1. とんかつの基本的な揚げ方

まずはとんかつの基本的な作り方を確認しておこう。とんかつ作りに必要な材料には豚ロース肉・小麦粉・卵・パン粉・植物油・塩コショウなどがある。これらを揃えたら以下のような手順で作ろう。
- 包丁の背でロース肉を叩いてから、塩コショウをふる
- ロース肉の両面に小麦粉・溶き卵・パン粉の順につける
- 170℃に植物油を加熱しておき、1枚ずつ静かに入れる
- 1~2分程度揚げたら、いったんロース肉を裏返す
- 裏返したらきつね色になるくらいまで4分程度揚げる
- 揚がったら引き上げて、キッチンペーパーに置き油を切る
- 食べやすい大きさにカットして盛り付けたら完成
2. とんかつの下ごしらえの4ポイント

とんかつの美味しさの決め手は、肉汁があふれるほどのジューシーで柔らかなお肉とサクサクとした衣の食感といえる。そんなとんかつの魅力を最大限に引き出すには、まずは下ごしらえのポイントを押さえておくことが重要になる。以下に紹介しているポイントを意識しながら準備をしてみよう。
その1.豚肉の筋切りをする
ロース肉は、肉叩きや包丁の背で叩いて肉全体を柔らかくする基本の下処理に加え、筋切りをしておくのがおすすめだ。筋切りとは、豚ロース肉の脂身と赤身の間にある筋(すじ)に切れ込みを入れることをいう。豚ロース肉の場合は、2~3cm間隔で1cm程度の小さな切れ込みを入れておこう。筋切りをすることで、豚肉の縮みが緩やかになりキレイな見た目のとんかつを揚げることができる。
その2.おろし生姜を塗り込む
おろし生姜を使って下ごしらえすれば、安い豚肉でも驚くほど柔らかな仕上がりになる。この理由は生姜には「たんぱく質分解酵素」というお肉を柔らかくする成分が含まれているからだ(※1)。やり方は、肉の表面におろし生姜を塗り込んでから15分間程度そのままにしておくというもの。そのまま使えば生姜の味わいも楽しめるが、気になるなら流水で洗い流しても美味しく食べられる。
その3.バッター液を使う
とんかつは一般的に豚肉に小麦粉をまぶしてから、卵液にくぐらせパン粉をつけるという手順で準備をする。しかし、失敗せずに美味しく作りたいなら「バッター液」を使うのがおすすめだ。バッター液とは卵1個に対して小麦粉大さじ4、水大さじ2を混ぜ合わせたもので、これを使うことでサクサクとした食感に仕上がる。使う材料は同じなので、ぜひ下ごしらえにはバッター液を使ってみよう。
その4.生パン粉を使う
家でもプロ並みのとんかつを作りたいなら、一般的な乾燥パン粉ではなく生パン粉を使ってみよう。生パン粉の特徴は、衣にボリューム感が出ることやサクッとした軽やかな食感に仕上がることなどがある。生パン粉を作る際は、冷凍した食パンをおろし金で削ったり、小さく切った食パンをフードプロセッサーで砕いたりすることで作れる。一手間かかってしまうが、ぜひ生パン粉で作ってみよう。
3. とんかつの揚げ方の2つのポイント

とんかつ作りでは下ごしらえにもポイントがあるが、揚げ方にもいくつかポイントがある。このポイントを押さえておくことで、さらに美味しく食べることができる。
その1.ゆすりながら揚げる
フライパンなどを使ってとんかつを揚げるときは、揚げているときにゆっくりとゆするのがポイントとなっている。ゆするタイミングはとんかつを油の中に入れてから10秒程度経ってからで、それから油がはねない程度に優しく動かすとよい。これにより火の通りにムラが無くなり、パン粉も立つようになるため、美味しく仕上げることが可能だ。揚げるときには、ゆするようにしてみよう。
その2.二度揚げをする
基本的にとんかつは170℃でこんがりと揚げていくが、よりジューシーに仕上げたいなら二度揚げもおすすめだ。二度揚げする場合は、まず160℃程度の油で中に火が通るまでじっくり揚げ、いったんフライパンから取り出す。その後、180℃に熱した油で1分程度揚げていく。低温でじっくりと揚げてから高温で仕上げることで、中はジューシー、外はカラッとした仕上がりになる。
結論
定番料理のわりには手間がかかり失敗しやすいイメージが強いとんかつだが、基本的な揚げ方やポイントを身につければ、外はサクッと中はジューシーなとんかつを作ることも可能だ。ご飯のおかずにも、お酒のおつまみにもおすすめのとんかつを、得意料理のひとつに加えてみてはいかがだろうか。
【参考文献】
- ※1:家政学雑誌「しょうがの肉軟化効果について」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/19/3/19_3_167/_pdf/-char/ja