1. パンナコッタとは?

そもそもパンナコッタとはどんなデザートなのか、簡単におさらいしておこう。
イタリア・ピエモンテ州の伝統的なデザート
パンナコッタはイタリア語で「調理したクリーム」といった意味を持つ。文字通り、生クリームや牛乳をゼラチンで固めたデザートだ。ツルンとした柔らかい口当たりと濃厚な甘さに、ふと食べたくなる方も多いだろう。ご家庭で作るのはハードルが高いと思われがちだが、材料が少なく揃えやすいうえ調理も簡単なので、お菓子作りが初心者という方におすすめだ。
パンナコッタの歴史
詳しい資料は残されておらず、また諸説あるが、1900年代初め頃にハンガリー人の女性が作ったものが起源といわれている。
日本でのブームは1990年代
1990年代に入り、アメリカでパンナコッタがブームになった。同じように日本でも、1992年にサントリーが即席パンナコッタ(業務用粉末)を発売し、1993年には森永乳業がカップに入ったパンナコッタを発売するなどした。これがブームの始まりとされており、カフェやファミレスなどでも徐々にメニューに登場するようになっていったという。
2. パンナコッタの作り方

下ごしらえから完成まで、実際にパンナコッタを作る過程を見ていこう。下ごしらえといっても、手間がかかる作業ではない。安定した味を出すためにも忘れずにしておこう。
材料(カップ2個分)
- 牛乳:100cc
- 生クリーム:100cc
- ゼラチン:2.5〜3g
- グラニュー糖:大さじ1.5杯
- ラム酒:少量
- バニラビーンズ(種とさや):適量
ラム酒やバニラビーンズはなくても作れるが、ここでは使う前提で解説させていただく。それ以外は、パンナコッタ作りに欠かせない食材だ。スーパーで買える一般的なもので十分美味しくできるので、まずはとにかく、パンナコッタ作りにチャレンジし、慣れてきたら牛乳や生クリームなどにこだわるとよいだろう。
下準備
手順は2つある。1つは、ゼラチンを水に入れて十分にふやかしておくことだ。ふやかしが不十分では、材料を混ぜ合わせる際にゼラチンが塊になってしまうので注意しよう。もう1つは、バニラビーンズに切り込みを入れて中の小さく黒い種を取り出し、種とさやに分けておくことである。種とさや、どちらもも使うので捨てないようにしよう。
パンナコッタの作り方
- 鍋に、ゼラチン以外の材料を入れて中火にかける
- 沸騰させないように注意しながら煮詰めていく
- グラニュー糖がしっかり溶けたら火を止める
- バニラビーンズのさやを取り出す
- ふやかしたゼラチンを加え、余熱を利用して溶けるまで混ぜ合わせる
- 仕上げの風味づけにラム酒を小さじ1杯弱ほどを加えて混ぜる
- 全体にとろみがつき、粗熱が取れたら型に流し入れる
- 冷蔵庫で冷やし固めれば完成
慣れた方なら、下準備を済ませておけば5分ほどで作れる。ゼラチンをしっかりふやかしておくことと、煮詰める際に沸騰させないように気をつけることがポイントだ。冷蔵庫に2〜3時間ほど入れておけば固まるので、取り出してみんなでいただこう。
3. パンナコッタにプラスすると美味しい食材

パンナコッタは少ない材料で簡単に手作りできる分、味もシンプルである。飽きのこないよう、いろいろな食材をプラスして味わいに変化をつけるとよいだろう。
おすすめの食材
- バニラビーンズ(バニラエッセンス)
- ヨーグルト
- 練乳
これらをパンナコッタにプラスすると、さらに美味しく仕上がる。もちろんなくても問題ないが、味に深みを出したいときなどはいずれかを加えてみよう。とくに、本格的な味に仕上げたいときはバニラビーンズがおすすめだ。少量でも用意しておくだけでワンランク上の味になる。
4. パンナコッタを格上げするアレンジレシピ

パンナコッタそのものも十分に美味しい。牛乳の風味がほんのり香る、ミルク好きにはたまらない1品だ。だが一方で、物足りなさを感じる方もいるだろう。そこで最後に、いつものパンナコッタを格上げするおすすめのアレンジレシピを紹介する。
カットフルーツ添え
キウイやバナナ、パイナップルなど好きなフルーツを切って添えるだけなので簡単だ。手軽にもかかわらずパンナコッタが一気に豪華になるうえ、フルーツの味も楽しめる。ぜひ試してみてほしい。
チョコレート風味
牛乳と生クリームに、チョコレートを溶かして混ぜ込むだけという手軽さが魅力だ。砂糖を加えるかどうかは、チョコレートの甘さによって調整するとよいだろう。
キャラメルソースがけ
パンナコッタはどちらかといえば淡白な味なので、濃厚なキャラメルソースがよく合う。グラニュー糖・生クリーム・バターがあれば簡単に作れるので、ぜひパンナコッタと一緒に作ってみてほしい。
イチゴソースがけ
水で洗ったイチゴに砂糖・レモン汁を加えて混ぜ合わせる。電子レンジで加熱し、イチゴを軽くつぶしたら絶品ソースに早変わりだ。手間だという方は、イチゴジャムをかけるだけでもパンナコッタの美味しさが引き立つだろう。なおここではイチゴソースを紹介したが、好きなフルーツでソースを作っていただいてOKだ。
結論
パンナコッタは味がシンプルゆえ、さまざまなアレンジを楽しむことができるデザートだ。紹介してきたように作り方は非常に簡単である。お菓子作りが初めての方も抵抗なくチャレンジできるはずなので、ぜひ、オリジナルのパンナコッタを発明してみよう。