調味料で食のトレンドを押さえる！使い勝手のマイナー調味料！

塩系調味料のいいところのひとつに、天ぷらやフライなどの揚げものの仕上げに使っても、醤油やめんつゆのように水気が加わらずサクッとした食感を保てる点がある。まずは添えるだけでもいつもよりワンランク上の一皿になりそうな、2つの塩系調味料を紹介しよう。

世界三大珍味のひとつトリュフのフリーズドライを混ぜ込んだ、天然塩のことである。天然塩自体も上質なものが使われていることが多い。スープやパスタなどの料理の仕上げに一振りしたり、フライドポテトや焼鳥の風味付けにしても良い。目玉焼きやオムレツにひとかけすれば、いつもの朝食がホテルのレストランで食べるような仕上がりになる。おにぎりにも試してみていただきたい。

初めて耳にする方も多いだろう。エジプトを中心とする中東地方の調味料で、ナッツやゴマ、塩、スパイス、ハーブ類を混ぜ合わせている。手作りすることもできる。その際はヘーゼルナッツではなく、一般的なミックスナッツを使っても良い。サラダや炒め物に使えば、種実類特有のカリカリとした食感と香ばしさをプラスすることができるだろう。肉や魚にまぶして焼いても旨い。現地ではオリーブオイルをひたしたパンに付けても食べられている。

伝統的な和食に欠かせない醤油系だって、進化形や舶来物がある。卵かけごはんとの相性は格別だ。

じわじわと注目されつつあり、京都の料亭・下鴨茶寮のものが有名だ。使っている三年醸造醤油は香川の有名老舗・かめびし屋のもので、じっくりと熟成された醤油のまろやかな味わいと本来の旨みに、柚子と一味でスッキリと辛さを加えている。水分がないので揚げ物の食感を損なわないし、海苔に浸してべちゃべちゃになってしまうこともない。海外出張や旅行の供にもしやすい。下鴨茶寮のほかに大手メーカーや他店からもにんにく風味やわさび風味のものが販売されているので、いろいろ試してみてはいかがだろう。

3月に行われた「餃子フェス2017」の販売ブースで、みるみるうちに完売したという伝説の調味料だ。愛媛の老舗蔵・旭醤油醸造場の醤油と、同じく愛媛の名水で育てられたパクチーが生み出した、ジャンルにとらわれない一品である。その香りから好き嫌いが分かれがちなパクチーだが、ブレンドされているニンニクとごま油の香りによって強烈な香りが中和され、爽やかな部分が際立っている。今まであまりパクチーが好きでなかった人でも虜になってしまうかもしれない。冷奴や納豆に混ぜてみるなど、つけだれ以外にも結構使える。

イタリアで作られている、カタクチイワシが原料の魚醤。魚醤といえば日本のしょっつるや東南アジアのナンプラーが有名だが、それらよりあっさりとしていて塩気がまろやかなので、比較的扱いやすいだろう。スープに数滴たらせば手軽に奥深い旨みを加えることができるし、パスタソースやドレッシングにも便利だ。

定番のチリソースやタバスコをさしおいて、新たにレギュラー入りしそうな2つのホットソースを紹介しよう。どちらもただ辛いだけではない。

北アフリカ北西部・地中海沿岸のチュニジアで生まれ、ヨーロッパ各地にも広く伝わった唐辛子のペーストだ。キャラウェイ・コリアンダー・クミンといったスパイスやにんにくも練り込んでありオリーブオイルがベースとなっているため、とても香りが良く、ほんのりとした甘みや苦味もある。トマトを使った煮込み料理との相性は特に良いが、炒めものやスープ、和え物など、幅広く使いやすい。

アメリカやカナダのほとんどのアジア料理店においてある、タイ発祥のホットソースだ。もともとはシーフード料理に合わせられていたが、ハンバーガーやホットドックにかけても旨い。スリラッチャ味のポテトチップスやビールといった食品だけでなく、イメージデザインの雑貨まで販売されるほどの、爆発的な人気を誇る。ドロドロ状でタバスコほど辛くなく、砂糖と酢が入っていて旨みが強い。食べる直前に辛さを足すのが一般的だが、料理の隠し味やつけだれにするなど、用途を選ばず使うことができる。

使ってみたいものや、知らなかったものはあっただろうか。海外でもともと人気のものから、ここ数年で誕生したニューカマーまで、どれもユニークだ。ちなみに記事内では取り上げなかったが、日本で古くから飲まれている「甘酒」も、昨今ネイチャースイートソースとしてヘルシー派の注目を浴びている。甘味料で食のトレンドを押さえたいなら、ネイチャースイートソースをチェックしてみよう。