目次
- 1. 虫が湧いた米は食べられるのか?
- 2. 虫が湧いた米の対処方法|適切な駆除方法
- 3. そもそも米に虫が湧く原因は?
- 4. 米に虫が湧くのを防ぐ方法|保管のコツ
- 5. 虫が湧いた米を捨てるのは自由!だが食べられることは覚えておこう
- 米袋に入れる前に卵が産み付けられており、ご家庭で保管中に孵化する
- 米袋にあいている極小の「通気孔」から虫が入り、産卵して孵化する
- 虫が米袋を食い破って侵入し、産卵して孵化する
1. 虫が湧いた米は食べられるのか?

虫が湧いた米は捨てるべきなのか、それとも食べられるのか。ここですべてが決まるため先に結論からお伝えしていこう。
虫が湧いた米でも食べられるので捨てる必要はない
ということで、虫が湧いてしまった米でも食べること自体は可能だ。だが食べる前に虫や卵を取り除く作業が必要になる。この方法については後述するが、少々時間が要る作業なので、食事の時間が迫っている場合は取り急ぎ食べる分を用意したほうがよい。
【そもそも米に湧く虫とは?】
米に湧く虫といえば「コクゾウムシ」が一般的だ。米の中に卵を産みつけ、成虫になったところで外へ出てくる。そのため卵や幼虫の段階では気づきにくいのが厄介な点である。菌やウイルスを媒介しない、人を刺したり吸血したりしないといわれているため、その点では「無害」かもしれないが、いかんせん気持ちが悪い。
またもうひとつ、ノシメマダラメイガと呼ばれるガの一種も米に湧くことがある。こちらはヌカに産卵するという特性がある。
捨てるか食べるかは「気持ちの問題」によるところが大きい
本稿で紹介する方法で無事に駆除できたとしても「どこかに卵が残っているのでは」「幼虫を食べてしまったらどうしよう」など、気持ちの面でどうしてもためらってしまうという方もいるだろう。それは仕方がない部分であるが「虫が湧いた米」イコール「直ちに捨てる」ではないことだけは、覚えておいていただきたい。
2. 虫が湧いた米の対処方法|適切な駆除方法

それでは、虫が湧いた米を食べるための手順を解説していこう。
1.風通しのよい場所に米袋や新聞紙などを敷く
米を干すことになるため、まずはその準備からだ。風通しがよく明るい場所に、米がすべて収まるサイズの米袋または新聞紙を敷こう。直射日光が当たる場所は米が傷むので注意が必要だ。乾燥して割れてしまうことがあるため「明るい日陰」を選ぶとよいだろう。
2.虫が湧いた米を広げる
米に湧くコクゾウムシなどは「明るい場所」「風通しがよい場所」を苦手とする。ゆえに先ほど敷いた米袋や新聞紙に、虫が湧いた米を広げて干しておこう。この時点で目視できる虫は、使い捨ての割り箸などなんでも構わないので取り除いておくとよい。プラコップや紙コップなどにまとめておき、あとで処分するようにしよう。
3.ときどき混ぜるなどして、トータル3時間ほど干す
あとは、米を干しておく間に虫が逃げていく。弱っている個体は逃げ切れず米のまわりをウロウロしているかもしれないが、そのときも割り箸などでつまんで取り除くなどしよう。また、ときどきかき混ぜるようにしてまんべんなく干すことも忘れないようにしよう。
4.米を干している間に米びつなどを洗っておく
干している時間を利用して、米びつや袋など普段米を保存している容器をよく洗い、乾燥させておこう。
5.ザルでこしたあと保存容器や袋に入れる
容器に移し替える前に、一度ザルでこしておこう。残っている虫をしっかり取り除くためだ。仮に虫が視認できなかったとしても、卵が隠れていることもある。このひと手間は省かないようにしよう。
6.米を研ぐ回数はいつもよりやや多めに
米に湧いた小さな虫は軽いので、水に浸すと浮いてくる。研ぐ前に米に水を浸してしばらく放置すれば浮いてくるので、割り箸などで取り除こう。また研ぐ回数自体も、いつもよりやや多めにするとより効果的だ。
3. そもそも米に虫が湧く原因は?

今回は虫を駆除できても、発生要因が残っていれば再発するおそれがある。保管のコツはこのあとに解説するとして、まずはそもそも米に虫が湧く原因はどこにあるのかを考えていこう。
米に虫が湧く主な原因は3つ
「虫が湧くような米はすべて、管理がいい加減」ということではない
大量に叩き売りされているような古い米、どの国でいつ生産されたか分からない米が混ざっているブレンド米などは、虫が湧いていてもおかしくない。だが虫が湧いている米すべてが、ずさんな環境で生産されたり保管されたりしているわけではない。
たとえば薬をほとんど使わず丁寧に米を栽培している場合でも虫が湧くことはある。むしろ農薬を最小限しか使用していない点に安心を覚える方もいるのではないだろうか?こうしたことからも「虫が湧いたからダメな米」ではなく、米の選び方が大切になってくると思っておこう。
4. 米に虫が湧くのを防ぐ方法|保管のコツ

米に虫が湧くのを防ぐには、保管方法を見直す必要がある。そもそも米袋に入れて出荷する前の段階で産卵されていた場合は対処のしようがないが、ご家庭でできる対策としては次のようなことが挙げられる。
密閉容器に入れて保管する
米は買ったときの袋のまま保管しているというご家庭も多いだろう。この袋には、米が呼吸するための細微な通気孔があいている。そこから虫が侵入し、米に産卵することがあるため、できれば密閉容器に移し替えて保管することをおすすめしたい。
保管容器に唐辛子など虫が嫌がるものを入れる
米に湧く虫は唐辛子に含まれる成分が苦手である。米10kgあたり5〜6本の唐辛子を一緒に入れておくと虫が逃げていくとされているので、ぜひ試してみよう。もちろん、防虫作用のある市販のアイテムもおすすめだ。
冷蔵庫に入れて保管する
米に湧く虫の卵は15℃以下では孵化しないとされている。したがって米を袋ごと、あるいは米びつごと冷蔵庫に入れておけば、虫が湧く(孵化する)のを防げる可能性が高くなる。気温が高い夏場だけでも冷蔵庫で保管するなどしよう。
5. 虫が湧いた米を捨てるのは自由!だが食べられることは覚えておこう

お伝えしてきたように、虫が湧いた米でも適切に対処して虫を取り除けば食べられる。しかし、気持ちの問題もあるため最終的に捨てるか食べるかはその人の考え方による。そこは正解も誤りもない部分だ。だが食べるための方法を知らずに「虫が湧いた米は食べられない」と思い込んで廃棄してしまうのはもったいない。こうした方法もあると知った上で、捨てるか食べるかを判断していただきたい。
結論
虫が湧いた米でも適切に対処すれば食べられるため、直ちに捨てる必要はない。だが気持ちの問題も大きく「虫が湧いていた」と思うだけで食味が落ちてしまうことも考えられる。たしかにもったいないのだが、美味しくない食事もまた精神衛生上好ましくないものである。難しい判断になるが、いずれにせよ「虫が湧いた米も食べられる」ということだけは覚えておこう。
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