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「韓国冷麺」と「盛岡冷麺」の違いは?その関係に迫る!

「韓国冷麺」と「盛岡冷麺」の違いは?その関係に迫る!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 南城智子(なんじょうさとこ)

鉛筆アイコン 2021年5月20日

冷麺といえば、何といっても、ゴムのように強いコシである。あれほど弾力のある麺料理はほかにはないだろう。そうめんや冷やし中華とはまた違う食感と味付けで、夏の暑い時期の人気メニューである。また、私たちの生活の中にある冷麺には、韓国冷麺と盛岡冷麺があることをご存じだろうか。これらはかなり趣が違っている。さらに、韓国冷麺にも大きく分けて2種類あり、それぞれまったく違うタイプのメニューである。

  

1. 韓国冷麺「咸興冷麺」の特徴とは?

冷麺は韓国語で「ネンミョン」という。韓国冷麺は、じつは大きく分けて2種類ある。咸興冷麺と平壌冷麺だ。同じ冷麺でも地域によって大きな違いがある。
咸興冷麺は、コチュジャンをベースとした赤くて辛いタレで和えた麺料理だ。スープがないのが特徴で、まぜそばのようにしてタレを絡ませて食べる。コシが強い麵は、じゃがいもやさつまいも、トウモロコシなどのデンプンで作られている。刺身が具としてのっている場合もある。

2. 韓国冷麺「平壌冷麺」の特徴とは?

平壌冷麺は、咸興冷麺に比べたらではあるが、比較的柔らかい麵が使われている。麺には、そば粉と緑豆粉が入っていて黒っぽい。日本のそばをぐっと細くしたような細麺である。
スープは、キジ肉などでとった出汁に、トンチミという大根の水キムチの汁が入ったもの。スープの色に赤みはなく、薄い茶色っぽい色に仕上がっている。盛り付けた印象は、地味な色合いながらもシンプルで端正な装い。カラシと酢を加えて食べるのが美味しさの秘密だという。
近年では夏の暑い時期に食べられているが、昔は寒い季節に温かいオンドルで食べられていたという。また、冷麺は結婚式などで供される、おもてなしのメニューだったそうだ。

3. 盛岡冷麺の特徴とは?

盛岡冷麺の麺には、基本的に小麦粉と緑豆のデンプンが使われていることが多い。つるつるとした舌触りと、強いコシが特徴で、見ためは半透明だ。これは小麦粉を使っているためである。

スープは牛骨と鶏ガラからとった出汁だが、添えられたキムチの色が移って、赤みを帯びた鮮やかな色合いになっていることが多い。
トッピングには、店によっては果物が添えられていることが特徴で、りんごやスイカ、梨といったものが定番である。これらは茹で卵とともに、見ためを華やかにすると同時に、スープの辛みを和らげる役割もあるという。

盛岡冷麺は、盛岡にある「食道園」が元祖である。昭和29年に朝鮮半島の出身で麺職人である青木輝人氏が生み出したメニューである。朝鮮半島を代表する韓国冷麺2種を融合させて作った。

咸興冷麺と平壌冷麺のそれぞれの特徴を知れば、盛岡冷麺が、両者のいいとこどりをしたことがよくわかるだろう。それでも当初はそば粉の入った色合いや、麺の弾力が不評だった。改良を重ねて辛み、塩味、甘み、酸味といった味の要素のバランスを整えていくうちに、いつしか、ほかにはない味、やみつきになる味と評判になった。ジャジャ麵も有名な麺の街、盛岡だが、盛岡冷麺も全国区の人気を誇るようになった。公正取引委員会が承認する特産・名産麺料理10品目の中のひとつに選出されている。

結論

盛岡冷麺は、朝鮮半島にルーツを持ちながらも、日本でオリジナル開発されたメニューだということが分かった。それも、朝鮮半島にある2つの冷麺のいいところを合わせたものがベースとなっている。茹で卵や果物がのっているのは、日本独自の発展のようである。昔は冷麺が寒い季節に食べられていたことを考えると、冬に暖房のきいた暖かい室内で食べるというのもなかなかオツなのかもしれない。

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  • 公開日:

    2019年4月 6日

  • 更新日:

    2021年5月20日

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