1. 春菊の種をまく時期と用意するもの

春菊は種をまいて育てる野菜。暑さにも寒さにも強いので、1年中いつでも種まきが可能としている園芸テキストもあるが、一般的には「春まき」と「秋まき」が作りやすいと考えられている。
発芽及び生育適温は15~20度。3~5月に種をまくと、すぐに気温が高くなり、トウ立ちして花が咲いてしまうので、収穫期間が短くなってしまう。家庭で育てるなら、ちょうど鍋物が恋しくなる頃から収穫できる9~10月初旬頃に種をまく、秋撒きをおすすめしたい。用意するものを以下に紹介しよう。
発芽及び生育適温は15~20度。3~5月に種をまくと、すぐに気温が高くなり、トウ立ちして花が咲いてしまうので、収穫期間が短くなってしまう。家庭で育てるなら、ちょうど鍋物が恋しくなる頃から収穫できる9~10月初旬頃に種をまく、秋撒きをおすすめしたい。用意するものを以下に紹介しよう。
【プランターまたは植木鉢】
それほど深く根を張る植物ではないので、プランターは深さ14cm以上の標準サイズでOK(60~65cm、土の容量12~20リットル)。植木鉢なら、8~9号で大丈夫だが、葉がふわふわと茂るので、口が広いタイプがベターだ。
【土】
葉物野菜用に肥料などが配合されている市販の土を使うと便利。
【鉢底ネットと鉢底石】
プランターや植木鉢の底にある穴の上に置き、石や土がこぼれにくくするネットを用意。その上に水はけを良くするために、軽い石を敷き詰めるとよい。軽石や大玉の赤玉石などで作られた「鉢底石」が市販されているので手に入れよう。
【種】
春菊には、関西方面で好まれている葉の切れ込みが浅い「大葉種」、葉の幅が大葉種に比べて細く、切れ込みが多い「中葉種」、葉が細かく切れ込んでいる「小葉種」の3品種がある。
さらに、その中で一番多く栽培されている「中葉種」には、「株張り型」と「立性型」とがある。前者は、株元から盛んに分枝が出て、株を張って成長するタイプで、根から株ごと引き抜いて収穫する。それに対して、後者は伸びた側枝を摘み取って収穫するものだ。後者の方が何度も収穫を楽しめるので、種を購入する際に立性型かどうかをチェックしよう。
さらに、その中で一番多く栽培されている「中葉種」には、「株張り型」と「立性型」とがある。前者は、株元から盛んに分枝が出て、株を張って成長するタイプで、根から株ごと引き抜いて収穫する。それに対して、後者は伸びた側枝を摘み取って収穫するものだ。後者の方が何度も収穫を楽しめるので、種を購入する際に立性型かどうかをチェックしよう。
【肥料】
化成肥料または液体肥料を用意する。
2. 春菊の苗の種まき

春菊の種は、レタスや三つ葉、パセリ、シソなどと同じように、光を受けて発芽する「好光性種子」だ。発芽時に光を好まない野菜(トマト、ナス、ピーマン、きゅうりなど)の場合は、種の直径の3倍の土をかぶせるのが基本だが、光を好む種子の場合はかぶせる土はごくわずか。種が見え隠れする程度が好ましいといわれている。用意した土に塊があるようなら、表面だけでも「ふるい(ざるでもOK)」でふるって軽やかにしておくとベターだ。種まきの手順は以下の通り。
- プランターまたは植木鉢の底の穴を、鉢底ネットで覆う。最初から底が網目になっていたり、ネットが付属していたりするタイプの容器なら、その必要はない。
- 土を入れる前に、鉢底石を敷き詰め、プランターや植木鉢の口から3cmくらいを残して土を入れる。
- 表面を平らにしたら、細い棒か指で深さ5mm程度のまき溝を作る。条間は10cmあればOK。標準サイズのプランターなら、2条は取れるだろう。
- まき溝に種を1cm間隔で置き、溝の左右の土を薄くかぶせ、手のひらで軽く表面を押して、種が風で飛ばないように土となじませておこう。土を厚くかぶせると発芽率が悪くなるので注意を。
- ジョウロでたっぷりと水をやったら、種まきは完了だ。発芽するまで1週間~10日程度かかるので、その間は乾燥しないように水をたっぷりとやろう。水やりの際、種が流れ出ないようにジョウロの優しい水力で、たっぷりと水をやろう。
3. 春菊の間引きと追肥

栽培中の管理のポイントは2つ。間引きと追肥だ。害虫が付きにくいので、目を皿のようにして見張る心配も手間も要らないのが嬉しい。
【間引き】
種をまいた後、7~10日で可愛い芽が出てくる。双葉が開いたら、1回目の間引きを。混み合っているところを指先で丁寧に引き抜く。2回目は本葉3~4枚の頃、3回目は本葉が5~6枚の頃に、ハサミで根元から切って間引きする。
間引いた葉は、幼くても春菊特有の香りがあるので春菊好きにはたまらないはず。柔らかいのでそのまま生でサラダに加えたり、さっと茹でてお浸しにしたりして味わおう。
間引いた葉は、幼くても春菊特有の香りがあるので春菊好きにはたまらないはず。柔らかいのでそのまま生でサラダに加えたり、さっと茹でてお浸しにしたりして味わおう。
【追肥】
最初の追肥は、2回目の間引き後。液体肥料を適量に薄めて施すか、化成肥料を容器全体にパラパラとまいておく。
3回目の間引きが済んだら、再度、同様にして追肥を。その後、15~20日ごとに液体肥料をやって育てると、次々と脇から伸びる新芽を摘み取って、長い期間収穫が楽しめる。
3回目の間引きが済んだら、再度、同様にして追肥を。その後、15~20日ごとに液体肥料をやって育てると、次々と脇から伸びる新芽を摘み取って、長い期間収穫が楽しめる。
4. 春菊の収穫

草丈が20cmくらいになったら、株元に葉を7~8枚残して主枝をハサミで切り取って収穫する。種をまいてから収穫できるまでの目安は40~50日だ。追肥をしておけば、その後もわき芽が次々と伸びてくるので、その都度摘み採ればよい。
なお、葉が茶色くなって枯れた葉が出たら、そのまま放置せず、すぐに摘み取っておこう。枯れた葉からエチレンガスが発生して、他の葉を枯らす原因になってしまうからだ。
なお、葉が茶色くなって枯れた葉が出たら、そのまま放置せず、すぐに摘み取っておこう。枯れた葉からエチレンガスが発生して、他の葉を枯らす原因になってしまうからだ。
結論
春菊は、摘み取って収穫するタイプの種を選ぶことで、長く収穫を楽しめる。ちなみに、真冬に霜が降りるような地域では、ビニールフィルムをかけて保温すれば、年明けまで引き続き収穫が見込めるという。ぜひ試してみよう。