1. 新米と古米

新米の印
そもそも新米と古米には、どんな違いがあるのだろう。実は、これらの米には2つの定義が存在する。我々が普段よく見る米の袋に貼られた新米の表示。これは収穫年度の12月31日までに精米、または玄米のまま容器に入れられたか包装されたものにだけつけられる名称だ。これは食品表示法の食品表示基準で定められている。
新米と古米
もう1つは、食糧法に基づき定められた米穀年度がある。これは毎年11月1日を境に、そこから1年間に収穫された米を新米、前年の年のものを古米、前々年のものを古古米と呼ぶのだ。
ややこしい定義
上記2つの定義を合わせて考えるとかなりややこしい。たとえば平成30年の9月に収穫され、11月に袋詰めされた米も古米になるという事態が起きてしまうのだ。今回の記事内では今年度収穫されたものを新米、昨年度収穫されたものを古米と定義してお届けしていくこととする。
2. 新米と古米の美味しさ

新米が美味しいわけ
新米が美味しいといわれる理由は、その水分量にある。水分量が多いと艶、そして粘り気のある炊き上がりになるといわれている。さらに味わいもみずみずしく、甘みが強く感じられる。米は精米した瞬間から、時間の経過とともに水分量がどんどん減少していく。すなわち日が経つにつれ、新米特有の美味しさは減少していくというわけだ。
古米の美味しさ
新米が美味しいと古米がまずいは、決してイコールではない。保存技術が向上したこともあり、近年の古米は以前に比べても十分に美味しい。さらに新米のような甘みや粘り気が少ないので、寿司飯やチャーハンなどには、古米の方が向いているのだ。固めのあっさりしたごはんが好きという理由で古米を食べる人も事実、存在するくらいだ。
賢く使い分ける
新米と古米、それぞれに利点があるので、上手に使い分けるのが懸命。ごはんそのものの美味しさを楽しみたいのであれば、新米を選ぼう。新米の時期でなければこのあと紹介する方法でふっくら炊き上げることをおすすめする。逆に硬く粘り気のない米が必要な場合は、古米を使用するといい。
3. 古米を美味しく食べるテクニック

基本に忠実に
まずは、酸化したヌカがきちんと落ちるようしっかりと研ぐこと。このひと工夫でも味わいに違いが生まれる。次に夏場は30分、冬場は1~2時間の浸水時間を確保すること。米自体の水分量が減っているので、しっかりと給水させることでふっくらとした炊き上がりが期待できる。
+酒でふっくら
古米を新米のようにふっくら炊き上げたい場合に使えるのが、料理酒。量は2~3合の米に小さじ2杯ほど加え、そのあとに水分量を加減するだけ。料理酒に含まれる糖分が甘みをもたらす秘訣。ふっくら感にもかなり違いが生まれる。
+ハチミツで甘みUP
米にハチミツ!?と驚く人も多いかもしれない。ふっくら甘みのある炊き上がりを目指す場合に、ハチミツも使える食材なのだ。ハチミツには強い保水力があるので、米に混ぜることで、水分が十分に浸透するといわれている。量は2~3合の米に小さじ1杯ぐらいでOK。固まりやすいのでよく混ぜることがポイントだ。
結論
新米、古米ともに利点があるので、上手に使い分けしよう。古米はふっくら炊き上げることもあっさり炊き上げることもできるポテンシャルの高い米ととらえ、賢く活用していきたい。