1. ドイツ、ライン渓谷が原産地のリースリング

シャルドネ種、ソーヴィニヨン・フラン種と並んで、白ワイン用のぶどうとして高名なリースリング。ドイツから国境を越えたフランス、またイタリアやアメリカなど、世界各地で広く栽培されている。寒さに強いとされるリースリングは、栽培される土地の土壌や気象条件によってさまざまな味を生み出す。
■起源は古代ローマ時代に
近年の研究によれば、リースリングはローマ帝国時代に栽培されていた「Argitis Minor」という品種が先祖といわれている。ドイツのライン渓谷が原産であり、生産されたワインはライン川を流通する船によって各地へと輸出されていたという。
現在もドイツのモーゼルやファルツ地方では、とくにリースリングの銘酒が多いとされている。モーゼル地方では、60%がリースリングで占められている。また、フランス北東部、ライン川とヴォージュ山脈にはさまれたアルザス地方でも、リースリングの栽培が盛んで、高名なワインを生み出している。別名に、「ヨハニスベルガー」「ホッホハイマー」「カステルベルガー」などがある。
現在もドイツのモーゼルやファルツ地方では、とくにリースリングの銘酒が多いとされている。モーゼル地方では、60%がリースリングで占められている。また、フランス北東部、ライン川とヴォージュ山脈にはさまれたアルザス地方でも、リースリングの栽培が盛んで、高名なワインを生み出している。別名に、「ヨハニスベルガー」「ホッホハイマー」「カステルベルガー」などがある。
■寒さに強いたくましさが特徴
日本を含めて、世界各地に普及したリースリング。晩熟で霜に強いため、収穫の時期や醸造方法によって辛口から甘口まで幅広い味わいを生み出す。リースリングはまた、生産地の気象条件を反映する品種とされ、産地ごとにバラエティーに富んだワインが生産されているのである。現在はシャルドネとソーヴィニヨン・ブランとならんで、白ワイン3大ぶどうのひとつに数えられている。
2. シャープな酸味と果実味が特徴のリースリング

ゲルマンの地を原産とするリースリングは、それにふさわしい力強さが特徴の品種である。世界各地に栽培が普及したため、一概にリースリングから生まれたワインの特徴を述べるのは難しいが、概要を見てみよう。
■茶色の斑点が目印
リースリングは、比較的小さい果粒をもつ白ブドウである。果皮は厚く、淡い黄金色または緑色をしている。実が熟してくると、茶色い小さな斑点がつくのが特徴である。ブドウの房は小さめで、晩熟である。冷涼な気候と痩せた土地で生命力を発揮し、高品質のワインを生み出すとされている。
■シャープな酸味と果実味
リースリングは、土壌や気候の相違によって味わいが大いに異なる。軽い辛口のタイプから、遅摘みや貴腐ぶどうによる甘口、発泡酒まで、味わいの幅は非常に広い。一般的には鋭い酸味とジューシーな果実味が持ち味といわれている。ミネラル分が豊富で、熟成が進むとはちみつのような香りを漂わせることもある。リースリング種が全体の60%を占めるドイツのモーゼルでは、特有の粘板岩風化土壌による栽培から、ほかの産地とはひと味違うフルーティーさとキレのよさを生み出している。
3. リースリングを美味しく飲むために

リースリングは辛口から甘口まで味わいの範囲が広いため、合う料理も銘柄によって異なる。リースリングの特徴でもある酸味とミネラル感がもたらすアロマは、ホタテやエビ、ウニなどの甲殻類ととくに相性がよいといわれている。あっさりとした味付けの魚料理、鶏肉料理とも美味しく味わうことができる。近年の和食ブームから、天ぷらなどの和食ともよく合うという意見も多い。
結論
古代ローマ時代にまでさかのぼる歴史を持つリースリング。ドイツのライン川流域から、フランスのアルザス地方にかけて名産地が多い。寒冷な気候、痩せた土地でも、強い生命力を発揮するリースリングは、鋭い酸味とフルーティーな味わいを生み出す。日本でも栽培されており、1990年以降にその人気を高めてきた。幅広い味を生み出すリースリング、料理や気分に合わせて好みの銘柄を見つけるのも楽しいだろう。