【管理栄養士監修】ズコットのカロリーと糖質｜栄養図鑑

スタンダードなレシピで作られたズコットのカロリーは、スポンジのなかに詰めるクリームによってカロリーが変わるが、およそ423kcal。このカロリーは、ナッツやチョコレート・生クリーム・クリームチーズで作る場合を想定して算出している。実際、飲食店のデザートとして提供されるズコットも、400kcalを超えているものが多い。
厚生労働省や農林水産省によると、1日の間食として目安なカロリーは200kcalであり、ズコットはこのカロリーを大幅にオーバーしていることが分かった。

ズコットを食べる際は、カロリーだけでなく栄養素にも気を付けなければならない。と言うのも、ズコットには三大栄養素の1つである「脂質」が多く含まれているからだ。私たちが1食あたりに摂取したい脂質量の目安は20g程度である。しかし、前述した材料から作られたズコットには約26gもの脂質が含まれており、これは1食あたりの目安量を大幅にオーバーしている。
脂質は、体内のホルモンや細胞膜の材料となるため、体には必須の栄養素だが、摂取しすぎることで肥満や生活習慣病を引き起こす可能性がある。ズコットを食べる際は、カロリーに加えて脂質量も考慮する必要がある。

ズコットの糖質量は、およそ35gだ。間食で摂取する糖質量として、この量は多いのだろうか、それとも少ないのだろうか？
ここで、ほかのおやつと比較してみよう。直径8㎝程度の薄焼きせんべいを3枚食べた場合の糖質量は、およそ15.5g。ソフトビスケット3枚あたりなら10.4gだ。これに対し、板チョコ1枚に含まれる糖質量は、およそ25.9gである。ズコットの糖質量は、板チョコ1枚よりも多いことが分かる。
なお、ゆるやかな糖質制限ダイエットをしている場合、間食の糖質量は10gに抑えることが望ましい。このことからも分かる通り、ズコットの糖質量は多いため、摂取量に気を付けなければならない。

カロリー・栄養素・糖質のどれをとっても注意が必要で、頻繁に食べるのは危険だと思われるズコット。これをどうにかしてカロリーオフする食べ方はないのだろうか？

カロリーオフする食べ方としてもっとも簡単な方法は、摂取するズコット自体の量を減らすことだ。この記事で紹介したカロリー・脂質・糖質の量は、ズコット1切れ分、およそ129gに使用される材料から算出している。間食としてズコットを食べるなら、この3分の1程度に抑えるのが望ましい。

ズコットを食べる時間帯としては、食事の2～3時間後がおすすめだ。これはエネルギーそのものをカロリーオフする食べ方ではなく、血糖値の急な上昇を防ぐための工夫である。
食後すぐにデザートを食べると、食事だけ食べるときよりも血糖値が急上昇し、膵臓からインスリンが大量分泌される。インスリンには糖を脂肪に変える働きがあるため、大量に分泌されると太りやすい身体になってしまうのだ。これを避けるためにも、ズコットを食べるタイミングはきちんと見計らうようにしよう。

カロリーだけでなく、脂質や糖質が高いズコットは、決してダイエット向きのおやつとは言えない。ダイエットをしていない人でも、毎日食べることは控えるべきだろう。とは言え、聖職者の帽子・ズッケットに由来して命名されたズコットは、さまざまなバリエーションがある素敵なドルチェだ。特別な日にはぜひ、カロリーのことは脇に置いて、家族でズコットを堪能してはいかがだろうか。