目次
- 1. 賞味期限切れカップ麺を食べても体に害はない?
- 2. 賞味期限切れカップ麺はいつまで食べられる?
- 3. 賞味期限切れカップ麺の状態は時間とともにどう変化する?
- 4. 賞味期限切れカップ麺のふたが膨らむのは危険なサイン?
- 5. 食べないほうがよい賞味期限切れカップ麺の状態
- 6. 賞味期限切れカップ麺の正しい廃棄方法
- 7. 賞味期限内でも食べられないカップ麺がある?
- ※1:食品の期限設定の考え方と実例について|農林水産省
URL:https://www.maff.go.jp/j/study/syoku_loss/02/pdf/ref_data2.pdf
1. 賞味期限切れカップ麺を食べても体に害はない?

ローリングストックをするつもりで消費し忘れていたカップ麺が出てきた。さて、賞味期限を見たところ過ぎているが、ナマモノではないし大丈夫だろう。そんな場面に出くわす方もいるはずだ。果たして、賞味期限切れのカップ麺を食べても体に害はないのだろうか。
賞味期限切れのカップ麺でも食べられる
賞味期限切れのカップ麺でも、品質に問題がなければ食べられる。健康被害も心配しなくてよいだろう。ただしモノには限度がある。もちろん5年も10年も過ぎていればNGだ。
そもそも賞味期限とはなにか
賞味期限とは「美味しく食べられる期間」のこと。似た言葉で消費期限もあるが、こちらは開封前かつ適切な状態で保存した場合において、食品衛生上問題が生じないと認められる期間のリミット。したがって消費期限切れは食べないほうがよい。
賞味期限の設定方法
一般的に食品は、保存試験を経て可食期間が導き出される。可食期間とは食べても体に害を及ぼさないと認められる期間のこと。賞味期限は、その可食期間に0.7〜0.9の安全係数を掛けて設定する。つまり賞味期限は、可食期間よりも短く設定されているということになる。(※1)
2. 賞味期限切れカップ麺はいつまで食べられる?

具体的に、賞味期限切れの状態からどれくらいの期間であれば問題なくカップ麺を食べられるのだろうか。
2カ月は安全に食べられる可能性が高い
一般的に、カップ麺の賞味期限は製造から6カ月である。上述のように賞味期限は可食期間×0.7〜0.9なので、賞味期限切れから1週間以上、1〜2カ月は安全に食べられると考えてよい。具材が縮れたり風味が劣化したりすることはあるかもしれないが、その程度だ。
3. 賞味期限切れカップ麺の状態は時間とともにどう変化する?

賞味期限切れのカップ麺は、時間の経過とともに状態が変化していく。いよいよ食べられなくなるのはどれくらい過ぎてからなのか、詳しく見ておこう。
賞味期限切れ1週間〜10日のカップ麺
状態にはほぼ変化がない。においや風味も賞味期限内のものと変わらないので、美味しく食べられる。
賞味期限切れ1カ月〜2カ月のカップ麺
同じく状態にはほぼ変化がない。保管場所や保管方法にもよるが、ネギなどがやや縮れるかもしれない。ただし基本的には賞味期限内のものと変わらず美味しく食べられるはずだ。
賞味期限切れ3カ月〜4カ月のカップ麺
この頃になると、製造から1年近く経過していることになる。食べられるかもしれないが、風味が劣化して美味しくない。「食べられる可能性はあるがおすすめしない」レベルである。
賞味期限切れ半年のカップ麺
製造から1年以上経過したカップ麺は、ふたを開けたらカビが生えていたということもありうる。麺より具材が劣化することも多い。普段と違うにおいを感じたら廃棄だ。
賞味期限切れ1年のカップ麺
賞味期限切れから1年経過すると、ほぼカビが生えたり油が酸化したりしている。もちろん食べるのはNGだ。たとえ未開封でも味やにおい・見た目に変化がある。
賞味期限切れ2年のカップ麺
賞味期限切れから2年経過すると、カビや油の酸化だけでなく容器が膨張するなど、見た目にも明らかに「あぶない」状態となる。もちろん即廃棄だ。
4. 賞味期限切れカップ麺のふたが膨らむのは危険なサイン?

カップ麺のふたが膨らむことがあるが、この状態は危険なのだろうか?膨らむ理由は大きくわけてふたつあり、一方は注意したほうがよい状態である。
内圧の変化によるものならとくに危険はない
カップ麺のふたが膨らむ理由のひとつは、容器内の圧力が変化したことによるもの。容器内外の温度差が原因と考えられる。においや味に違和感がなければ食べても問題はないだろう。
油の酸化によるガスが原因ならご注意を
ふたつめは、カップ麺に使われている油が酸化し、ガスが発生したことによるもの。保存方法が不適切なまま賞味期限切れから時間が経過すると、油が酸化して風味がおちる。ふたを開けてみて少しでも違和感を覚えたら廃棄しよう。
5. 食べないほうがよい賞味期限切れカップ麺の状態

ひとつの目安として賞味期限切れから2カ月とお伝えしたが、とはいえ食べられたとしても風味が劣化し品質は低下する。たとえ2カ月未満であっても、次のような状態のカップ麺は食べずに廃棄しよう。
カビ・においの変化が見られるものはNG
カビが生えているものは一見してわかる。そのほかに気をつけたいのが、においである。酸味のある油のにおいがするものは、著しく劣化しているおそれがあるので食べないようにしよう。
酸っぱい味がしたら直ちに食べるのをやめ、体調に異変がないか観察することだ。酸化した油を口にすると、下痢や腹痛など食中毒に似た症状が出ることもあるため、異変を感じたら医療機関を受診しよう。
6. 賞味期限切れカップ麺の正しい廃棄方法

賞味期限切れで食べられない状態のカップ麺は、当然廃棄しなければならない。だが丸ごとごみ箱にポイというわけにはいかないので注意しよう。
中身と容器を分別して処分するのが原則
カップ麺の中身は、生ごみ(可燃ごみ)である。一方の容器は素材によりプラスチックごみなどに分別する必要がある。一部、賞味期限切れのカップ麺を丸ごと廃棄できる自治体もあるので、お住まいの自治体のルールを確認してみよう。
7. 賞味期限内でも食べられないカップ麺がある?

ここまで、賞味期限が切れたカップ麺にフォーカスしてきた。だが実は、賞味期限内であっても食べられないカップ麺もある。
保存方法により賞味期限前でも劣化する
直射日光があたる場所、高温多湿な場所、気温の変化が大きい場所などで保管すると、中身が劣化するのが早い。油が酸化してふたが膨張する、明らかににおいが変わるなどするため、開封して違和感を覚えたら残念だが廃棄し、それ以降購入する際は保存方法を見直そう。
では、カップ麺にとってベストな保存方法とは?
上記の逆である。直射日光が当たる場所や高温多湿・気温差が大きい場所などを避けて、常温下に置いておこう。
結論
賞味期限が切れたカップ麺でも2カ月程度は美味しく食べられる。ただし保存状態などにもよるため、ふたの膨張やにおい・見た目の変化などには敏感になっておこう。食品ロス問題が叫ばれる昨今、廃棄は非常に心苦しいかもしれないが、健康を害しては元も子もない。少しでも異変を感じた場合は潔く廃棄することをおすすめする。
(参考文献)
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