1. ゆで卵を水から作る方法
まずは基本的なゆで卵の作り方から紹介していこう。
ゆで卵を水から作る方法
- 卵は常温に戻しておく
- 鍋に、卵が完全にかぶるくらいたっぷり水を入れる
- お玉などを使って、割らないように卵を静かに入れる
- やや強めの中火で火にかけ、途中菜箸などで卵を転がす
- お好みの固さまでゆでたら火を止め、冷水にさらして殻を剥く
いろいろなゆで卵の作り方が紹介されているが、基本的にはこの手順で簡単に作れるはずなのでぜひ試してみてほしい。
ゆで時間と固さの目安
- 半熟:10〜11分
- ふつう:11〜12分
- 固ゆで:12〜13分
卵を入れて、やや強めの中火にかけてからの時間だ。卵の大きさや個数、水の量や調理器具(ガスまたはIHなど)、それに微妙な火加減などによって変わってくるが、おおよその目安としてこれくらいと思っておこう。何度か繰り返すうちに、自分好みの固さに仕上がる時間が分かってくるだろう。
2. ゆで卵をお湯から作る方法
「ゆで卵は水から作るもの」と思っている方も多いかもしれないが、お湯から作ることも可能だ。お湯で作ると、お好みの固さに調節しやすいという利点がある。
ゆで卵をお湯から作る方法
- 鍋に、卵が完全にかぶるくらいまでたっぷり水を入れて火にかける
- ゴボゴボと沸騰してきたら、冷蔵庫から卵を取り出す
- お玉などを使って、割らないように卵を静かに入れる
- 途中菜箸などで卵を転がしながら、お好みの固さまでゆでる
- 火を止めたら冷水にさらし、粗熱を取ってから殻を剥く
熱湯から作る場合は、とくに卵を常温に戻さなくてもよい。水から作ると沸騰するまでの時間や熱、鍋の大きさや水の量などさまざまな要因によって仕上がりが変わるため、狙った固さにならないことがある。その点、お湯は最初から沸騰しているので失敗しにくい。
ゆで時間と固さの目安
- 半熟:6〜7分
- ふつう:8〜10分
- 固ゆで:10〜12分
こちらは熱湯に卵を投入してからの時間だ。水から作る場合と同じように、卵の大きさや個数、水の量や火加減などによって変わる。上記は目安としていただき、お好みの固さに仕上がる時間を見つけていこう。
3. ゆで卵の殻の剥き方と切り方
ゆで卵は作れるが殻が上手に剥けない、という方もいるだろう。身が凹凸になってしまうショックは、おそらく多くの方が経験しているはずだ。そこで、上手に殻を剥くコツとキレイな切り方も紹介しておこう。
上手な殻の剥き方
ゆで方あがった卵は冷水にさらすとお伝えした。その際、シンクや鍋の角などで殻にヒビを入れよう。このヒビは1箇所ではなく、やや多めに入れるイメージでよい。ヒビが入ったら流水に当てつつ、殻を剥いていけばOKだ。殻と身の間に水が入り、意外とすんなり剥けるのでぜひ試してみてほしい。
キレイに切る方法
とくに決まりはないため包丁やスライサーで構わないが、断面を見せるときなどはキレイに保ちたいところだろう。その場合、裁縫用の手縫い糸を適当な長さに切ってゆで卵に巻きつけ、糸の両端を引っ張るようにするとキレイにカットできる。
4. ゆで卵作りでよくある疑問と答え
続いて、ゆで卵を作るうえでよくある疑問についてお答えしていく。
黄身を真ん中に寄せるには?
せっかくうまくゆで卵が作れても、黄身が偏っていると少し残念な気持ちになる。真ん中に寄せるには、菜箸などで静かに転がしてあげることだ。激しく転がすと卵同士がぶつかったり、鍋肌にぶつかったりして割れてしまうおそれがあるため気をつけよう。
白身が流れ出るのを防ぐには?
ゆで卵を作っている途中、殻にヒビが入って白身が流れ出てしまった経験はないだろうか?完全に防ぐのは難しいかもしれないが、ゆでる水に「酢」を加えておくと軽減できる。酢にはたんぱく質を固まらせる作用があるためだ。大さじ1杯くらいを目安にするとよいだろう。
殻をツルンと剥くコツは?
殻にヒビを入れて、流水に当てながらやると意外とすんなり剥けるとお伝えしたが、実はその前にも大切なポイントがある。それは「急冷」だ。ゆであがった卵を氷水に浸して急速に冷やすと、身が締まって殻とのすき間が生まれやすくなる。そこへ水が入ることで、ツルンと剥けるようになる。
新しい卵より古い卵のほうが剥きやすい?
結論としては「古い卵」のほうが殻が剥きやすいとされている。卵の内部には炭酸ガスが存在するのだが、新しい卵にはその炭酸ガスが多く含まれており、ゆでると中から白身を圧迫するという。これにより白身と薄皮がくっつき、剥きにくくなるというわけだ。「ゆで卵 炭酸ガス」などで検索してみると詳しい情報が見つかるだろう。
ゆでる前に穴をあけるとどんな効果が?
生卵のお尻(ふくらみがある方)に小さな穴をあけてからゆでると、殻が剥きやすくなるといわれている。だが必ずしも、穴をあけたほうが剥きやすいということはないようだ。ゆで卵を複数作るのであれば、そのうちいくつかに穴をあけてみて、あいていないゆで卵と剥きやすさを比べてみてはいかがだろうか。
卵は常温?冷蔵のまま?
常温に戻すべき、冷蔵庫から出してすぐでよいなどいろいろな意見がある。ゆで卵の作り方で「これが正解」というものはなさそうだ。ただし水からゆでる場合、常温に戻すことで卵と水の温度が近くなり、ゆで時間の短縮になるといった意見や、お湯からゆでる際も温度差が小さくなり割れにくいといった意見がある。だが本稿で紹介したお湯から作る方法は、冷蔵庫から出してすぐに鍋に入れるものだ。やはり、何度か試してうまくいく方法を選ぶのがよいだろう。
電子レンジで加熱すると爆発する理由は?
電子レンジの特徴は、対象物を中心から温めるところにある。卵が温まると、黄身の水分は蒸気化する。しかし黄身は白身と固い殻に覆われているため、蒸気が外に逃げられず熱膨張が発生する。その結果、殻が破裂するというわけだ。
5. ゆで卵を使うおすすめレシピ
ゆで卵はそのまま食べても塩をふっても美味しい。マヨネーズをかけて食べるのが好きという方もいるだろう。だがほかにも美味しい食べ方があるので、興味があれば作ってみてほしい。
味付け卵(煮卵)
ジッパー付きの密閉袋などに醤油と砂糖、水を入れて混ぜ合わせ、殻を剥いたゆで卵を入れる。そのまま半日ほど冷蔵庫に入れておき、味が染み込めば完成だ。
スコッチエッグ
半熟よりもさらに柔らかめのゆで卵を使う。殻は剥いておこう。ボウルにひき肉と塩・黒こしょう・ケチャップ・フレンチマスタード・すりおろしにんにくなどを入れて練り込み、ラップの上に1個分ずつ広げておく。ゆで卵に小麦粉をまぶしたら肉ダネで包み、冷蔵庫で1時間ほど冷やす。取り出したら小麦粉・溶き卵・パン粉をつけ、160℃に予熱した油で7分を目安に揚げれば完成だ。
鶏肉とネギの煮物
半熟卵を使用する。同じように殻は剥いておこう。鶏もも肉を食べやすい大きさに、ネギは4cmくらいにカットする。このとき生姜も薄切りにしておこう。鍋に油をひいたらネギを焼き色がつくくらいまで加熱し、鶏もも肉と醤油・砂糖・だし汁・しょうがを入れて煮込む。鶏もも肉に火が通ったら酒と醤油・みりんを加え、さらにひと煮立ちさせて火を止める。あとは、ゆで卵を投入してキッチンペーパーなどを落とし、粗熱を取る。時間に余裕があれば、ひと晩などそのままにしておくとよいだろう。
6. ゆで卵の作り方〜裏ワザ編〜
ここまで、ゆで卵の「基本的な作り方」を紹介してきたが、最後にちょっとした裏ワザも紹介しよう。水から作る場合に、少量の水で作る方法である。水の量が少ないので、沸騰までの時間も短く済むメリットがある。
少ない水でゆで卵を作る方法
- 鍋(フライパン)の底に卵を並べる
- 鍋(フライパン)に1cmほど水を入れて強火にかける
- 沸騰したら中火に変え、蓋をして3分茹でる
- 火を止めて3分(半熟)から6分(固ゆで)放置する
卵は重ねず、鍋またはフライパンの底に並べるのがポイントだ。また放置したあとは、冷水に浸さずそのままで殻がキレイに剥ける。火傷にはくれぐれも注意しながら剥いていこう。
結論
お伝えしてきたように、ゆで卵作りには「水から」「お湯から」「常温に戻す」「冷蔵庫から出してすぐ」などいろいろパターンがある。やはり何通りか試して、自分がもっともうまく作れる方法を見つけるのが早いだろう。ぜひ本稿を参考にしていただき、ゆで卵作りをマスターしてほしい。
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