1. わらび餅の正しい保存方法と傷みやすい理由
わらび餅は冷暗所で保存するのが本来の正しい保存方法だ。手作りならその日中に、市販品なら賞味期限内に食べきろう。そもそもわらび餅は日持ちしない和菓子であり、正しい保存方法に従わないとすぐにカビが生えたり傷んだりしてしまう。
■わらび餅が傷みやすい原因
わらび餅がすぐに腐敗してしまう原因は、傷みの要因となりやすい水分とでんぷん質の割合が多いせいだ。わらび餅の原材料は山菜の蕨から精製される本蕨粉で、成分のほとんどがでんぷん質なのである。
なお、この本蕨粉はいまや1kg数万円もするほどの希少な食材なため、市販のわらび餅やわらび餅粉には、安価な芋由来の加工でんぷんも使われている。しかし、本蕨粉のみでも加工でんぷんを混ぜたものでもでんぷんの量には大差なく、わらび餅が日持ちしないことには変わりない。
なお、この本蕨粉はいまや1kg数万円もするほどの希少な食材なため、市販のわらび餅やわらび餅粉には、安価な芋由来の加工でんぷんも使われている。しかし、本蕨粉のみでも加工でんぷんを混ぜたものでもでんぷんの量には大差なく、わらび餅が日持ちしないことには変わりない。
■市販のわらび餅は賞味期限が長い
コンビニやスーパーなどで販売されているわらび餅のなかには、低温殺菌を施して賞味期限を20日程度と長く設定しているものもある。また、通販では冷凍したわらび餅が届けられ、食べる前に解凍を促している商品もある。これらは賞味期間が比較的長いとはいえ、いずれも販売会社が設定している正しい保存方法を確認し、賞味期限を厳守することが大切だ。
2. わらび餅を冷蔵保存したらどうなる?
わらび餅をどうしても食べきれなかった場合、仕方なく冷蔵保存してしまうこともあるだろう。この場合、指定された賞味期限を超えなければ、2~3日は冷蔵可能だ。なるべく空気に触れないよう密閉できる容器に入れて保存しよう。
しかし、冷蔵保存したわらび餅は透明感が失われ、食感もナタデココのように固くなる。食べられないわけではないが、美味しさは欠けてしまうのだ。これはわらび餅に含まれるでんぷんの劣化が原因だ。でんぷんは加熱することで美味しく食べられる状態となる一方で、温度が下がると、固く、旨みがない状態になってしまう。でんぷんの老化現象ともいわれるこの状態を引き起こしてしまう冷蔵保存は、わらび餅の保存方法としてよいとは言えないだろう。
しかし、冷蔵保存したわらび餅は透明感が失われ、食感もナタデココのように固くなる。食べられないわけではないが、美味しさは欠けてしまうのだ。これはわらび餅に含まれるでんぷんの劣化が原因だ。でんぷんは加熱することで美味しく食べられる状態となる一方で、温度が下がると、固く、旨みがない状態になってしまう。でんぷんの老化現象ともいわれるこの状態を引き起こしてしまう冷蔵保存は、わらび餅の保存方法としてよいとは言えないだろう。
3. 冷凍保存できないわらび餅の特徴
冷蔵と相性の悪いわらび餅だが、冷凍なら保存可能だ。密閉容器に入れて冷凍すれば1ヶ月ほど保存できる。ただし、わらび餅によっては解凍した際にボソボソした食感となり、とても美味しく食べられたものではない。これは冷凍時に水分が凍り膨張することでわらび餅の組織がダメージを受け、解凍時に破壊された組織から水分が抜けてしまうために起こる変化だ。
このように冷凍保存できないわらび餅と、解凍してもぷるぷるの食感を保っているわらび餅との違いは、砂糖の量だ。砂糖には水分を保持する力があり、餅自体に練り込むことで、冷凍してもぷるんとした状態を保ちやすい。なお、普通の砂糖だけでなく甘味料のトレハロースを入れるのもおすすめだ。トレハロースは糖類のなかでもとくに保湿性が高いため、冷凍したわらび餅でもよりよい食感をキープできるだろう。
このように冷凍保存できないわらび餅と、解凍してもぷるぷるの食感を保っているわらび餅との違いは、砂糖の量だ。砂糖には水分を保持する力があり、餅自体に練り込むことで、冷凍してもぷるんとした状態を保ちやすい。なお、普通の砂糖だけでなく甘味料のトレハロースを入れるのもおすすめだ。トレハロースは糖類のなかでもとくに保湿性が高いため、冷凍したわらび餅でもよりよい食感をキープできるだろう。
4. 冷凍わらび餅の解凍方法
冷凍わらび餅の解凍方法は自然解凍がおすすめだ。冷蔵庫には移さず、常温の室内に出しておこう。気温にも左右されるが、この方法ならだいたい2時間程度で解凍できる。冷蔵庫でも解凍は可能だが、わらび餅は冷やしすぎると食感が硬くなってしまい、美味しく食べられない。「わらび餅は冷やしすぎないように食べる」という方法は、和菓子屋の世界では常識でもあるため、覚えておいて損はないだろう。
結論
元来作ったその日に食べるのが一番美味しいとされてきたわらび餅だが、冷凍保存も可能である。ただし、冷凍中も少しずつわらび餅は劣化していく。冷凍したわらび餅はなるべく早く食べきり、再冷凍はしない点にも気を付けてほしい。その食感がなるべく活きている内に美味しいわらび餅を味わおう。