいもは水から、いんげんやブロッコリーは沸騰したお湯から茹でるのが基本だ。茹で上がったら、にんじん・じゃがいも・ブロッコリーはそのままザルにあげて水を切り、いんげんは冷水に一度入れて、アクを出してからザルにあげよう。どの野菜にしても、後で改めて煮込むため、下茹での段階で茹で過ぎないように注意してほしい。
3. ビーフシチューをプロ級に仕上げる作り方
下ごしらえを終えた牛肉や野菜を鍋で軽く炒めるときには、食材全体に油が回るように意識するのがひとつ目のコツだ。煮る前に炒める理由は、煮崩れを防ぐためである。そして、軽く炒めた後は水とトマト缶を加え、弱火でじっくりと時間をかけて煮込んでいこう。味見をしたときにトマトの酸味が強く感じられるようであれば、はちみつを少々加えよう。汁気が少し飛んで肉がやわらかくなったら、デミグラスソースまたはルーを加えてとろみがつくまで少し煮る。
また、市販されているビーフシチューのルーを使わない作り方であれば、事前に小麦粉とバターを耐熱容器に入れ、電子レンジで溶かして練ったものを加えるとよい。こうすることで小麦粉がバターに混ざって溶け、ダマになりづらいのだ。この方法は、ビーフシチューはもちろん、通常のシチューやグラタンでも使えるので、ぜひ試してみてほしい。
また、市販されているビーフシチューのルーを使わない作り方であれば、事前に小麦粉とバターを耐熱容器に入れ、電子レンジで溶かして練ったものを加えるとよい。こうすることで小麦粉がバターに混ざって溶け、ダマになりづらいのだ。この方法は、ビーフシチューはもちろん、通常のシチューやグラタンでも使えるので、ぜひ試してみてほしい。
結論
ビーフシチューは存外、誰でも簡単に作れる料理だ。だからこそ、少しの手間をかけるか否かが、プロ級に仕上げる大きな分かれ目になるのだ。ここで紹介した下ごしらえは、面倒に感じられるかもしれないが、やってみれば簡単な作業ばかりなので、ぜひ挑戦してほしい。