目次
- 1. ベントオーバーローとはどのような筋トレなのか?
- 2. ベントオーバーローの効果と鍛えられる部位
- 3. ベントオーバーローの正しいやり方
- 4. ベントオーバーローの重量と回数
- 5. ベントオーバーローの注意点と効率を高めるコツ
- 6. ベントオーバーローのバリエーションとやり方
- ラックの前に立ち、腰のあたりにバーベルをセットする
- バーベルを持つ手幅は、肩幅よりも少し広めに取る
- 足は肩幅ほどに開き、つま先はやや外側へ向ける
- 腹圧をかけ、ベントオーバー(前傾)の姿勢になる
- 膝を軽く曲げ、お尻を後ろに引くイメージをする
- そのまま、みぞおちとヘソの間に向けてバーを引き、戻す動作を繰り返す
- オーバーハンドグリップ(順手)
- リバースグリップ(逆手)
1. ベントオーバーローとはどのような筋トレなのか?

ベントオーバーローとはどういった筋トレなのかを簡単におさらいしておこう。
背中を鍛える筋トレの一種
「ベントオーバー」とは前傾姿勢のことで「ロー」はオールで漕ぐような動き(row)を指す。したがってベントオーバーローとは、前傾姿勢でウエイトを引き上げたり押し戻したりする筋トレという意味になる。背中の筋肉を網羅的に鍛えられるトレーニングの一種だ。
背中を構成する筋肉は数多くあるが、中でも広背筋や僧帽筋がメインターゲットになる。だがやり方次第で脊柱起立筋や大円筋、菱形筋にも刺激を与えられるため「逆三角形の広い背中がほしい」「盛り上がった肩まわりにしたい」などさまざまなニーズに対応できる。
デッドリフトとの違い
ベントオーバーローとよく比較されるのがデッドリフトだ。下にある高重量のウエイトを全身で持ち上げ直立する筋トレゆえ、瞬間的な刺激はデッドリフトのほうが強い。だがその一方で、デッドリフトによる背筋上部への負荷は意外にも低い。
したがって背中に厚みをもたせたい、肩まわりを隆起させたいといった方にはベントオーバーローが適しているといえるだろう。
2. ベントオーバーローの効果と鍛えられる部位

具体的に、ベントオーバーローをやることで得られる効果や鍛えられる部位について詳しく解説する。
効果|男らしく広い背中が手に入り、猫背改善も期待できる
ベントオーバーローに取り組むことで、上述のように背中に厚みをもたせたり、広くて男らしい背中を手に入れたりできる。肩まわりが盛り上がった見事な逆三角形を目指すことも可能だ。また背中を鍛えることにより猫背といった姿勢の改善効果も期待できる。
鍛えられる部位1|広背筋
二の腕から骨盤にかけて付いている筋肉で、たとえば歩いたり走ったりする際の腕を後ろに振る動作(伸展)などに関わっている。何かを持ち上げたり引っ張ったりする際にも使われる筋肉だ。
鍛えられる部位2|僧帽筋
首から肩にかけてひし形に付いており、上部・中部・下部に分かれている大きな筋肉だ。肩甲骨を寄せたり首をすくめたり、肩を下げたりする動作に関与している。ベントオーバーローでは主に下部が鍛えられる。
鍛えられる部位3|脊柱起立筋
首から骨盤にかけての背骨の両側に付いている筋肉で、重いものを持ち上げるとき、背中を反るときなどに関与している。外側から腸肋筋、最長筋、棘筋に分かれているが、ベントオーバーローではまんべんなく鍛えられる。
鍛えられる部位4|上腕二頭筋
二次的・補助的ではあるが、ベントオーバーローをおこなうことで上腕二頭筋を鍛えることも可能だ。肩から前腕にかけて付いている筋肉で、いわゆる「力こぶ」にあたる筋肉である。
3. ベントオーバーローの正しいやり方

続いてベントオーバーローの正しいフォームとやり方について解説する。一般的なベントオーバーローはバーベルを使うため、本稿でもこちらを紹介しよう。
バーベルを使ったベントオーバーローのフォームとやり方
バーベルを構える位置は腰のあたり〜膝の皿の上あたりをイメージしよう。重心を前に持ってくると倒れるおそれがあるので、かかと重心を意識してほしい。
4. ベントオーバーローの重量と回数

重量はどれくらいに設定すればよいのかを解説する。ただし手足の幅やバーの握り方、引き上げる方向などで鍛えられる筋肉が変わるため、重量も変化する。以下は目安として参考にしてほしい。
重量の決め方
ベントオーバーロー初心者の場合、バーベルの重さは体重の3分の1以下から始めるとよい。たとえばEZバーなら10kg程度、ダンベルなら左右それぞれ5kg程度からがおすすめだ。慣れてきたら体重の2分の1程度のウエイトにチャレンジしてみよう。
ここで重要なことは、フォームが崩れない重量に設定することである。腕を使って無理に引き上げる必要があるなら重量をかけすぎている。一旦下げて正しいフォームを確認し、徐々に高重量に挑戦しよう。
回数とセット数
初心者が体重の3分の1程度のウエイトで取り組む場合は、10回×3セット(インターバル60秒)に設定しよう。慣れてきて体重の2分の1程度のウエイトでおこなうのであれば、8回×3セット程度が基準だ。
5. ベントオーバーローの注意点と効率を高めるコツ

ベントオーバーローでケガをしないための注意点や、効果をきちんと得るためのコツをまとめたので参考にしてほしい。
肩甲骨を寄せる
ベントオーバーローのポイントは、肩甲骨を寄せて動作をおこなうことにある。腕で引いたり上半身を使ったりすると、腰を痛める原因となるため注意しよう。肩甲骨を寄せて、大きな筋肉である広背筋や僧帽筋の収縮を感じながら取り組んでほしい。
背中を丸めない
背中を丸めた姿勢も腰痛を招く原因となる。背筋は一直線に伸ばし、前傾の角度も一定に保つように意識して取り組もう。
前傾を維持する
前傾姿勢が崩れてしまうと腰痛を招くおそれがあるだけでなく、広背筋や僧帽筋の中部などにしっかり刺激が伝わらなくなってしまう。思った部位を鍛えられないことになるため、前傾姿勢をキープする重要性も理解しておこう。
呼吸を乱さない
ベントオーバーローに限ったことではないが、筋トレでは呼吸もポイントになる。バーを引くときに息を吐き、戻すときに息を吸うのが正解だ。正しい呼吸をすることで体幹が安定し、筋肉にも正しく刺激が伝わる。
バーベルの握り方で効果も変わる
バーベルベントオーバーローには主にこうした握り方がある。オーバーハンドグリップは手の甲が正面を向く握り方。僧帽筋に効かせたいとき、あるいは広背筋の収縮にも寄与するため背中に厚みがほしいという方におすすめだ。
リバースグリップはその逆で、手のひらが正面を向く握り方である。この握り方をした場合、上腕二頭筋にしっかり刺激が加わることが実感できるだろう。手幅を広げて持てば広背筋にも効かせられる。
6. ベントオーバーローのバリエーションとやり方

本稿ではバーベルベントオーバーローを紹介したが、それ以外にダンベルやマシンを使ったメニューも存在する。
ダンベルベントオーバーロー
左右の手にダンベルを持ちベントオーバーの姿勢をとる。ダンベルを膝の皿の下にセットしたら引き上げる。両肘は背中でくっつけるようにしよう。
ダンベルの最大の魅力は動作の自由度だ。握り方や角度を少し変えるだけで異なる筋肉を刺激できる。だが裏を返せば、同じ動作を繰り返しにくいともいえる。ダンベルベントオーバーローは毎回同じ軌道をたどるように意識しよう。
チューブベントオーバーロー
足を肩幅に開いて直立し、中心から均等になるようにチューブを踏む。左右均等になるようにチューブを手に持ち、ベントオーバーの姿勢になる。両手を膝の前にセットしたら、背中で肘をくっつけるように引いて戻す。
チューブを短くするほど負荷が高くなる。フォームが崩れないように注意しながら、徐々に持ち手を短くしていこう。
スミスマシンベントオーバーロー
バーの高さをいちばん下にセットしてウエイトを付ける。肩幅程度でバーベルを握ったら持ち上げる。膝は軽く曲げ、背筋を伸ばしたまま前傾姿勢をとる。バーを膝の皿の下で構えたら、みぞおちとヘソの間に向けて引く、戻すを繰り返す。
スミスマシンは軌道が固定されているなど、初心者にも扱いやすい器具だ。立ち位置を調整し、バーベルのフックが引っかかってしまわないように手首は動かさないことを意識すれば、スムーズに取り組めるだろう。
結論
ベントオーバーローは主に背中の上部を鍛える人気の筋トレである。初心者にも取り組みやすいが、やみくもに高重量を扱うことは控えよう。正しいフォームを意識することで、より効果的な筋トレとなるはずだ。握り方なども工夫すれば背中全体の筋肉を刺激できるので、自分に合う方法を見つけてほしい。
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