目次
- ※1、2 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp - ※3、5、6 公益社団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」
https://www.tyojyu.or.jp - ※4カリウム | ミネラル(無機質) | 栄養成分百科 | グリコ
https://jp.glico.com/navi/dic/dic_06.html - ※5ビタミンKの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
- ※7生活習慣病を予防・治療する納豆パワー/全国納豆協同組合連合会 納豆PRセンター
http://www.natto.or.jp/hyakka/ped_syukan02.html
1. 納豆の糖質は低い?

まずは、納豆1パックあたりの糖質量とカロリーについて説明しよう。
納豆の糖質量とカロリー
1パックあたりの糸引き納豆の重さは、大体50g前後。 納豆50gの糖質は2.7g、カロリーは95kcalと低めである(※1)。これは、タレがない場合の数値だ。タレをかけることで、糖質やカロリーも変化するので、食品表示を確認して使用しよう。
ひきわり納豆の糖質量とカロリー
ひきわり納豆は一般的な糸引き納豆と違い、大豆の皮を取り除いた後に納豆菌をつけて発酵させる。大豆が砕かれているため納豆菌が付く面積が広くなるという点と、皮が取り除かれている点で、若干数値が異なる。ひきわり納豆50gの糖質は2.3gでカロリーは93kcal(※2)と、両数値とも糸引き納豆と比べると少しだけ低くなっている。
2. 納豆のタレの糖質量

納豆を買った際についてくる「タレ」。醤油や砂糖、塩などが使われており、商品によるものの納豆100gに対してタレの炭水化物は1g程度と少ないのだ。よって糖質も低く、100gあたり1g前後と想定される。納豆のタレを使用する際は、糖質はあまり気にしなくてもよいだろう。
しかし、厳しい糖質制限中で、納豆のタレを使うことに抵抗がある人は、醬油を使うのがおすすめだ。
3. 納豆に含まれる栄養成分

次は、ダイエットや身体によいといわれる納豆の栄養成分(※1)について詳しく説明する。
たんぱく質
納豆50gのたんぱく質含有量は約8gと、質量に対したんぱく質量は多めだ。
たんぱく質を摂取すると、アミノ酸に分解・吸収された後、身体に必要なたんぱく質に再合成される。(※3)体内には数万種類ものたんぱく質があり、それぞれ異なる役割を持っている。代謝や身体の機能を調節するもの、物質の輸送に関与するもの、免疫に関与するもの、身体を構成するものなど、どれも生きていくために欠かせないものだ。
火を通すことなく手軽に食べられる納豆は、糖質が低いうえにたんぱく質が摂取できる食品だからこそ、ダイエットや身体作りにも重宝されるのだろう。
ミネラル類
納豆の糖質は低いが、ミネラル類は豊富である。鉄分量は50gあたり約1.7mg、亜鉛は約1mgと多い。含まれるミネラルの種類は12種類にもなる。
とくに多いミネラルは、カリウムだ。カリウムは、細胞を正常に保ち、血圧を調整し、一定したよい身体の状態を維持するのに役立っている。(※4)
ビタミンK
納豆は糖質が低いという特徴以外にも、ビタミンKも豊富で、ビタミンKにおいて代表的な食材にあげられる。50gあたりの含有量は、300ugと多い。
ビタミンKの主な働きは、血液凝固に関与すること。血液が凝固するためには、血液凝固因子が必要で、補酵素として働くのがビタミンKだ。欠乏してしまうと、出血が止まりにくくなってしまうこともある、血液にとっても重要な栄養素である。(※5)
食物繊維
納豆50gの中に、食物繊維は3.4g。その内、水に溶ける水溶性食物繊維は、1.2g、不溶性食物繊維は2.2gである。
水溶性と不溶性の働きについて説明すると、水溶性は名前の通り、水に溶ける食物繊維だ。水に溶けるとゼリー状になり、栄養素を小腸で吸収する際に速度を緩め、食後血糖値の上昇を抑える効果がある。さらには、余分なナトリウムを排出する効果もあり、正常な血圧の維持が期待できる。一方、不溶性食物繊維は水に溶けにくく、水分を吸収することで便の量を増やす働きがあるのだ。便が増えると大腸に刺激が生まれ、排便がスムーズになる。また、有害物質を吸着し、排便時に一緒に排出されるため、腸がキレイになり大腸がんのリスクを減らす効果もある。どちらの食物繊維も、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になることで、善玉菌が増え、腸内環境が改善される作用も期待できるのだ。(※6)
とくに納豆は水溶性と不溶性の食物繊維のバランスがよいといわれる食材なので、積極的に摂取していただきたい。
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼとは、納豆の粘りのもととなる納豆菌に含まれる酵素のこと。
ナットウキナーゼを摂取すると、体内で血栓を溶かしやすくなるよう働きかけ、脳梗塞や心筋梗塞などを予防する効果が期待できる。(※7)
ただし、ナットウキナーゼには熱に弱いという性質があるため、食べる際には加熱せず、そのまま食べるのがおすすめだ。
4. 納豆は糖質制限に向いている?

ここまでの記事を読んで、納豆は糖質も低く、栄養価も高い食材ということがおわかりいただけただろうか。
納豆の糖質が低いという特徴は、ほかにもよい効果がある。納豆だけではないが、糖質が少ないと、インスリンの過剰分泌を防げるので、内臓脂肪がつきにくくなり肥満の予防にも繋がるのだ。糖質制限ダイエットをする際に活用してもよいだろう。白米は糖質が高いので、食べる際には白米の量を減らし納豆を足すと、糖質も減らせて満腹感も得られるのでおすすめだ。
5. 納豆を使ったレシピ3選

納豆は糖質も低く、身体にとってさまざまなよい効果を促すことがわかった。糖質制限をしている人にとっては、毎日食べたい食材だが、レパートリーが納豆ごはんだけでは食べ続けるのは難しいだろう。ここでは、簡単で美味しい納豆のレシピを3つ紹介する。
納豆キムチうどん
納豆とキムチの相性はバツグン。糖質が高いうどんも、納豆と一緒に食べることで血糖値の上昇を穏やかにする作用が働く。きゅうりやみょうがも加えることで、納豆との食感の違いも楽しめる一品だ。
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納豆チップス
精米時にできる米ぬかとチーズを使用して、おつまみにもなる納豆チップスができる。納豆が苦手でも食べやすく、糖質制限中でもお酒とおつまみがほしい時におすすめのレシピだ。
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納豆のふわふわお好み焼き
納豆1パックとキャベツと卵、小麦粉さえあればできる納豆のお好み焼き。簡単なので子どもと一緒に作って、食べやすい大きさに焼くのもいいだろう。納豆のふわふわお好み焼きは、家族で楽しめるレシピである。
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結論
今回は納豆の糖質について解説した。納豆には多くの栄養素が含まれ、糖質制限をしている人は、毎日でも摂取したい食材ということがわかっただろう。味に飽きてしまうこともあるので、紹介したレシピも試しつつ、積極的に食べていただきたい。
(参考文献)
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