目次
1. グァバとは?

グァバ(Guava)とは、熱帯アメリカ原産のフトモモ科バンジロウ属の植物である。また、その果実は食用であり、日本ではトロピカルフルーツの一種として知られている。果肉は赤色と白色の2つが一般的で、赤色のものはねっとりとした食感、白色のものはシャリシャリとした食感が特徴となっている。大きさは5~10cm程度のものが多く、見た目は球形・楕円形・洋ナシ形などさまざまある。
グァバの名前の由来と別名
日本で呼ばれている「グァバ(Guava)」は英語をもとにした発音だが、このグァバはもともとスペイン語の「Guayaba」が語源とされている。また、グァバの和名は「蕃石榴(ばんじろう・ばんざくろ)」であり、沖縄県では「バンシルー」などと呼ばれることもある。
グァバの主な産地と生産量
グァバは、紀元前800年頃にはインディオが食べていたとされている。それから16世紀頃に東南アジアやなどに伝わり、17世紀頃に台湾や日本(沖縄県)などにも伝わったとされている。国際連合食糧農業機関によれば(※1)、2019年のグァバ等の生産量はインドが2563万トンで最も多く、インドネシア(329万トン)、中国(258万トン)と続いている。また、日本は3376トンとなっている。
2. グァバの特徴や魅力とは?

グァバの特徴には「数多くの品種があること」「香りがよくて加工に向いていること」「葉っぱはお茶として楽しめること」などがある。そんなグァバの特徴や魅力について確認しておこう。
その1.品種によって味わいが変わる
グァバの仲間には160種類以上の品種があり、それぞれ味わいや食感などが異なる。また、主な品種であるグァバ(バンシルー)の中にも、果肉が赤色の「赤肉種」と果肉が白色の「白肉種」の2種類がある。いずれも爽やかで甘い香りが楽しめるが、赤肉種はねっとりとした食感、白肉種はシャキシャキとした食感が特徴となっている。なお、食味はやや薄く、物足りなさを感じることもある。
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その2.加工しても美味しく食べれる
グァバは香りが豊かであるため、ジュース・ソース・ジャム・シャーベットなどに加工されることが多い。また、このような加工品は日本でも多く流通してるため、比較的簡単に入手することが可能である。生のグァバを手に入れたときは、そのまま生食するのもよいが、裏ごししてジュースやジャムにするのもおすすめだ。グァバジュースの作り方については以下のページで確認してみよう。
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その3.葉はお茶として楽しめる
グァバの葉っぱは「グァバ茶」として飲むことも可能だ。グァバ葉の独特な香りとスッキリとした味わいが楽しめることが特徴で、栄養成分として「ポリフェノール」も含んでいるという。また、グァバ茶はカフェインを含んでいないという特徴がある。もしグァバ茶を楽しみたいなら、ECモールなどで探してみよう。また、グァバ茶の淹れ方などは以下のページで確認してみよう。
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3. グァバの基本的な栄養素

文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」には(※2)、「グァバ(生)」と「グァバ(果実飲料)」の栄養価が収録されている。また、グァバ(生)には「赤肉種」と「白肉種」の栄養価がそれぞれ収録されている。ここでは基本の「グァバ(生/赤肉種)」の100gあたりの栄養価を紹介する。
グァバ100gあたりの栄養価
- エネルギー:33kcal
- たんぱく質:0.6g
- 脂質:0.1g
- 炭水化物:9.9g
- ビタミン
・βカロテン:580μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.3mg
・ビタミンK:2μg
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB2:0.04mg
・ナイアシン:0.8mg
・ビタミンB6:0.06mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:41μg
・パントテン酸:0.32mg
・ビオチン:-
・ビタミンC:220mg - ミネラル
・ナトリウム:3mg
・カリウム:240mg
・カルシウム:8mg
・マグネシウム:8mg
・リン:16mg
・鉄:0.1mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.06mg
・マンガン:0.09mg
・ヨウ素:-
・セレン:-
・クロム:-
・モリブデン:- - 食物繊維:5.1g
(・水溶性食物繊維:0.7g)
(・不溶性食物繊維:4.4g)
4. 美味しいグァバの選び方

生のグァバは流通量が多くないため、一般的なスーパーなどでは見かける機会が少ない。しかし、産地である沖縄県では、旬の7~9月頃に店頭に並ぶこともある。もし自分でグァバを選べる場合は、以下のポイントを参考に美味しいものを見極めるようにしよう。
美味しいグァバを選ぶポイント
- 皮:ハリがあり緑色のもの(すぐに食べたい場合は黄色いもの)
- 見た目:ふっくらとしているもの
- 重さ:持ったときに重量感があるもの
5. グァバの基本的な食べ方

グァバはジャムやジュースなどにして食べることが多いが、熟したものはそのまま食べることも可能である。生食する場合は皮ごと食べることもできるが、食感や味わいが気になる場合は皮を剥いてから食べよう。グァバの皮を剥いて食べる場合は、以下に紹介している方法・手順を参考にしよう。
グァバの食べ方・手順
- グァバを丁寧に水洗いする
- 縦方向に半分にカットする
- スプーンでワタと種を取り除く
※必要に応じて皮を剥いておく - 5mm幅にスライスしたら完了
6. グァバの正しい保存方法

生のグァバは、未熟か完熟かで保存方法が異なる。美味しく食べるためにも、以下の保存方法を参考にグァバの状態に応じた正しい方法で保管しよう。
未熟なグァバの保存方法
未熟なグァバは硬くて美味しくないため、冷暗所などに置いておき追熟させよう。追熟させる際は乾燥を防ぐために、新聞紙やキッチンペーパーなどで包んでからポリ袋に入れるとよい。また、温度が低いと追熟しないことがあるため、直射日光を避けつつ20~25℃程度の場所に置いておこう。
完熟したグァバの保存方法
完熟してグァバから甘い香りがするようになったら、冷蔵庫の野菜室に移して保存しよう。冷蔵保存する場合も新聞紙やキッチンペーパーに包み、ポリ袋などに入れておくとよい。なお、完熟したグァバはあまり日持ちしないため、できる限り早めに食べ切るようにしよう。
7. グァバの主な入手方法

グァバは、一般的なスーパーではあまり見かけない。そのため、新鮮なグァバが食べたいなら、グァバ農家などが運営しているオンラインショップを利用するのがおすすめだ。日本のグァバは沖縄県産や石垣島産のものが多く、一般的な出荷時期は7月末~9月頃となっている。旬の時期を逃すと入手が難しくなってしまうので、定期的にサイトを確認したり、予約注文を利用したりしよう。
結論
グァバはトロピカルフルーツとして有名であるが、日本ではジュースやジャムなどの加工品として売られていることが多い。生の状態ではなかなか出回っていないが、旬の7~9月頃であれば入手しやすい。 もし興味があればオンラインショップなどで探してみて、生のグァバ特有の食感や香りなどを楽しんでみよう。
【参考文献】
- ※1:FAO「国際連合食糧農業機関統計データベース」
http://www.fao.org/faostat/en/#data/QCL - ※2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
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