1. お米の精米度合いと浸水時間は?

■玄米
もみ殻を取ったもので、精米する前の米である。不溶性食物繊維・ビタミン・ミネラルが群を抜いて豊富な状態のお米である。炊いて食べるには、2時間~8時間程度浸水させるとよい。
■発芽玄米
玄米を発芽させたものが発芽玄米である。自宅でも2日程度で作ることが可能だ。発芽玄米の浸水時間は、30分~1時間程度。
■胚芽米
胚芽米は、玄米から糠層を取り除いたものである。浸水時間は1時間~2時間である。強く研ぐと、栄養分が流れ出しまうので軽く研ぐようにしよう。
■一分つき
玄米の表面の薄皮を少し取り除いたものである。ほぼ玄米にちかい状態だが、浸水時間が短い。色味は、玄米を少し薄くしたような茶色である。浸水時間は1時間~2時間程。水はやや多めに入れる。
■三分つき
さらに表面を削った状態だが、薄い茶色~やや黄色味が残っており、栄養素も豊富。浸水時間は1時間~2時間程。
■五分つき
三分つきと比較すると、白米に近づいた色合いになるが、黄色味が強い。玄米のよいところを残しつつも食べやすい。浸水時間は1時間~2時間程。水はやや多めに入れて炊飯する。
■七分つき
ほぼ白米に近い状態である。先端に胚芽が残っているものもある。浸水時間は1時間~2時間程。通常の炊飯で炊くことができる。
■白米
普段よく食べられている主流米である。浸水時間は30分~1時間程度。
2. 精米度合い別の食感や風合は?

■玄米・一分つき
玄米の食感は、白米に比べてかたいというのが印象的である。プチプチとした食感に例えられるが、もそもそしていると感じる人もいる。よく噛まないと、消化不良を起こすことがあるので胃腸の弱い人は注意が必要だ。玄米は、糠のにおいが強く、茶色である。
■三分つき
玄米と比べると、甘みを感じるようになる。食感は白米寄りで食べやすい。玄米の香りや特徴も残っている。
■五分つき
玄米と白米の中間。食感は、白米に近い印象である。玄米の風味もまだ残っており、素朴な見た目。
■七分つき
食感は、ほぼ白米と変わらない。見た目は、黄色味がかった白米で、遠くに玄米の香りがする程度である。
■白米
米の品種にもよるが、粘り気・甘味など食味が一番よいとされている。
3. 米の栄養素を賢く活用するには

■玄米~白米の栄養素の違い
玄米の栄養素は、カリウム・マグネシウム・鉄分などのミネラル類、ナイアシン・パントテン酸・葉酸などのビタミン類、食物繊維(不溶性・水溶性)が多く含まれている。お米には脂肪酸が含まれているが、健康に害を及ぼすとされるトランス脂肪酸は入っていない。分つきに精米することで、お米の炭水化物以外の栄養素は、1割、3割、5割、7割、と減少していく。カロリーについては、白米も玄米もほぼ同じだが、吸収率でみると、玄米の方が穏やかに吸収される。
■発芽玄米・胚芽米の栄養素
発芽玄米の栄養素で注目すべきは、発芽させた部分にアミノ酸の一種のGABAが、白米の10倍近くに増えていることである。ちなみにGABAは、鎮静効果・中性脂肪を抑制・腎機能に働きかけるとされている。お米の栄養素が集中している部分は胚芽で、95%の栄養素が集中している。糠部分だけを取り除いた胚芽米は、玄米の時よりは減ってしまうが、ビタミン・ミネラル・食物繊維も残っている。
■健康面を重視するなら
やはり健康面は、気づかっていきたいものである。しかし、人はそれぞれ体調が異なる。胃腸があまり丈夫ではないにもかかわらず、健康のためだと玄米を食べるのはおすすめできない。その場合、玄米と白米の間をとってみるのはどうだろうか。5分つき~7分つきが食べやすいのでおすすめだ。しかし、時間が経過すると糠のにおい気になることがある。弁当に入れる場合は、保冷材などを活用するなどの工夫をしよう。
結論
お米は、それぞれの食生活に合わせて、好みの精米方法で食べることが可能である。ちなみに、自宅用の精米機は炊飯器サイズの大きさのものもあり、分つきはもちろん、白米・無洗米仕様に仕上げることも可能だ。いろいろと食べ比べてみてはいかがだろうか。